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なにこれ、ヤバい。

困った。凄く困った。授業に遅れて出たのは良いが、城にいて急に魔力が濃くなったな~なんて呑気にしてる場合じゃなかった。教室の中はもう蠢く魔力の霧状態で全く前が見えん。なんだこれ。マジかよこれ。あの魔王めちゃめちゃ良い奴だったんだな。改めて感じたよ。Stop魔力の垂れ流し。あんまり酷くて見えないから、霧の中に手を突っ込んでひとつに集める様イメージしながらひと撫でした。すると、考えてたより重い音が足下に響いてビックリする。

「うおっ。」

思わず声が漏れた。その後、バラバラと小粒の石のような物が落ちる音がした。魔力の霧が晴れる。俺の間抜けな格好をユリウスが見ていていた。足下には魔石となった魔力の塊が無数に落ちていた。びっくりしたユリウスが近付いて来て、魔石を拾い上げた。

「うわぁ。流石ですレイブンさん。こんな純度の高い魔石ははじめてみました。」

拾った魔石を光に当て繁々と覗き込んでいる。俺としてもこんなに大きな魔石を作るのは初めてだった。魔物を倒すと自然に出来上がることが多かったが。(良くこれを売って装備整えてたな)

ふと、見るとザラの横に紫色のスライムがいる。めちゃめちゃ睨んでくるんですが…。スライムから駄々漏れしている魔力がさっきの霧と同じだった。こいつかぁ。

何だよこの濃度。魔王倒した時と同じぐらいある。ザラが席に着くよう促した。何やらもう紹介は終わったようだが、おとなしく聞いている。アルフレッドが箒と塵取りを使って落ちている魔石を掃除してくれた。ありがとうね。ご免なさい。

ザラが話をしていく。あのスライムはどうやら、魔導書や魔石を食うらしい。そんなスライムいるのかとビックリしたが、話をできることにもっとビックリした。

世の中広いと言うことだ。

しかし、随分睨んでくるな。何かしたかな?あぁ仲間一杯葬ったな。側に近づかない方がいいかもな。

俺の思いとは裏腹にめっちゃめちゃ睨んでくる紫のスライム、ヴァブ。○△◎☆▽が本当の名前だそうだが、確か“現夜の沫”だかって意味だったと思うけど訳間違ってたら恥ずかしいので言わないでおく。しっかし、そのまんまの名前だと思うんだけどな。

授業が終わり、アルフレッドが拾い集めた魔石を返して寄越した。袋に収まったそれを受け取って、城下の店に持っていこうかと思案する。まだ、魔方陣の付与されてないこれらの石は今はただの石だ。嫌、使い途がなくも無いがめんどくさい。それにこの石は、属性闇だろうし扱いにくいななんて考えていると、あのスライムが近付いて来た。

「おいお前。その石を寄越せ。」

そうおっしゃるヴァブスライム。まあ考えようによっては、確かに彼のものではあるかな?しっかし言い方。この頃、口の悪い奴相手にして無かったから、カチンとくるな!そう思ったので、取り敢えず石に聖なる呪いを仕掛けておいた。魔石を渡そうとすると、

「汚ならしい。そこに置くがいい。お前が触ってるよりましだ。」

うわぁ。すげぇムカつく。ユリウス居なかったら、確実に殺ってたよ。袋のままじゃらりと捨てるように置いた。ユリウスが、後ろではらはらしながら見守っている。大丈夫です。あんたの前では殺ったりしませんから。ニコニコ笑いながらユリウスに頷いて見せると、ほっとした様子だ。分かりやすい王様はやっぱり心配だな。

俺が置いた魔石を袋ごと体に取り込みこむヴァブは、突如霧散した。えっ。転移まーほーかよ。やべぇ奴だったんだな。途端に爆発音が響き渡り、ビリビリ、ズズンと城が揺れた。慌てたユリウスが窓に駆け寄ろうとしたが、アルフレッドに止められた。安全が確保されるまで頼むと俺に王様を預けアルフレッドは飛び出していく。ヤバいなぁ。さっきの呪いに反応したんじゃ無いよな?俺が悪いのか?誰かケガでもしたら、俺治しますから。ごめんなさい。城の備品が壊れた時はばっくれよう。ユリウスは、外の様子を気にしていて落ち着かない。そう言えば、王妃の姿を見ないな。ヤバい。これは実にヤバい。俺までソワソワしだす。

女官の一人が慌てて教室に飛び込んできた。何事かと、ユリウスが緊張しながら尋ねると、

「ザラ様のお部屋が、爆発しました。」

とんでもない発言。ヤバい。

「あっでも、ザラ様は無事です。クリスティア様に拉致されて、お部屋にはいらっしゃらなかったので。」

とのこと。二人が無事と分かっただけでも良しとしよう。

「何が爆発したのか、解っているのかい?」

ユリウスは女官に落ち着いて声を掛けた。

ぶるぶる首を振る。

「では、その場より離れることを優先して。行方の分からない者が居ないか点呼を取る様伝えてもらえるかい?くれぐれも無理はせず自身の身の安全重視でお願いってことで。」

その事を、他の騎士や城で働く人達に伝えるようお願いしている。女官は部屋から飛び出して伝令をしにいった。





のろのろ。すみません。

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