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スラッシュパーンチ!

12


「レッドさん、お待たせしました。早速設置したいと思うのですが宜しいですか?」


「おぅ、宜しく。それで俺達は何をすれば良いんだ?」


「この箱を等間隔で周囲に埋めて下さい。その際ですが注意点があります。2/3部分を地中に1/3を地中から出すように埋めて下さい」

カインが用意した箱は漆黒の長細い箱に水晶が至るところにちりばめられており、ボウリングの球が5個ほど入る大きさだった。


「了解。みんなも聞いていたな。取り掛かるぞ!」


「「「「おう!」」」」

宿屋を中心として半径2kmの円を描くように設置し、夕方にはすべての箱の設置が完了した。


「で、これからどうするの?」


「まぁ、見ててください」

カインはそう言うと、両腕にブレスレットを装着し両手を掲げた。すると箱の蓋が開き中から見えない糸で繋がったビー玉サイズの水晶が空に伸びていった。実際に近くで見ると透明な細い糸でつながっていて最終的には村を覆う鳥かごのような形になった。


「レッドさん、試しに結界を斬ってみて下さい」


「オッケー、んじゃ行くよー」


「いや、ちょっと待ってください。かなり本気で斬ろうとしてませんか?」


「え、駄目なの?」


「はぁ・・・駄目に決まっているじゃありませんか。レッドさんが本気でやったら何をやっても防げませんよ。これだからあなたは・・・」


「最初から、そう言ってよ。じゃ手加減してやるね」


「お願いしますよ。壊されると大変なんですから・・・」


「うーん・・・加減わからんな・・・まぁ力抜けば良いっしょ」


「いや、ちょっと待ったぁ!やっぱりレッドさんはやめましょう。かと言って、他の人を見ても常軌を逸しているし、我が妹も例外ではないからな・・・・・。ウッドさん宜しいですか?」


「あれ、俺っすか。何か深く傷ついたっす」


「いえ、違います。ウッドさんのスラッシャー号で軽~くやっていただけないですか?」


「そういうことっすか!それなら喜んでやるっすよ」

あちゃ、よりにもよってウッドの人形か・・・・あいつ加減できなかったよな。それに、かなり好き勝手やってオーバースペックにカスタマイズされてるからな・・・・まぁ良いか。


「いくっスよ!スラッシャー号。スラッシュパーンチ!」

ドゴーーーン ビリビリ・・・大気が震えると同時にカインの顔が青ざめた。


「人形で、その威力とは・・・・あなた達は一体何者ですか・・・・」


「まぁいいじゃん。それに結界は壊れていないみたいだぜ」


「・・・・確認します。少々お待ちください」

カインが慌てて確認を行っていた。

どうやら結界は無事だったようだ。


「これで結界の設置作業は終わりです。あとはモッチョさん達を迎い入れて結界内の村のライフラインを整えましょう」


その後、モッチョ氏に連絡を入れ、俺達は村の倒壊した建物などの瓦礫の撤去作業を行った。

2日後、27番隊以降のスカウト組と一緒に後方支援隊が到着した。


「では、モッチョ氏、これから今後の予定について話すけど良いかな?」


「はい、お願いします」

初めは、俺が話し始めると軍属の連中が、冒険者ごときがなどと言っていたが今では大人しくなっていてとても助かる。自分の世界、もしくは尺度でしか言えない、見れない者達が、想像を超えるものを目の当たりにすると自身の世界観が崩れるのだろう、良い事だ。


「軍の方から何かありますか?」

無視する訳にもいかないので一応聞いてみるが、返答は無かった。


「まぁまぁレッド殿、その辺で良いでしょう?彼らもやっと真実が分かって来たのです。私に免じてこれ以上は」

モッチョ氏が言うのであれば良いんだけど、決して意地悪で言った訳じゃないのよね。


「後方支援部隊の統括は私が致しますので、今後は私とレッド殿がトップで方針を決めることでよろしいですか?」


「それで良いなら俺は問題ないよ」


「では、話を進めましょうか」


「りょうかい。では今後しばらく後方支援部隊は村の復興にあたってもらう。その間、雲の旅団はヨルダの街があった場所にある、この島最大の街ミズールを奪取する。なぜ街の名前を知っているとかの質問は無しで頼む」

みんな真剣に聞いてくれている。

「作戦だが、まずレッド、ウィンド、フリーダム、1~5番隊でミズールを落とす。落とした後は6~37番隊でベースキャンプとミズールの間にある村や町、拠点を落としてもらう。魔族の後方支援が無くなったところなら楽に落とせるはずだが油断するなよ」


「「「「「はい!」」」」」


「途中の村、町、拠点は、ミズールに行く際に調べつつ報告を入れるので、人形が使える者に偵察してもらってくれ」


「カインはヨルダと同規模であるミズールの街を結界で囲めるように準備を頼む。それが終わればベースキャンプをミズールへ移す。以上だ!質問あるか?」


「はいにゃ!」

ルルが手を挙げる。


「どした?」


「ベースキャンプを移す予定なら、ここの復興はやらなくて良いんじゃないかにゃ?」


「俺も大丈夫だとは思うんだけど、もしも空を飛ぶ魔族が出入り口に行ってしまったらどうするって考えて、警備としてこの拠点も必要かと思ったんだ。元からここに居る魔物のLvは低いから、各国の軍で何とかなるし、魔族が少数、祠に入ったとしても障壁は越えられないと思うけどね」


「よくわかったにゃ。軍の人にも仕事をあげるって事にゃね」

折角オブラートに包んで言ってるのに、ストレートに言っちゃうなんてルルらしいな。


「さすがルーテシア様。老体にも分かる説明、感銘致しました」

でた、ジジィ・・・


「バンドー国軍の者たちよ、聞いたな。そなたらの働きがあちらの世界を救うことになるぞ。気合を入れていくのじゃ!」


「「「「「「ハッ!ビャクエン大将!」」」」」」

ん?・・・え?・・・大将って・・・・


「おい、ジジィ。どういうことだ・・・大将って」

小さな声でジジィに確認する


「いや、これはですね、マーベア王がレッド殿に失礼のない様に便宜上そうしたまでで、儂は今まで通りルーテシア様について行きますじゃ。それに、通常はミリア殿にコテンパンにされた騎士団長のワイズマンが指揮をとります」

ほほぅ、あいつがミリアの言っていたワイズマンか、覚えておくか。


「他に質問がなければ、これで終わりとして、魔族の補給物資を無駄にしない為バーベキューでもどうかな?」


「「「「「賛成~」」」」」


「決まりだな。マルコ!早速出番が来たぞ、喜べ」


「あぁ~そうなるんですね。分かりました!頑張ります」


「リックさん、マルコに捌き方や内臓とかの処理の仕方を教えてもらって良いですか?」


「オーケー、アンダスタンよ。マルコちゃん一緒に頑張りましょうね。レッツトライよ」


「はい、宜しくお願いします!」


その夜は、マルコとリックさんが捌いた牛と豚、鳥などが出されみんなの胃袋を満たしていった。


のんびり書いていきます。

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