誰!
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(一人って誰選べばいいんだよ!・・・ハァ)
「シズクちゃんで良いんじゃない?」
「ウワッ!ティアか、脅かすなよ。お前人の心読めるの?」
「読めないわよぅ。でもマスターの顔見れば誰でも分かるわよぅ」
「そうは言ってもなぁ・・・」
「マスターは誰が良いのぉ?」
「ん、全員」
「はぃい?マスターも大概よねぇ。女子組に同情するわよぉ。でも誰か一人を選んでも、誰もマスターから離れないわよぅ。次は私って喜んでついて来るわよぅ」
「それって普通か?」
「マスターが普通じゃないからよぅ。マスターは世界を変える人」
「好き勝手にやって、みんなが幸せなら良いかなってだけなんだけどな」
「あなたはすでに世界を変えたわ。その証拠にシステムの枠を超えているもの」
口調がいつもと違うぞ・・・
「あれ?ティアさん?」
「ん、あれ、あたし何か言ってたぁ?」
「いや、何も言っていないよ」
(そうか世界を変えたか・・・、もっとこの世界を楽しくしてやるさ!見ていてくれよティターニア)
どこかの異世界
「Led君は見ていて楽しいわ。でもあの世界の上位者は誰なのかしら・・・。私の力でも干渉するのに手こずるということは相当な力を持った者ね・・・・・」
(・・・・・・・・・・)
「誰!・・・・私の世界にも干渉してくる・・・・一体・・・。まぁ良いわ、更に楽しく観させていただくわ」
深夜、採掘を終えコテージに戻ると全員就寝していた。寝なくても大丈夫なのだが、今後の段取りを考えるために布団に潜り込んだ。
案の定、シズクが俺の布団で寝ていた。
「しょうがないな」
シズクを抱きしめ、目を閉じた。
すると何故か睡魔が俺を襲った。しかし、危険な気配はしなかったので抵抗することなく眠ることにした。久しぶりの睡眠だった。
(目覚めなさい・・・)
「ん、朝か・・・ふぁ~」
目覚めると一面の草原
「はい?」
(目覚めましたか)
振り返ると、古風な女性がそこに居た。いや浮かんでいた。
「だれ?」
(全く無礼な奴ですね)
「いや、勝手に俺の世界に入らないでくれる?」
(お主の世界では無いわ!シズクの世界だわ)
「で、どなた?シズクの世界に勝手に入らないでくれる?」
(はぁぁぁぁ、こんな男の何処が良いのやら・・・わらわはシズクによって呼び出された者です)
「あぁ、神降しでシズクに力を貸してくれた人ね。その節は有難うございました。何さんでしたっけ?」
(ぐぬぬぬ・・・・ふぅ・・・・。わらわは天照、シズクに呼び出され、気に入ったので守護神として力を貸しているの)
「その天照さんが何の用?」
(・・・・私、天照なんだけど・・・。いや、私の偉大さを知らないのかもしれないな・・・そういうこともあるある)
「何ぶつぶつ言ってるの?」
(えぇい本題です!シズクと契りを結びなさい!)
「は?そういうのは、お互いの了承が必要でしょ!」
(見ていてまどろっこしいの!さっさと済ませてちょうだい!)
押し問答が続いたが突然一糸まとわぬシズクが現れた。
「やめて!レッ君ごめんね。私はずっと待っているから気にしないで」
(シズク・・・・そなたはそれで幸せなのか?)
「えぇ幸せよ。とてもね。毎日が楽しいわ」
「シズク・・・」
シズクを抱きしめた。いつの間にか俺自身も一糸まとわぬ姿になっていた。互いが霧のように絡まりあう。
「レッ君・・・大好き」
「俺もだ」
そして急激に意識が引き戻され目覚めると、羨ましそうに見つめる女子組とウッドが周りにいた。
どうやら、シズクを抱きしめながら寝ていたらしい。
「シズク、次は私の番だからね!」
「サーラさん?これ順番なの?」
「レッドは知らなくていいの!」
はぁ、そうですか・・・・
「みんなおはよう。今日も頑張っていこうな!」
太陽は見えない地中だったが、清々しい朝だった。
のんびり書いていきます。




