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竜の信仰と僧侶マオ

「カラス、どこですか?この霧は一体」

黒い霧につつまれたニニギ

視界を塞がれたまま後頭部に衝撃を受ける


シャン、シャン、シャン、シャン


薄れいく意識の中ニニギは金属の擦り会わされるような音を耳にしていた


シャン、シャン、シャン、シャン






「おーい、無事かー、おーい」

聞き慣れない声がする

「お、目を覚ましたね、大丈夫か?ボウズ」

目を覚ますと妙な格好をした男が立っていた

見慣れない服装をしている。男いわく「まぁケサっていうかジンべェだ」らしい

その手には先端に金属の輪がいくつか付いた棒をもっている。男いわく「シャクジョウ」というものらしい、シャンシャンの招待はこれか?

ニニギよりはよっぽど長身で180㎝位だろうか、年齢は20代後半か30代前半か40と言われれば40にもみえるか、頭は坊主にしたあとしばらく手入れせずに伸ばしたようで、無精髭があり顔立ちが良いわけではないのだがどこか色気のある顔をしていた、格好いいわけではないがどこか人を惹き付けるものがある、そんな印象を受けた。

「あなたは一体、あ!あの黒い霧は!一体どうなって」

隣村までの途中で街道に立ち込める黒い霧に襲われたことを思い出し、今の自分の状況を把握しかねていた

「あぁキリね、うん、きり、霧、そうそう大変な目にあったね」

男はどこか明後日の方向を向いてさも適当に答えた

「ニニギぃ大丈夫かい?危なかったよ、この人が霧とその元凶をやっつけてくれたんだ」

声の方向を向くと直ぐ横にカラスがいて心配そうにのぞきこんでいた

「カラス!無事だったんですね、よかった」

ニニギはカラスを見て心底ホッとしていた

しかしあの霧は何だったのか、明らかに敵意を持って向かってきていた

「ありゃね、光を遮って視界と方向感覚を狂わす陰の属性の魔法だね、単純なものだが不意に使われると意外と厄介だよ、あれはね。

幸いにも光を遮断しても音までは対応出来なかった、だから音を鳴らして広げて、打ち消したんだよ、こりゃ俺の専売特許だからね、そして隠れて悪さしていた奴をバーンとね」

拳をつくってつきだしながら、どこかけだるそうに話した

「あなたは一体何者ですか?」

ニニギは頭に浮かんだ疑問をそのまま口にした

「俺かい?あぁそうそう自己紹介がまだだったね、俺はソウリョをやってる名前はマオだ。それよりもおめぇさんのほうが何者なんだ?しゃべる鳥を連れてしかも名前がカラスってね、俺のもともといたとこじゃあカラスは黒いもんだ。それにおめさん」

不思議そうな眼差しを向けてマオは続けた

「おめさん、マナを持ってないじゃないか、その剣も、おめさん自身も、この世界の理に逆らっているよ、まるで混沌だ、んで、ここで何をしてたんだ?」

ニニギは言われてしまったという顔をしていた

「あぁ!すいません、自分が名乗らずに素性をうかがってしまいました!」

ニニギは軽い自己紹介をしてからエルフに会いに行くこと、町でのことと村に向かっていることを大まかに説明した。

「あぁ、そうか、なるほどなるほど、まぁいいや、それでおめさんが何者かはまだよくわかってないんだが」

ニニギは困った顔してマオをみた

カラスもその質問には答えずらそうにしていた

「そうかそうか、なるほどなるほど、おめさんも自分の事がよくわからないって顔だな、まぁいいや、とりあえず村に行ってみようか、村が気掛かりだ」

道の隅に目をやりながらマオは言った、そこにはマオに殴られたであろう男が気を失って倒れていた、黒いローブを着た男をみてニニギは驚いた

「このローブは竜の信仰者!こんなところで一体何を!」

ニニギは予想外の敵の正体におどろいていた

「ま、なんにせよ連中のやることはろくなもんじゃないからね、世界を破壊する竜を崇める連中だ」

目を細めて嫌なものを見るような視線でローブの男をちらっとみやる

「村に急がないと!」

最早事は一刻を争う状況だった、いや遅すぎる位であろうと思われた

「よし、んじゃ村までお供しようかニニギ君」

マオはニニギの背格好、似合わない丁寧語と不釣り合いな大きさの剣、人の言葉を話す白いカラスを見た

「チンチクリンってのがぴったりはまるね」

口元に笑みを浮かべて呟いた




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