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勝鬨をあげろ!

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ズドゥーーーン、ゴゴゴゴッ

物凄い音と共に西塔と王城の上層部分が崩れ落ちていく。


「あらあら、ご機嫌斜めの様ね、レッドさんは」


「そのようですねフェミリア様」


「シャルロッタ、王宮騎士団の方はあれを見ても、まだ戦うつもりかしら?」


「聞いてみない事には・・・」


「なら聞きなさいよ。私飽きてきたわ。手加減しているとフラストレーションが溜まるの。そろそろ爆発しそうよ」


「はい!直ちに」

シャルロッタが大声で叫んだ。


「王宮騎士団の者よ!聞けぇーーー!お前たちはあの状況を見ても、未だ戦闘を続けるつもりか!ルーテシア様は我らの手中にある。今のうちに降伏しないとこの一帯が焦土と化すだろう。返答は如何に!」

王宮騎士団の動きが止まる。


「今後は手加減することは一切無くなるぞ。一刀のもとに切り捨てることになるだろう。さぁ返答は!」


「無念・・・よかろう、その要求を受け入れる。私は王宮騎士団団長ワイズマン。部下の命だけは助けてくれ」


「わかった。武器を捨てて投降しなさい」


「だが、私は団長としての責務を果たさねばならん。そちらの隊長との一騎打ちを望む」


「馬鹿ね。つまらない責務など捨てればいいのに。死んでしまったら意味が無いわよ」


「そなたが隊長か。名を教えてはくれまいか」


「ウィンド隊隊長、剣聖のフェミリアよ」


「フェミリア殿、不器用ゆえ、私はこんな生き方しかできない、本当に申し訳ない」


「男はみんなそうよ、あなただけじゃないわ。でも嫌いじゃないけどね」


「かたじけない」


「準備は宜しくて?私はいつでもいいわ」


「では、参る!」

剣と盾を構え突進しミリアと交差する。


「・・・・・見事・・・」

ワイズマンが倒れた。

「「「ワイズマン団長!!」」」


「安心なさい、峰打ちよ。シャルロッタ、後は任せるわね」


「承知しました。フェミリア様はどちらへ」


「決まっているでしょう」

城を見上げる。


「ご武運を」


「残っていればよね。出番は無さそうだけど」



玉座の間に降り立ちシズクと月花にルルを引き渡した。

「レッド・・・・・・」

ルルが何か言いたそうだったが言わなくても分かった。


「分かっているよ、ルル。安心して休んでいてくれ」

それを聞いたルルは安心したのか目を閉じ眠ったようだ。シズクと月花が絶えず回復魔法をかけてくれるので心配はしていない。あとは目の前のコイツだな。玉座を見上げる。


「もう取り巻きはいないみたいだけど、どうするんだシャギア!」

降り立つと同時にサーラ、ウッド、リーズがオクタガーディアンの精鋭らしき者たちを瞬殺していた。


「お、お前たちは分かっていないのだ!この世界は我らオクタガーディアンが6000年間ずっと守護してきたのだ!それをなぜ壊そうとするんだ」


「そう言うのならば、なぜマーベアの親父を殺したんだ、仲間じゃなかったのか?」


「ベルドはおかしくなっていたんだ。彼とは古くからの友人で小さい頃からいつも一緒だった。最近になり、世界は変わってきているとか、冒険者に任せようとか、訳の分からない事ばかり言い始めたから始末せざるをえなかった・・・こうするしかなかったんだよ!」


「ルナもそうだ。ルーテシアを連れて僕のもとを去っていった。秘密を守るためには手段を選べる状況じゃなかった」


「おまえ・・・自分がおかしくなったとは思わなかったのか・・・」


「我が一族は世界を守るために研究施設で色々な発明を担当した。それを否定することは我が一族の否定につながる。それだけは断じて認められん」


「自分の子供だぞ・・・・・それを・・・一族がどうのと・・言ってんじゃねぇーーーーぞ!!!!これ以上話すと暴走しそうだよ。覚悟は良いな?」


「私を殺せば水晶の秘密は分からなくなるぞ?」


「その件は、解析が進んでいるからいいや!」

シャギアの右腕を切り落とす。


「ぎゃぁーー・・・クッ・・なら殺すが良い」


「言われなくてもなっ!」

左腕を切り落とした。


「ぐぎぎぃ・・・・」

次に両足を切り落とすと、血だまりの中に横倒しとなった。


「覚悟は良いか?」


「・・・・やれ・・・」

振りかぶり、首めがけて振り下ろす。

(これで、みんなの所へ逝ける。ベルド、ルナマリア、俺もそっちへ行くよ。ルーテシア・・・不器用な父を許してくれ・・・愛しているよ)


「バーカ、殺すわけねーだろ。シズク、月花至急治療を頼む」

「「うん、はい!」」


「なぜだ・・・」


「ルルの父親を殺せるわけないっつーの。マーベアのもとで暫くまずい飯でも食べるんだな」


「私が行った行為は許されないものばかりだ・・・」


「死んで詫びるくらいなら、人の役に立てよ。最後の瞬間に思ったことがすべてじゃないか?」


「お前は人の心が読めるのか?」


「どうだろうね。子供は大事にしろよ?後悔の無いように生きろ」


(・・・・・ベルド、ルナマリア暫く行けそうもないみたいだ。どうやら私の方がおかしくなっていたのかもしれないな。こうならなければ3人で昔の様に・・・・)

(お前はお前の信念に従ったまでだろ?気にするな!時間はある、悔いのない様に天寿を全うして来い!)

(あなたは昔から思ったことは貫く人だったわ。しょうがないわよ。ルルをよろしく頼むわよ)

!!!

(ベルド!ルナ!私は・・・・待ってくれ!お前たちに謝らなければ・・・待ってくれ!!)

((お前には、あなたには、やる事があるでしょう。終わったら3人でお茶でもするか、しましょう))

(・・・・そうだな。私にはまだやる事があるのかもしれないな。すべて終わったらみんなで・・・)

((待ってるぞ!待ってますわ))

何かがあったのだろう、シャギアの顔から憑き物がとれたように穏やかな顔になっていく。



「マーベアの旗を掲げて勝鬨をあげろぉーーー!」

「「「りょ」」」


王城から勝鬨が上がり周囲の戦いが収まっていった。


のんびり書いていきます。

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