秘密基地に帰ろう
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夜明けと同時にマーベアが入城してきた。
「レッド!上手くいったな」
「あぁ、まぁな。うちに被害はでたのか?」
「軽傷者は数名いるが死傷者は出ていないぞ。それにしても派手に壊したな」
「そうだな・・後は頼むよ」
「お、おい、どこ行くんだ?」
「ルルと、みんなと秘密基地でゆっくり休みたいんだ」
後味の悪い戦いだった。シャギアは自分を捨て、この世界を守るための戦いをし、俺は・・・俺の我儘で戦った。どちらが正しいんだ・・・シャギアが言っていることが正しかったのであれば俺は悪なのか・・・
「レッド!迷ったら振り返ってみろよ。そこに答えがあると思うぜ!」
言われるがままに振り返ると、そこには女子組とウッドが笑顔で俺を待ってくれていた。
「そうか・・・そうだよな。ありがと、マーベア!」
「お安い御用ですってな!」
「みんな、秘密基地に帰ろう」
「「「「うん」」」」
マーベアのアジト経由で秘密基地に戻ることにした。
バンドー攻略後、秘密基地に到着して1週間経過した神樹広場のサロンでは
「で、なんでジジイがここに居るんだ?」
ビャクエンが何食わぬ顔で掃除をしている。
「儂はルーテシア様の執事だもんでな。ルーテシア様に付き従うのが常じゃ」
「はぁ、バンドーでやる事いっぱいあんだろが」
「そういう面倒・・ゲフンゲフン。難しい事はマーベアの補佐をしているシャギアがやるじゃろうて」
ジジィ、今めんどくさいって言いそうになったじゃねーか・・・・
「シャギアが表に出ても大丈夫なのか?」
「それなら、死んだことになっとるし、仮面をつけているから問題ないじゃろうて」
あれから、マーベアの依頼でミリアがスカウト組を率いオクタガーディアンの残党の各拠点を襲撃、投降するものは捕縛し徹底抗戦してくる場合は容赦なく殲滅していった。
まだルルの体調が完全に戻ったとは言えなかったので、冒険者業はしばらく休業中である。
「レッにゃん。隣良いかにゃ?」
「出歩いて大丈夫なのか、ルル?」
シズクと月花が付き添っていた。2人を見ると大丈夫と頷いてくれた。
「ルーテシア様、ご無理をなさっては・・・」
「エンジィ、私はもう、大丈夫にゃ。レッにゃんの熱い口づけで元気にゃ」
「そっか、良かったよ。でも遅くなってごめんな」
「ううん、みんなから色々話を聞いたわ。レッドこそ大変だったのに・・・私を信じてくれてありがとう」
「おいおい、にゃを忘れているぞ。ルルは昔から真面目になるとにゃを忘れるからな。それにデートの時約束しただろ。いつも一緒にいるってな」
「うん」
ルルが抱きついてきたが、シズクと月花に引きはがされた。
「それはダメ」
「条約違反です」
「私は病人にゃ、今くらいは許すにゃぁーーーー」
二人とジジィがルルを部屋に連れ戻した。
「レッド様、紅茶のおかわりは如何致しますか?」
フレサンジュさんだった。秘密基地の雑務を一手に引き受け運営してくれている。
「ありがとう、頂くよ」
「どうぞ。それとモッチョ様がレッド様とお話があるとのことですので、この場にお呼びしても宜しいでしょうか?」
「モッチョ氏が?いいよ」
なんだろ、普通に話しかけてくればいいのに・・・
「では少々お待ちいただきますようお願いします」
フレサンジュさんがモッチョ氏をPT会話で呼び出していた。
「レッド殿ぉーーーー」
モッチョ氏が走ってやって来た。
走らなくても良いのに・・・痩せないと膝悪くするよ・・・・
「モッチョ氏、話って何?」
「いや、今後の予定を確認しようかと思ってましたです。はい」
「あぁ、予定かぁ・・・。ひとまずルルの回復を待って、<深淵>でルルのLv上げ、俺が吹き飛ばした村の再建、バンドーでの経営強化を行って、ゴールのグラス共和国首都を目指すかな」
「なるほどなるほど。してその後は?」
「勿論中央への道を探す。その時は全員秘密基地に集合してもらう」
「分かりました。こちらもレッド殿が動きやすい様に手配を致しましょう。バンドーでは利益が沢山出そうですので戦争も悪くないですな」
モッチョ氏・・・悪い顔になってるの気付いてる?
「おっと忘れていました。世界情勢が大分変化してきております。各国の代表が集まりオクタガーディアンに変わる組織を作る動きがあるようです」
「まぁ、それはマーベアが居るから悪いようにはならないだろ?」
「その通りです。マーベア様の考えは雲の旅団から冒険者を派遣する方向で話を進めるようです」
「雲の旅団より強い奴がいないって言うのも問題だよな。冒険者だから、ダンジョンのドロップ品で各国軍隊よりも最先端の装備を作れるし、数的にも300人を超えたから俺達に勝てる国なんかないんじゃないかな・・・。うちに悪い奴はいないんだよねモッチョ氏?」
「勿論ですとも!全員がレッド殿に忠誠を誓っております」
「俺が、世界征服するって言ったらどうする?」
「それも面白そうですが、レッド様はそんなつまらない事はしないでしょう?」
「だね。やろうと思えばいつでも出来る事は大抵つまらないから。みんなで月に行った方が楽しいもんな!」
「月ってあの月ですか?」
「そそ、その月」
「それは楽しみですね!」
「でしょ。ドキドキワクワクするよな!中央に行けたらみんなで行こうぜ!」
「はい、楽しみにしております!」
でた・・・ギッシュスマイル(笑)
これがでれば安心か。
今はゆっくりとルルの回復を待ちますか。
のんびり書いていきます。




