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キラキラ

はじめての投稿です。色々すみません。

キラキラと光るそれは、美しい空の色をしていた。

 ふるりと一度震えれば、小さなさざ波が表面を波立たせる。

 あー美しい。どんな宝石よりも、美しくて清らかだ。

 そんな事を呟けば、我が妻クリスティアは美しい顔をしかめる。眉間に寄せる皺が気になるのか、慌てて手を当て仕切りに擦っていた。

 大丈夫。君はどんな姿でも美しいよ。まあ、言わないけど。

 僕の呟きに、大きく頷いてくれるのは、アルフレッドだけだ。高身長で美丈夫な彼は、その見た目に反し乙女だ。整った容姿とそつの無い対応、それでいて騎士として文句の無い強さ。どれを取ってもモテ要素しかないのに、未だに彼女いない歴更新中。

 まあ、多分僕のせいだが、それも言わないけどね。

 大事な友を失いたくない。

 「なら、あれと心中なさればよろしいのでは?ユリウス。」

 クリスティアの提案はいつも、一歩先行ってるな。そこが、素敵だ。これまた、言わないけどね。嫌な顔されるに決まってるから。

 「いずれはそう有りたいが、今のところ予定は無いかな。一応、僕は国王だし。」

 そう、僕はアレキア王国の国王ユリウス。

 アレキア王国の歴史は結構古い。そして陰惨だった。なぜ過去形かと言うと、今はそうでもないから。と言うのも、僕以外の王族は勝手に殺し合って共倒れしたからだ。

 幸いなことに、母は野望を持たぬ田舎者の領主の娘で、ぼんやり生きてきたから、ぼんやりしているうちに、全てが終わっていた。お母様ありがとう。13番目の王子だった僕は、残った唯一の王子になってしまった。

 そこからは、早かった。残された家臣達は、国を建て直すために、僕を祭り上げた。お陰で、僕は意外と我が儘を言えた。というか、言った。僕を王様とするなら、と言う条件を幾つか挙げたのだ。1つは王妃の事。もともと僕は、クリスティアと結婚の約束を交わしていた。それを邪魔することは許さない。側室も取らない。ということだ。子供が出来なかったらそれでいい。そう言った。だってそうだろう。僕の兄弟を見てみろよ。一人も残ってないんだぜ。そう力説すれば、渋々だが、折れてくれた。この国の王政は僕までとして、緩やかに民主制へと変えていくつもりだ。幸いな事に我の強い王族や、貴族も共倒れして、由緒正しい大貴族達も、力を無くしていた。もし、何かしら騒ぎを起こせば、国を騒がせた罪を一族に取ってもらうと、始めから釘をさしておいたからね。

 他には、騎士団の事になるかな。僕の信頼した者を、任命した。何せ、6番目の兄は、もと騎士団団長に殺されてるしね。

 その他諸々の願い事と言う、脅迫の上に今の僕がいるわけだが、機会があれば、話そう。

 とにもかくにも僕は、名ばかりだが王様と言う素敵な立場に有る。そしてここは、政治を司る執務室の一角。血なまぐさい事件のあれこれが語られらり、執行された場所だ。部屋を変えても良かったが、あえてそのままにしてある。忘れないように。そんな僕が、愛して止まないのが、クリスティア。そして、スライムだ。クリスティアとは、お互い好きだよ。私もよ。と意思の疎通を図れたが、スライムとはまだまだ無理だ。誠に残念。

 あー。スライムを抱きしめたい。イヤ。スライムに埋まりたい。

 


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