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チート無くても大丈夫じゃね。

1


「捕まえたぞ~」

 俺は娘を抱きしめた。


「今度は雛ちゃんがパパを捕まえるね!」


「うんうん、パパを捕まえられるかな?」


「雛ちゃんね、保育園でかけっこ1番だから、すぐだよ」


「じゃ行くよ?」


「雛ちゃんが合図するの!」


「じゃ雛ちゃんの合図でスタートね」


「よーい!どん」

 娘が可愛らしくかけっこのポーズをして合図するのと同時に俺は加減しながら走り出す。しかし娘が追ってくる感じがしないので振り返ると


「パパァー!」

 娘が悲しげに叫んでいる。


「ヒナちゃんこっち!どうしたの?こっちにおいで」

 俺が呼びかけても首を振る。何か様子がおかしい。


「ダメだ!行かないでくれ頼む!」

 必死に叫び追いかけるが、一向に距離が縮まらず逆に離れて行ってしまう。


「パパを置いていかないで!雛ちゃん・・・パパを置いていかないでくれ・・・」

 いつもここで目覚める。毎日毎日つらい夢を見る。本当に嫌な夢だと思いながら疲れた体を起こし仕事へ行く準備を始める。


「いってきます」


 ひとりつぶやき家を出て職場へ向かう。今日も資本主義の世界で歯車となって働く。働かざる者食うべからずである。無心で働き帰れば寝る。そして夢を見る。それの繰り返しである。嫌ではないけど疲れたな。

 仕事が終わり、いつものように家に帰り、いつものように夕食を摂り風呂に入る。寝る前は憂鬱になる。寝ればいつものように、あの夢を見るからだ。しかし寝なければ明日の仕事にも支障が出るので寝るしかない。

 俺は仕方なく寝ることにした。体は疲れていたのですぐに意識が落ちていった。だが今日は違った。明け方まで夢を見なかったのだ。

 俺は不思議に思いながらも起き上がる。よく寝たのだが体中が痛い。


「あぁ~寝た寝た、イテテ・・・ん?」

 周りを見渡すと遊具らしきものがあった。


「はぁぁ?そもそも此処どこよ、公園で寝ちゃったの?」

 酒はやめたはずなのに?いや、おかしい・・・確かに俺は自宅の布団で寝たはずだ。それとも夢遊病か?どちらにせよ自宅に戻らなけば会社へも医者に相談にも行けない。とりあえず帰路に就こうと周りを見渡す。遊具もよく見れば、ブランコ?らしきものは木製で周りには何もなかった。


「知らないぞ、こんな公園・・・」


 そういえば・・あれれ・・?コンクリートジャングル、ビルの一つも見当たりませんが?更に周りを注意してみると木造の家が見えたので、ここがどこなのか確認しようと進む。


「まさか、こんな何もないところまで意識がないまま来るはずがないよな・・・」

 俺は独り言をつぶやきながら歩く。


 早朝のせいかレンガの舗装路には誰も居ない、が知っているぞ・・・そうだ、ここは20年近くやっているMMOの世界にそっくりだった。


 ということは、これは例の異世界転生というやつか。しかし死んだ記憶もないので夢だろうと思いながら、付近に誰も居ないという状況は一つ、チュートリアルってことだ。俺がやっていたMMOはバーチャルリアリティなどではなく昔からあるやつだ。モン〇ンとかF〇とかドラ〇エとかね。だが今はコントローラー操作ではなく俺の意思で体を動かしているのですこし興奮している。

 でも夢って起きると忘れているんですよね。大体は覚えているのだけれど細かい部分は覚えて無いんだよな~。まぁ夢でもいい、後悔の無いように楽しもうと!そして建物の扉を開ける。


「誰かいますか?」

 中にはカウンターがあり、そこには夢にまで見たエルフのお姉様がいるではありませんか。ワクワク


「冒険したいんです!何か仕事ください!」


「・・・・」

 あれ何か間違ったかな?ふとゲーム内容を思い出す。確かここで最初のクエスト受ける

はずなんだけどな。間違えたか。そもそもこれはそのゲームなのかと色々と考えていると


「お父さんとお母さんはどこに行ったのかな?」

 カウンター越しのお姉さんの言葉に、俺は自分を指さした


「そうよ、ここは子供が来るところじゃないのよ?名前は?」


「レッド、レッド・フォーンです」

 と、咄嗟にMMO時代のキャラ名を答えた。あれ・・・もしや。窓ガラスに映る自分を確認し俺様沈黙・・・小学生低学年。おそらく7歳ほどかと。マジ卍、どーりでカウンターが高いなって思ってたんだよな。


「レッドちゃんは迷子さんかな?」

 うなずく俺。そうとしか答えようがない。もう詰んだな。終わったわ異世界転生。

チート機能ないのかと思いステータス画面見ても明らかに普通。俺のやっていたゲームにこんな設定というかクエなかったしな。暫し思案していると


「お待たせしました。ギルドより要請を受けたギドです。迷子の子供を預かりに参りました。」

 ん?ギルドだって・・そういえばエルフのお姉さん誰かと話していたような・・


「あ、ありがとうございます。ここにいる子がそうです。」


「君がそうか。この国には迷子や孤児などを保護する施設があるので両親が見つかるまで、

そこにいるといい」

 と言われついていくこと30分。マウント無いのかよぉ!馬とか乗り物あるでしょ!疲れたし腹減るわ眠いわで着いた早々お昼寝となった。まぁ夢としてはリアルだったが、これでいつものサラリーマンに戻れると思い深い眠りへとついた。


勉強していたわけではないので、読みにくい部分は許してください。

仕事をしているので更新は不定期です。

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