総意
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「いやぁ、お疲れ。で、どうだった?」
「簡潔に言うと、ナーガはあなた達と講和条約を結びたいと思っているわ」
全面戦争かとワクワクs・・緊張していたが、意外な回答があった。
「・・・・へぇ、そうなんだ。モッチョ氏どうする?」
「なんか、兄貴つまらなそうっすよ?」
「そんなことは無いです。被害が出なくて安堵しています。決して戦いたいとかそういうのではありません。そうですよねモッチョ氏?」
「なんか、棒読みっすよ・・・」
「まぁまぁ、ウッドさん。レッド殿も不本意ではあるようですが、戦闘がないことに越したことはありませんよ」
「モッチョさん、不本意って・・・それフォローになっていないっすよ」
「でしたね。ワハハッ」
みんながモッチョ氏につられて笑い出した。
「ところで、ユリア姫。その講和条約は信じても大丈夫なのですか?」
「oh、モッチョさんが心配するのも分かりますデス。ですが、私を信じて締結してくると嬉しいデスネ」
・・・・お前が一番怪しいだろと思っていると
「私も、その席に一緒に居たのですが、ナーガを信じても良いと思います」
ユリア姫が後押ししたのでモッチョ氏も信じることにしたようだ。
「約束破ったら、掃除しちゃえば良いし、次の標的はどうしよっか?めんどくさいベリアルは最後にするとして、南のアンラ・マンユ、東のアスタロト、北のベリアルの順がいいな。ナーガと講和条約を結べば、同盟国として戦力の供給はあるのかな?」
「レッド殿、まだそこまでの話はしていないので、まずは講和条約を結び、国交を樹立してからかと思います」
「モッチョ氏がそう言うなら任せるよ」
急ぐ必要もないし、それよりも今は移民の方が優先だな。
「では、アストレムル殴り込み隊の総意として魔王ナーガと講和条約を結ぶという事で宜しいですね?」
俺含め、みんながモッチョ氏の意見に賛同した。
「ユリアさん、デッドラインさん、魔王ナーガへお伝え願えますか?」
「分かりました。魔王ナーガへ、その様に伝えます。条約の締結場所はこちらで決めますか?」
「いえ、魔王ナーガを信じようと思います。あちらの指定場所で行いましょう。それとロストジューダスの件ですが、どうしますか?」
「そうですね・・・・まさか魔王ナーガが講和条約を考えていたとは思わなかったので・・・」
「国家を名乗るのであれば、国土がなければいけませんしね・・・。どうでしょう、講和条約にミズールをロストジューダスの首都とすると盛り込んでは?」
「良いのですか?それではあなた達にメリットが無いように思えます」
「そこは、大丈夫です。ね、レッド殿」
でたギッシュスマイルが。
「あぁ、問題ないはず。空中都市や海底都市も空いているだろうし、月面都市にも誰も居ないと思うから。アストレムルの土地は自由にしてもらっても俺は良いと思うよ」
「という事ですので、講和条約に盛り込むという事で宜しいですか?ユリアさん」
「はい、宜しくお願いします」
話がまとまり、フレサンジュさんとライラさんが講和条約及び協定書に盛り込む内容を事細かに作成していった。今後流通させる通貨や関税など決めなくてはいけないことが山盛りだった。
協定書が出来上がったのは、それから1ヶ月が経過した後だった。
「では、こちらを魔王ナーガに届けてきます。その後、あちらの指定場所で講和条約、協定書の調印、交換をしましょう」
「ユリアさん、デッドラインさん、宜しく願いします。あと、協定書なのですが魔力が込められていますので、偽造等を行った場合はすぐにわかってしまいますので注意して下さいね」
「モッチョさん、承知しましたわ。そのように魔王ナーガに伝えます」
のんびり書いていきます。




