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田舎からのお客様

王都は凄い賑わいだ。これが、お祭りとかじゃなくていつもの事だと言うからびっくりする。田舎から出てきたばかりの私達には、珍しい物ばかりで自然ときょろきょろと余所見をしてしまう。迎えに来てくれたミント兄さんがしっかりとリコリスの手を繋いでいた。そして、私の手をアルフレッド団長さんが捕まえていた。繋ぐのじゃ無くて、捕まえるとは先ほど迷子に為り掛けたからだ。アルフレッドさんはユリウス様に頼まれて来てくれたらしい。

私はステビア。ミント兄さんの妹で今年13歳になったばかり。妹のリコリスはまだ9歳。

一度王都に行って兄さんの生活を見てみたいと、ユリウス様とのお手紙に書いたら、是非おいでと、言ってくれた。そして、私たち二人でも来ることができる様色々と手配してくれたの。

ユリウス様に話していたから、すっかり兄さんにも話した気になっていて、会った瞬間に凄く怒られた。でもその後ぎゅっと抱きしめてくれたから、いいことよね。ユリウス様はお城に居るんだって。やっぱり、王様なのね。

去年、お母さんの体調が悪くなって、兄さんが帰って来た。薬や、色んな物を持って。その中には私達二人に宛てた手紙が入っていたの。ユリウス様からだった。

手紙には、私達がずっと気にしていたことが書かれていた。お母さんの病気はもしかして私達の所為?きちんと私達はお母さん達の役に立っている?他にすることはない?出来ることはない?そんな風にずっと考えていたから、その答えが貰えたみたいで嬉しかった。


『ステビア様、リコリス様へ』と書かれた手紙には、

『エメリア村は、まだ雪が残っている頃でしょう。

まだまだ寒さが続き、大変な日々を過ごして居る事でしょね?

お母様の体の調子はいかがですか?

僕が不甲斐ないばかりに、君達の大切なお兄様に迷惑を掛けてごめんなさい。

僅かながら、お役にたちたいと思い、薬を送らせてもらいました。

良くお母様を励まし、お父様を支えてきましたね。

この国の王として君達を誇りに思います。

これからは、ミントが君達を支えてくれるでしょう。

騎士となり、僕や国を支えてくれたように。

だから、安心してミントに甘えてください。

本当に良く頑張った二人には、僕からの気持ちを送りますね。

体に気を付けてくださいね。

お母様が早く良くなる事を祈っています。

ユリウス=サイト=アレキア 』


短いけれどその手紙には、私達が頑張ってお母さん達を支えてきたと書いてあった。本当に嬉しかった。それに綺麗に包装された小さな箱が二つ入っていて、そこにはキャンディと小さなメダルが二個入っていた。メダルはとても小さいけれどキチンと女神さまが彫刻されていた。綺麗なリボンが付いていて、裏には二人の名前が彫られていた。まるで、お月様みたいにキラキラ光るメダルは私達の宝物になった。

お母さんもみるみる元気になっていったし、私達はどうしてもお礼が言いたくてユリウス様に手紙を書いたの。そこに何も返せないから、種を入れてみた。

村には王様や行政に、直接意見や要望を伝える為の箱が在って、本当に届くか分からないけれど入れてみた。感謝の気持ちを伝えたいだけだったし、ユリウス様が直接読まなくても、誰かがこんな物が在りましたと、伝えてくれるかも知れない。そう思って書いた物だった。

ところが、直ぐに返事が来た。これにまたお礼を出す。返事が来る。お礼を…。そんな繰り返しをしている間に文通をしていた。

その中で、私が気になったのは、スライムの話だった。この話の時、ユリウス様はとても楽しそうに話してくれる。それに城には魔王様と勇者様が居るらしい。興味が有って色々聴くうちに私も知りたくなってきてしまった。ここに若干13歳のスライム仲間が誕生したことに兄さんは気付いていないけど。


ミント兄さんとアルフレッドさんに連れられてお城に来た。意外と質素な感じ。騎士団の寄宿舎に泊まるので、女性専用の寄宿舎に連れていかれた。そこで、イルミナさんという人に紹介された。ここに泊まる間色々と教えてくれるそうだ。イルミナさんは官僚の人らしい。部屋に荷物を置いて、寄宿舎内を案内してもらった。その後、兄さんの所に戻り城内を案内してもらうことになっていたので待ち合わせ場所に行くと、アルフレッドさんが居なくなっていて、代わりに凄く綺麗なお姉さんが待っていた。イルミナさんも綺麗だと思っていたが、もっとすごいとぽかーんと見入ってしまった。すると、イルミナさんが、

「クリスティア様来てらしたんですね?お待たせしましたか?」

そう聞いている。リコリスもこのクリスティア様と呼ばれた人を見て緊張している。まるでメダルに彫られた女神の様に美しかった。

「いいえ。今ミントにお話を聞いていたの。小さなお客様はどんな物が好きかなと思って。ユリウスがルーアナのケーキがいいかなと言うから、買に行こうかと思って?」

そう、女神が答えている。女神は、私達に向かい綺麗な挨拶をした。慌てて私達も頭を下げるが、ぎこちなくて恥ずかしくなってしまう。けれど女神は、しゃがみ込んで、私達と目線を合わせ、蕩ける様な微笑みをくれた。

「いらっしゃいませ。ステビア様、リコリス様。私ユリウスの妻のクリスティアです。お疲れかもしれませんが、夕食にご招待しても構いませんか?」

そう女神は話しをしたが、危うく聞き逃すとこだった、ユリウス様の妻。つまり王妃様だ。思わず、

「王妃様―!」

そう叫んでしまった。兄さんはびっくりして、私の口を押えようとしたが、女神もとい王妃様は、微笑んだまま、

「はい。」

と返事をしてくれた。ユリウス様の手紙にも王妃様がとても綺麗だとは書いてはいたが、直接会いに来てくれるとは思っていなかったので、気が付かなかった。でもそりゃ綺麗なはずだよ。王妃様だし。やっぱりすごいよ!王都って!



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