バンドーが回らねーだろ!
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9番隊によって、1時間もかからずカインが到着した。顔面蒼白になり今にも口からあらぬものが出てきそうな感じであったが、月花の治療により防がれた。
「レッドさん、この宝珠なんですが基本障壁の水晶の原理と一緒のようです」
「そうか、で、外せる?」
「えぇ、ここを支配していた魔族を倒した時に何か落ちませんでしたか?」
あれ、何か機嫌悪くない?まさか9番隊の件を根に持ってるとか・・・。いや、カインに限ってそんな事は無いよな。
「あぁ、あれでしょ、うん、ちょっと待ってくれるかな」
(サーラ!レイスロード倒した時何か落ちなかった?)
(え、知らないよ)
(マジか、カインが落ちているはずとか言ってるんだけど)
(えぇ~知らないって言っとけば?)
(いやいやいや、ほら、それだと俺が駄目男みたいじゃん?)
(そんなことカインが言ったら私たちが〆るわよ)
(ははは、正直に言ってみるよ・・・)
(うん、頑張ってね)
何を頑張れば・・・・
「うん、あれね、やっぱりないみたい」
「そうですか。まぁ多少時間はかかりますが何とかしてみますよ。その代わりレッドさんにも協力していただきますよ」
いや、出来るんなら最初から聞くなし・・・やっぱり根に・・・
「なにするん?」
一応聞いてみる
「えーっとですね。あの宝珠と同じものを作ってもらっていいです?OBPのコンデンサコアの劣化版でいいですので」
素材は持っていたのでその場で作って渡した。
「いや、もっと駄目な物で構いませんので。どうやら魔族は器用ではないみたいですので粗悪品をお願いします」
再度、粗悪品目指してギリギリで完成する感じで製作してみる。これが意外に難しかった。
「まぁ、多少出来過ぎですがいけるでしょう」
そういうとカインがコンデンサコアと宝珠をクリスタル製の糸で繋いだ。すると急速にコンデンサコアがどす黒い色に変色していった。
「いま、レッドさんの製作したコンデンサコアが宝珠に蓄えられた負のエネルギーを吸収しています。吸収が終われば宝珠は取り外せるでしょう」
「神樹にダメージは残らないのか?」
「多少は残りますが、取り外した後は自己修復が始まるはずです。皆さんで魔力を注いでいただければ早く回復するでしょう」
しばらくすると宝珠が無色透明になる。シズクが地脈を確認して宝珠を取り外した。
「これで魔族側からFTしてくることは無いでしょう。それと地脈も正常に戻り、この島も以前と同じ姿を取り戻すはずです。それと負のオーラを吸収したこれは、私が研究材料として貰っていいですか?」
「あぁ、構わないよ」
正常に戻るってことは・・・!
(レオ、飛べるか?)
(はい、地脈も安定してきていますので飛べるはずです)
(みんな、この島限定だが飛行可能になったぞ)
(((((!!!)))))
(今後しばらくはミズールに留まり、大陸への手がかりを探すことになる。アウゲを解放したら全員ミズールに集まってくれ)
((((了解))))
一方、バンドー国では・・・
「マーベア王よ、モッチョ大統領から輸送された人たちなのですが言語というか・・・どのように対応すれば宜しいのでしょう」
「シャギア!お前はあれを見てどう思う?」
「先祖の判断は正しかったとしか・・・」
「違うよ。人間としてあれを許せるのか?」
「・・・・許せません」
「だったらどうする?」
「魔族を倒したいです」
「いいね!お前の口から逃げるのではなく倒すって言葉が聞けて良かったぜ。まず、彼らには人間らしく生きていけるように言葉を教えてくれ。意思疎通が出来るようになったら何でもいいので情報を聞いてくれ。決して手荒な真似はしないでくれよ」
「はい、承知しました。あと別のアプローチを考えています。レッド隊の月花殿は相手の深層まで入ることが出来るとのことですので、モッチョ商会に問い合わせて同等の力量の者を手配してくれるように頼んでみます」
「深層に入ってどうするんだ?」
「記憶の断片を見させていただくだけです。肉体にはダメージが残ることは無いでしょう」
「モッチョ商会の冒険者達は物凄い速さで成長しているからな。同じことが出来る者も直ぐに現れるだろうし、俺の部下にも出来るやつが居るかもよ?」
「左様ですか。まず初めに王の配下の者に確認致します。それと、願わくば、私も娘の手助けがしたくアストレムルへ行きたいのですが」
「それは、駄目だ。お前が居なかったらバンドーが回らねーだろ!」
「はぁ・・・」
「まぁそのうち皆で行くことになる。焦ることはねーよ」
「では、それまでに出来ることを私は進めてまいります」
「おう、頼むぜ」
のんびり書いていきます。




