すげー楽しみだ
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「城の庭園にあるはずだ。自由にしてくれて構わん」
ベリアルの了解もらえましたよ。すぐさま海底神殿へ行きたいところだけど落ち着くまで待つことにした。ひとまず全員で神樹を開放し各地に戻ることにした。
俺は雲の家に戻るとモッチョ氏に報告するため会議室へ向かった。
「お待ちしておりましたよレッド殿。おや・・・何か雰囲気変わりましたか?」
相変わらずのギッシュスマイル。
「いや、何も変わってないと思うけど?」
「そうですか。で、今後の方針はどうしましょうか?」
「それなんだけどベリアル含めて六カ国協議してくれる?ベリアル国もバタバタしてるから時期を見てやってもらえると良いんだけど。場所は任せるよ」
はい、丸投げですよ。
「承知しました。であれば・・2か月後にしましょうか。場所は後ほど決めるとして各国に連絡を入れておきます」
「うん、それでいいと思う。でさぁ話は変わるんだけど聞く?」
「もちろんですとも!」
モッチョ氏の目が輝きだした。
「ベリアルの所の神樹を開放したことで海底神殿都市に行くことが出来るようになったんだよねぇ。モッチョ氏も行く?」
「もちのろんですとも!以前レッド殿がおっしゃっていた都市の事ですね」
「そうそう、多分空き家ならぬ空き都市だから旨いと思うんだよね」
「そうですな。フィフスの富豪たちの別荘としても良いですな」
「うんうん、所有権はもちろん俺達にあるはずだからがっぽり儲けられそうだね!」
「ですな。・・・ならば六カ国協議はそこでやりましょうか。フィフス各国の代表も呼んで広告塔になってもらいましょう!」
「良いねイイね!じゃぁその方向でいこう。でね、他にもあるんだけど聞く?」
「もちのろんですとも!」
二人の悪巧みは翌朝まで止まることはなかった。
モッチョ氏との密談が終わり自分の執務室へ戻るとレッド隊、フリーダム隊、ウィンド隊とスカウト組の隊長が俺の帰りを待っていた。
「あれ、みんなどうしたの?もしかして俺待ちで一睡もしてないとか?」
「そうっすよ、神樹を開放した時に出てきたアトランティスっていう場所に、みんな興味深々で寝られなくて兄貴の部屋に何故か集まってしまったんすよ」
「あ、やっぱり。だよね、行ってみたいよね。行っちゃう?」
「「「「「うん!」」」」」
「じゃぁ行っちゃうか!俺はモッチョ氏とカインと3姉弟に声かけてくるから、みんなは神樹に集合しててくれ」
俺が神樹に着くとそこには、かなりの数の旅団員が集まっていた。
「団長申し訳ないです。俺は留守番しとけって言ったんですが、こいつら連れて行かなければストを起こすって言うんでさぁ。仕方なくスカウト組の下部組織の育成隊員に任せることにしました。何かあれば俺が責任取るので何とかお願いします」
そういえばモッチョ氏がスカウト組に続く部隊の育成をしているとか言ってたな。
「カルロから見て、そいつらの実力はどの程度だ?」
「そうですね・・・実力はあると思いますが経験が足らなすぎですね。まだまだヒヨッコですが警備程度であれば安心して任せることが出来ると思います」
「そっか、なら良いと思うよ。何も起こらないと思うし」
なぜ何も起こらないと思うと言ったのかは分からないが、そんな気がしたのだ。今までならば旅団員の安全を優先させるために色々考えて対策していたのだが今回はどういうわけか対策をしなくても大丈夫と。
「さっすが団長、話が分かる!」
「ジーナ!団長に失礼だろ。最初にお前が行きたいって言い始めなければこんな事にならずに済んだんだよ」
カルロに怒られしょんぼりするジーナだった。
「カルロ隊の後に申し上げにくいのですが、私の隊も同じ状況でして・・・」
今度はベイロンだ。やっぱりみんな行きたいよなぁ。
「わかったわかった。やっぱりみんなで行こう。雲の旅団全員に招集をかけてくれ。魔王には俺から連絡を入れる」
「「「「「「「了解!」」」」」」」
全員の顔が急に明るくなった。そうだよね、やっぱり楽しい事はみんなで分かち合いたいよね。
(ナーガ王、アンラ・マンユ女王、アスタロト王、ベリアル王聞こえるか?これから雲の旅団は海底神殿へ遊びに行く。あとは任せるぞ!)
何か文句言われても無視するつもりで一方的に連絡を入れたが意外な返事が返ってくる。
((((御意))))
(あれ・・・良いの?それに何・・御意って・・・怖いんだけど)
(クッククク、まだ分かっていないようですね。教えるのは癪ですので、そういうことですとだけ言っておきましょう)
アスタロトが含みのある言い方をするが俺はそんな事では怒らないのだ。
(ま、いいや。とにかくケンカしないようにな!)
俺はそう言ってPT会話を切断した。周りを見渡すと旅団員が次々にFTしてくるのが見える。
さて、海底神殿都市はどうなっているかな。すげー楽しみだ。
のんびり書いていきます。
土日(12/7・8)は投稿をお休みします。




