王ってめんどくせーな
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「優先順位を考えると、アヴァロンの人質の開放だな」
皆が頷く
「まず、先行してレッド隊、ウィンド隊、フリーダム隊と人形を使える者をスカウト組から10名程で採掘跡を通り都市内に潜入する。その際、住民を脱出させる為に都市の地下の採掘跡を拡張する」
「私は、採掘跡を案内していけばいいですね?」
「そうですね、ユリア姫には道案内と、アヴァロンの有力者との折衝をお願い出来ますか?あくまでも、今あなたは魔王ナーガの目があるので極秘裏に動いてください。デッドラインはロストジューダスで待機、何かあればすぐに連絡をくれ」
魔王ナーガに知られてしまうと、ロストジューダスに報復があるかもしれないからだ。
「okデース。何かあればユリアに連絡を入れマース」
「カインは都市防衛結界の強化、モッチョ氏には脱出させた住民をミズールで受け入れ、可能であればあちらへ避難させてくれ」
「先程、ベースキャンプの軍に頼みマーベア王へ連絡を入れ確認を取ったところ、受け入れ準備を早急に行うと回答がありました」
「ミズールの結界強化は進んでいるので、魔王が来ない限りここは安全です」
「二人とも、ありがとう。では、作戦開始!」
「「「「おう」」」」
ユリア姫に案内されたのは、ミズールから南へ3時間ほど行った小高い丘がある場所だった。何の変哲もないただの丘なのだが、不自然なくらいの大きな岩がポツンとあった。
「もう、お気付きですね。あれが地下への入り口です。人間であれば気付くことでも魔族には分からないものなんですよ」
そう言い、姫らしくない怪力で岩を動かした。
「さぁ参りましょう」
ユリア姫に促され、中に入ると意外に広かったというか、広すぎ!採掘王パネェわ!自動車が2台並んで走れる幅と高さは5~6mはあった。
「これなら馬での移動が可能になり、当初の予定よりも早く進行できそうだ」
「そっすね。あとは人形でアヴァロンの地下に複数の逃げ道を作れば、一夜で全員が脱出出来るっすね!」
(9番隊聞こえるか?)
(こちら9番隊のバットです。どうかしましたか?)
(もしかしたらお前たちが必要になるかもしれないから、すぐに合流してくれ)
(!!!、了解です)
すると5分もしないうちにバット達が合流した。お前ら早すぎだろ・・・・
一方バンドー国王城
「シャギア!4国に連絡を入れて至急受け入れ準備を整えるように伝えてくれ」
「ハッ!早急に。しかし4国に振り分けずとも、わが国だけで受け入れられますが?」
「すべての国で受け入れてもらうことで、すべての人が現実として受け入れてくれるだろ?夢ではないんだ、殴り込み隊は本当に戦っているんだってな」
「その通りです。申し訳ありません思慮不足でした」
「それよりも、あいつらの戦いを想像するだけで血が滾るな!」
「娘が心配です・・・・が、私も男なのでその気持ち分かります」
「おいおい、男も女も無いだろ。議会でそんな発言すると差別として取られるぞ?」
「あなたから差別って言葉が出るとは思いませんでしたよ。私がどれだけ議会で裏工作をしていると思っているか・・・・」
「ガハハハッ、そうだったな!気にするな」
「では、受け入れ準備は私の方で段取りを組みます。あと以前受け入れた子供たちですが、こちらに避難してきた人たちに親が居れば、その方たちを優先にバンドーで受け入れます」
「子供の親はどうやって見分けるんだ?」
「以前深層へ入るお話をしたと思いますが、その方たちに受け入れ場所で探していただきます」
「5万人一人ひとり見るのか?」
「いえ、魔力の色と波長を感じ取れば、大体わかるのでその点の心配はいりません」
「そうか、任せたぞ」
「かしこまりました」
シャギアが慌ただしく玉座の間から出て行った。
「ふぅ、王ってめんどくせーな・・・自分が動ければどれだけ楽かよ・・・」
のんびり書いていきます。




