最強の!!!
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カルロから連絡が入った。
ベリアルかどうかは分からないが、おそらくベリアルの軍だろう。アスタロト国へ動いたようだ。
続いてベイロンからも連絡が入る。
(団長、こちらも来たようです。ざっと3万の気配を感じます)
カルロ側に1万、ベイロン側に3万か・・・・。ひとまず二人の魔王の出方を見てからだな。
(カルロとベイロンは動かずに待機だ)
((了解))
そう言うと同時に、アスタロト、アンラ・マンユ両軍の動きが慌ただしくなってきた。あちらにも連絡が入ったのであろう、ギザロとミーシャが席を外した。
(モッチョ氏、あちらに軍勢が攻めてきたようだ。そっちではどうなってる?)
(はい、こちらも今、その話になりました。現在アスタロトとアンラ・マンユとナーガ王が話しています)
(うちの1番隊と2番隊が現場で待機しているけど、侵犯行為に目を瞑ってくれれば対応できるけど、どうする?)
(なんと、すでに動いていたのですね。侵犯行為は伏せて少数ですが加勢出来ると伝えてみます)
(その前に、二人の魔王は信頼できそうか?)
(はい、今まで話した感では嘘を言っている様子はなかったので信頼しても良いかと)
(そっか、じゃぁ聞いてみてくれ)
(承知しました)
これでひとまず連絡待ちか。
「やはり来たようですね。で、どうしますレッドさん」
リティスが問いかけてくる。
「いま、俺達が向かったところで開戦には間に合わないから1番隊と2番隊に任せよう。それにここにも攻めてくる可能性があるから戦闘準備だけはしておくように」
俺がそう言うと、全員が戦闘準備を始めた。始めたといってもBFRで一瞬なんだけどね。旅団員がガチ装備を装着すると、他の軍から警戒というか畏怖?のようなものを感じた。それもそのはず、こちらで採取した素材で旅団員の装備をゴッド級からミソロジー級にしたのだ。戦闘力は以前の倍以上になっている。格上の敵に対して、勝てないまでも戦線を維持することは出来るはずだ。格上といってもレイドボスは地上では確認されていないので心配しなくても良いだろう。そんな俺達がいまだお茶をしているのである。畏怖というか、大丈夫なのかあいつらはと心配されていたのかもしれない。
駐留場所にいる他国の者たちは王たちの指示を待っている状態だったが、なかなか命令が来ないことに焦りを感じていたようだ。
(レッド殿、いま了承を得られました。国の守備隊には連絡を通してあるので対応をお願いしますとのことです)
モッチョ氏から連絡が入った。
(俺達は待機のままか?)
(えぇ、まだ何があるか分かりませんので待機でお願いします)
(分かった)
「モッチョ氏から連絡で、俺達は現状待機だそうだ。あっちはカルロとベイロンに任せよう」
「待つのは性に合わないのよね」
「まぁそう言うなってミリア、俺達にも出番が来るかもしれないからな?」
「でも良いわ、レッドと一緒に居られるんだもの」
ミリアがすり寄ってくるが間にシズクが割り込んでくる。まぁいつもの光景だなと思いながらカルロとベイロンに連絡を入れる。
(カルロ、ベイロン許可が下りたぞ。ひとまず守備隊に話が通っているようだから協力して対応してくれ。ベイロンの方には9番隊を増援で向かわせるから先走らない様に。バットも聞いていたな?ベイロンを援護してくれ!)
(((了解)))
3人が揃って返事を返してくる。
地下洞窟で待機中のカルロ隊が動き出す。
「よーし、みんな聞いてたな。行くぞ!」
カルロの号令と共に地下洞窟から地上に出て、旧エンド王国、現アスタロト国首都城門へ向かった。こちらもナーガ国と同じく旧エンド城のみ綺麗に残っており首都城下町は守備隊が駐留する場所以外瓦礫の山であった。既にベリアル配下と思われる軍勢がアスタロト絶対国防圏の手前10kmまで迫っており、接敵まで時間が少ししかなかった。
「俺は、雲の旅団1番隊のカルロだ!話は聞いているか?」
カルロが守備隊に向けて叫んだ。すると守備隊の隊長らしきものが前に出て答えた。
「私が守備を任されている、パックです。話は親衛隊長から伺いました」
見るからに弱そうなやつだったのでカルロは思わず言葉を発した。
「お前、いやお前たち・・・戦えるのか?」
それもそのはず、守備隊とは名ばかりで、ほとんどが成人になっていない子供たちばかりだったのだ。
「私達はアスタロト様の戦士です。敵に背中は見せません!」
パックは力んで言うが実力が追い付いていないのは明らかだった。
「分かった、パックは王が戻る場所を守ってくれ。王が帰ってきて城が無くなっていたら悲しむだろ?頼めるか」
カルロは悩んだ末にパックに提案した。子供にこんな事をやらせるアスタロトに怒りを感じたが、今はそんなことを考えている場合じゃなかった。何とかして子供を助けることを優先したのだ。カルロの戦闘勘のサイレンが鳴っていなかったので大丈夫だろうと判断した結果だ。城の中には魔族の気配が感じられるので、中に入ってもらえれば多少は安全であろう。
「分かりました。私達は城に立てこもり侵入者を撃退することにします」
やはり子供だなとカルロは思った。無駄な犠牲者を出さずに済んだことに安堵した。
パック達が城門をくぐっていくのを見届けるとカルロは鬼の形相で隊員に告げる。
「さてと・・・この怒りはあいつらにぶつけるぞ!野郎ども1万対8だ。気合入れろよ!」
「「「「「「「おう!」」」」」」」
隊員の士気が上がっていく。1番隊が人馬最大戦力を展開した。そこにはウッドにカスタマイズしてもらった人形が頼もしいほどに唸りを上げていた。
「アリ一匹通すんじゃねぇぞ!俺達は!!!」
カルロは皆を見渡して叫んだ。
「「「「「「「強い!」」」」」」」
隊員が叫ぶ
「最強の!!!」
「「「「「「「「雲の旅団!」」」」」」」」
全員が叫び1万の軍勢に突撃していった。
のんびり書いていきます。




