あくまで参考情報に過ぎないのか
[放射性炭素(C14)年代測定]
放射性炭素C14が、約五七三〇年の半減期でβ崩壊をして減じて
いく性質を利用し、年代を測定する。
→測定対象は遺体、動物の死骸、植物等有機物に限られる。
つまり土器や石器の年代測定はムリ。
約三、四万年前まで測定可能。あまり古いと精度が落ちる。
誤差が大きく(±百年レベル)測定結果がアバウト。
→縄文や旧石器時代の大まかな年代特定には向いているが、
弥生時代以降の年代特定には向かない。
過去の地球環境が現在と変わらない(大気中の放射線量の大幅な
増減がなかった)という前提の元、成り立っているメソッド。
そんなことはあり得ないので、結局のところ測定値は参考値でしか
ない。
→測定機関自身がそう注記している。
[年輪年代測定]
老木の年輪から、生育地域の環境変動を調べ、放射性炭素測定法と
組み合わせて年代を測定する。
日本には樹齢二千年レベルの老木が存在しない(屋久杉がある
けれど天然記念物なので伐採できない)ので、信頼できる
基礎データがない筈。
様々な、年代をある程度特定できる建築材遺物等を繋ぎ合わせ、
基礎データを揃えているらしいが、しかしそのデータ自体が公開
されていない。
→つまり信頼度不明。
[熱ルミネッセンス年代測定]
土器など無生物に対する年代測定法として、近年脚光を浴びている
らしい。
→現時点でどの程度利用されているかは、よく分からなかった。
やはり大気中の放射線量等、過去の地球環境が測定結果に影響する
ようで、信頼度不明。
[総括]
日本の場合歴史が古い&歴史書の存在しない時代が長いので、
遺物の年代特定は特に難しい。
そもそも上記三測定法はいずれも、参考値でしかないらしい。
なるほどねえ。……
書物だとか博物館だとか、あちこちに「弥生時代前期」なんて書かれているけれど、あくまで参考情報に過ぎないのか。
てっきり、疑問の余地のない確実な情報だと思ってたよ。ちゃんと、そう明記して欲しいよね。