「一大」は、要するに「天」じゃない!?
その他は大抵、魏志倭人伝の引用っぽいね。
あ、「狗奴国」に関する解釈が、なんかおかしい。……
魏志倭人伝には、「狗奴国は奴国の南」って書かれている。しかし後漢書東夷伝の筆者范曄は、
――女王国より東、海を渡って千余里で拘奴国に至る。
って書いてるの。
それって多分、四国辺りになっちゃうよね。
卑弥呼様の説明では、狗奴国って熊本県北部だった。あたしのイメージでも、その辺だと思う。だって狗奴国のボスは「狗古智卑狗」でしょ。「きくちひこ」っぽくない!?
あの辺りには菊池って地名もあるし、古くから菊池一族という有力豪族がいたのよ。室町時代付近まで結構な勢力を誇っていたのは、歴史好き九州人にとっては常識。それこそ幕末明治の西郷隆盛はその後裔らしい。
そういう知識もあって、魏志倭人伝の狗奴国記述は鉄板だと感じるのよ。他方、後漢書東夷伝の解釈は、う~ん……って感じなんだよなあ。
まあ、いいや。後漢書東夷伝を読んで気になった点は、そのくらいかな。
その他の歴史書には、邪馬台国に関するめぼしい記述は見当たらなかった。
ただ、ひとつ気になったのが、隋書倭国伝や旧唐書新唐書に出てくる「阿毎」って姓。
これって記紀神話に出てくる、天孫族天神族のことだよね。天照大神をはじめとする、
「天のナンチャラのミコト」
の「あま」だよね。
あ、そういえばあたしの名字も「天野」なんだけどさ。いや関係ないか(笑)
つまり大陸王朝では、古代天皇家を「天」という姓の一族だと見做した……ってことかな。ただし中華思想に則り、「天」という文字を使わなかった。代わりに「阿毎」という字を当てた。
あ、そもそも「天」って訓読みか。それなら大陸の人が「天」という文字を用いる筈がないわ(笑)
……とまあ、そんなことを考えているうちに、あたしは大変な事に気付いちゃった。
興奮して、ぶるぶる震えがきちゃったよ(汗)
壱岐って「一大国」と書かれてるよね。それから「一大率」という官職。
それらの「一大」は、要するに「天」じゃない!?
つまり「天の国」に「天の率(帥)」
魏朝の連中は「あま=天」と見聞きしつつ、中華思想のせいで「天」という文字を地名や官名表記に使えないわけよ。かといって誤った情報を報告するわけにもいかない。だから「天」の文字をバラして「一大」と表記したんじゃないかな!?
いや、そういう用例は結構頻繁にあったらしいのよ。大っぴらに書けない事を、そうやって漢字一文字を二文字三文字に分割したり、逆に二文字を一文字に合体させたりして、文中に巧妙に織り込む。読み手はあたかも暗号解読のように、漢文に潜む筆者の意図を裏読みする。漢文世界にはそういう文化があるらしい。
「一大」って表記は、まさにそれだったりして。……
あたしはこの大発見を、興奮に打ち震えつつ掲示板に書き込んだ。
[『一大』とは]
一大国(壱岐)→天の国
一大率→天の率(帥)