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Identity crisis(号泣)

「ちなみに雄治も卑弥呼様を見たんやったら、やっぱホンモノなんやなあ……。この部屋に降臨したんか?」

 敬太郎君が、雄治に尋ねる。

 あちゃぁ。その話はちょっとヤバいかも。――


「おう。オイもマジで驚いたわ」

「オレも卑弥呼様に会いてぇよ。直接色々教えて貰いてぇ~。紗耶香、もう一度卑弥呼様を呼んでくれよ」

 ほら来た。やっぱそう来たか……。あたしは焦りまくる。


「いや。それはちょっと、今はムリ(滝汗)」

「ほほう……」

 敬太郎君、ビールを飲みつつニヤリと笑う。


「卑弥呼様は、紗耶香一人の時に降臨する。雄治とふたりきりの時にも降臨する。でも、オレ達四人揃っている時は、ムリ。……っちゅう事は、何をやったら降臨するっちゃろかね。一人でも出来るし、愛する雄治君となら出来るコト。でもオレ達がおると出来んコト……う~む」

 ちょっと意地悪っぽく笑いつつ、あたしを見る。あたしは茹で上がったように、瞬時に真っ赤になった。


 思わず雄治を睨む。

「いやいや、オイは何も言うちょらんど~。しかしまあ、自然と察しは付くわなあ」

 とほほほは。そうなの!? アウトじゃん(涙目)


「ダメだよ、敬太郎君ったら。セクハラになっちゃうよ~」

 と智ちゃんが横から咎めてくれるんだけど、全然フォローになってないよ。――

 ひとりで自主トレに励むオンナなんだ……って三人にバレてるわけじゃん(激恥)。あたしは半泣き状態。恥ずかしくて顔が上げられない。クールなイイオンナ的キャラを振る舞ってきたけど、最早もはや完全に崩壊したわ。もうダメだ……(号泣)


 恥ずかしくて、三人と顔を合わせられない。あたしは酎ハイ・オレンジを缶のままグイ呑みしつつ、焼きうどんをひたすらヤケ食いした。

 卑弥呼様なんか、大っ嫌いだぁ~~っ。

 秀才敬太郎君も、大っ嫌いだぁ~~っ。あと妙に鋭い智ちゃんも、大っ嫌いだぁ~~っ。

 それから雄治も、雄治も……。


 ふと今更ながら、一昨日の夜、この部屋で雄治とふたりきりだった時間ときのあれこれを思い出した。あたしはますます真っ赤になった。

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