何かやっちゃった?
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「俺は、というか俺ではない俺が100万の軍勢を率いてお前たちが現れるのを待っていた。その時俺の意識は深い部分で身動きが取れない状態だった。だが外の状況は、断片的にだが情報は入って来ていたんだ」
バットが偵察に行っている時か。
「貴様が現れるまで何もできない状態だった。その証拠にお前の部下の気配を捉えたソロモンの悪魔に討つよう命じた。だが、貴様が現れて状況は一変したのだ。俺を抑え込んでいた呪縛のような効力が薄れたのだ。その一瞬をつき俺は表層へ出ることに成功した。しかし、その後も呪縛との攻防は繰り広げていた。少しでも気を抜くと体の自由が奪われるが、意識は落とされることは無くなっていたのだ」
戦闘が始まる前にそんなことがあったのね・・・。
「呪縛から逃れることが出来たのは俺だけのようだったので戦闘を止めることは出来なかった。辛うじて戦闘開始の合図は出来たがそれ以降も呪縛との戦いは続いていた」
他のソロモンの悪魔のほとんどが呪縛に捕らわれていたから戦闘は避けることは出来なかったのは理解できる。ベリアルだけは戦闘開始から最後まで動くことが無かったのは呪縛と戦っていたからなのか。
「リヒャルダのお願いと将来の為のエコ作戦が無かったら、お前諸共一瞬で殲滅していたぞ。なぜ意識が戻っていることを俺達に伝えなかったんだ?」
「ふっ、それは6000年に及ぶ自我と言うより他はない。この世界の素晴らしさや人間の命の重さ、あとは貴様よな。消えた金色の英雄が現れたのだ、人類に返す時が来たのだろうと」
「お前馬鹿か。人類はお前が現れるまで、人類同士で戦っていたんだぞ。皮肉にも魔族の侵攻で人類が一丸となることが出来たんだ。だったらお前たちも俺達と一緒に生きていくことが出来るだろ。昨日の敵は今日の友っていうだろ?」
「そうだな、われらは強大な力を持っているが故に人類を対等に扱うことが出来なかった。考えてみれば魂の大きさは変わらんのにな・・・・」
「まぁ、だったらこれからは気持ちを入れ替えて仲良くやっていこうぜ。すでにソロモンの呪縛は解除してあるんだから。お前達魔王なら死ぬこと無いし悠久の平和を築けるだろ?」
「貴様は変わらんな・・・俺の記憶に断片的に残っている貴様は昔からそうだったな。俺に負けた時も仲間を気遣い、次があるから大丈夫などと言っていたな」
「はぁぁぁ?お前実装当時の記憶あるのかよ?そりゃ最初はイミフな攻撃で死んだけどさ、その後嫌というほど倒してやったからチャラだな」
何がチャラなのか分からんが反論しておいた。
「ふっ、まぁいいさ。だが今回はどうなんだ?」
ベリアルが俺の後ろを指さして言ってきたので後ろを振り返ると・・・・
「あれ、皆さんどうしました?そんな怖い顔して・・・・」
男子組はしゃーないなって顔しているが、女子組の怒っている感じが半端なかった・・・
「レッド!あたしがどれほど心配したか分かっているの?」
「そうですわ、私もこの世の終わりかと思いましたもの」
「そうにゃ、ルルも足に力が入らなくなったにゃ」
「えっと、私も本当に辛かったです」
「レッドさん・・・酷いです・・・」
あら・・・ジョーカークエが尾を引いているようですね・・・。これは流石にまずいような気がする・・・何か打開策を考えねば・・・・。カインの方を見るが首を振ってお手上げ状態・・・・、アークの方を向けば遮る様にセリーヌとイレーヌが泣きながらこっちを見るし・・・・。こうなったらシズク様に頼るしかないと思いシズクを見ると、これまたヒーラー隊と一緒に女子組についたようで八方塞がり。
「えっと・・・どうしたら許してくれますかね?」
負けましたよ、えぇ、盛大に負けました。
「そうね、希望者と婚約してくれたら許してあげても良いわよ」
サーラが勝ち誇ったように言い放つ。
「はぁ、婚約ですか・・・希望者ってどれだけ居るんです?」
俺は確認の為に聞いた。
「私の知る限り、ざっと100人ね。他に希望者が居れば増えるかもしれないけど」
ほほぅ・・・・
「えぇと、何か手形でも発行すればいいのかな?」
「そうね、言い逃れ出来ない様に全員に婚約指輪を作って頂戴。それと指輪にはナンバーを刻印してもらおうかしらね・・・」
言い終る前にサーラが何かに気付き言葉を止めた。他の者も気付いたようで戦闘態勢に移る。
「え、なに、俺また何かやっちゃった?」
俺は意味が分からずうろたえてしまった。全員が俺に対して武器を構えたのだ。どうしたものかと思っているうちに視界が金色に包まれた。
のんびり書いていきます。




