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勉強しましょう。

スライムについて書いてありますが、勝手な解釈なので気にしないでください。

わくわくが止まらない。

待ちに待ってた授業開始である。

今日の生徒は、僕ユリウスに、レイブンさん、ヨミにアルフレッド、カイルとアルテアそれから、サリアースだ。

アルテアはサリアースに思うところが有るようだが、今は堪えている。実のところ、アルテアは武官の家の出のせいか、気が短い。自分では気がついてない様だが、これは血だと思っている。どちらかと言うとクリスティアの方の血筋じゃないかとも考えているのだが…恐ろしいので触れないでおく。

さて、授業に行こうかと考えて居たところにクリスティアが尋ねてきた。一目見て不機嫌なのが分かった。また、気絶させられては敵わないので、ソファを薦め、自分も隣に座る。

「どうしたの?」

そう聞くと、キッと睨んできたが、涙目になっていて可愛い。ついつい、ちゅっと頬に口付けを落としてしまった。

クリスティアは、口付けしたところを手で隠して、余計睨みが酷くなった。これは、不味いかな?

「ユリウス。今誤魔化そうとしたでしょう!」

そう言い、僕の太腿をバシリと叩いた。何を?と思ったが、

「ごめんね?クリスティアが、凄く可愛いから思わずしちゃった。」

そう言うと、耳朶が色付いて益々可愛くなる。僕を試してるの?ここ、執務室なんだけど、我慢できなくなったらどうするの?

僕が心の中で考えていると、思っていたことは、普通に声になっていたらしい。

「ここでは勿論駄目、試してもいないから。」

二人きりで居ると、クリスティアの口調は昔と同じくなる。

「じゃ、どうしたの?」

聞くと、

「サリアース様も授業うけるのね。ビックリしたわ。レイブン様が言いに来たけど、ユリウスはサリアース様をどうしたいの?」

そう、言い視線を会わせてくる。

はーあー、寝室に行きたい。それはそうと、そう言えばきちんとクリスティアには話して居なかったな。

「彼は、ここに遊びに来た訳じゃ無いみたいだよ。謁見の申し込みも無いまま、僕に会いに来たんだ。」

「えっ?そうなの?」

こくりと頷き、

「皇国で、何か思惑があるらしい。まあ、教えてはくれないけど。で、アルフレッドの意見としては、こちらをつついて連合国に何か仕掛けたいんじゃ無いかって?」

すると、クリスティアは、なるほど…。と考え込んだ。

「でも、魔王様と勇者様が居て、酷く焦ってた。何か在るとは思ってたけどまさか!?だったんじゃないかな?」

クリスティアの目が半眼になって怖い。

「そ、それで、疚しいことは無いって知ってもらうにはこれが良いかなって思って…。ダメだった?」

そう聞くと、首を横に振り、

「ユリウスが思うことをすれば良いよ。只、秘密は嫌い。教えてくれないのは寂しい。」

ぎゅっとして良い?本当に大好きです。

また、声に出てたらしくて、

「夜なら良いよ。」

お許しが貰えました。やった。

「とりあえず、私も気を付けて見ているよ?」

そう言うので、

「彼、クリスティアのこと気になってるみたいだから、二人きりで会ったりしないでね?僕が嫉妬で彼をスライムの餌にしてしまわない様にね。」

指を立てて、お説教の様に言ってみた。すると、クスクスと笑われた。

「私、本当はレイブン様に嫉妬してたの。ユリウスの考えが良く分かってるみたいだから、でもユリウスも妬いてくれるのね?何だか安心したわ。」

そう言い、ソファから立ち上がり、僕の前に立ち僕の前髪にそっと口付けしてくれた。子供にする様だったけど、嬉しいので良しとしよう。


教室には、すでに皆が集まっていて、一番最後でした。あ、でも、先生よりは早く付いたので良しとしよう。

今日も、ザラ様は小さな体で、両手一杯のヴァブ様をだっこして登場です。ザラ様ごとぎゅっとしたいです。教台に置かれたヴァブ様は少し透明度が落ちてきています。誰か魔術書か魔石無くなってる人居ませんかー?

出来れば、このまま可愛い性格のヴァブ様で居て欲しいです。

ザラ様が教室を一回り視線を向けてから、サリアースをじっと見つめました。どうしたの?ってなっていると、ひどく汗をかいたサリアースの肩がビクリと跳ね上がった。まじでどうしたんだい?

思わず凝視していると、ガタガタ椅子を鳴らしてサリアースは立ち上がり、気をつけをして、

「クレハ皇国第5皇子、サリアース=ウサハです、よろしくお願いします。」

と、頭を下げた。思わず、夢でも見てるのかと周りの反応を確かめちゃったよ。カイルを見たら、めちゃめちゃ渋い顔をしていた。何か有ったんだね?後で詳しく聞き出そう。

ザラはそれを見て大様に頷き、黒板に向き直った。それを見たサリアースは、心底安心した様に長い息をつき、椅子に座り直した。やだ、何だか面白い事が起きてる予感がするよ。


まあ、それは置いといて。今は大切な勉強中。

『人間とスライム』

黒色スライム。このスライムは、南のアルーム地方に生息しています。彼らの主食が関係しています。彼らが食べるのは石炭です。この地域は、特に良質の石炭が産出されて居ますが、それを食用にするスライムが増え、困っていました。


一度書くのをやめて、ザラ様が振り向いた。

「ある冒険者だと聞いています。その冒険者がこのスライムに火を付けるとゆっくりと燃え、とても便利だと気付き、黒色スライムは乱獲され始めました。」

えっと声が出てしまいました。するとザラ様は、

「はい。ユリウスそんな顔をしない。」

自分の顔がどうなってるかわからないが、きっと情けない感じだろう。

「彼らにも、生活が掛かっています。」

それは、分かるんです…分かるんですが…。



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