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宇宙人が縄文人に色々教えっせ文明が発達した

 雄治いわく、日本の記紀神話は単なる作り話にあらず、れっきとした歴史書らしい。

「だって、そうやろ!? 古代の日本人は、ちゃんとした真っ当な歴史書ち認識で記紀神話を読んだっじゃっど」

「う~ん……」


「コノハナサクヤとイワナガのエピソードなんか、正に『歴史』やろ? 世界中で巨石文明真っ盛りやった頃、縄文人は何か理由があって木造建築の文明を選択したっじゃろね。それを示唆しちょる」

 今日、記紀前半を神話……ファンタジーと見做すのは、歴史学者によるイカサマだ、と雄治は言うのである。


「西洋の神話は基本的に、神様の武勇伝やな。神様は偉かった、素晴らしかった、強かったち書いちゃる。神の偉大さを強調しっせ、『そン偉い神から、我々は権力を託された』っち、王や宗教指導者がおのれの権威権力の正当性を主張する。そン為のツールが西洋『神話』やっとよ」


 ――これに対し、記紀神話はどげんやろか。

 と、雄治はあたし達三人に問いかけるのである。


「イザナギとイザナミはセッ○スしまくって、日本列島を生んだとか自然環境を生んだ、とか」

「あはははは」

「そうやなあ。スサノオの話なんか、酷いよな。母ちゃん恋しいと泣き喚いたり、高天原で乱暴狼藉の限りを尽して追放されたり……。ポジティブなエピソードなんて、ヤマタノオロチ退治のシーンしか無いよなあ」


そうだろじゃろじゃろ!? アマテラスも、どっちかっちゅうと情けない神様やち印象しかえやろ? スサノオに恐れをなして天岩戸に隠れた、とか。あと、地上に降臨すっとは面倒やっち逃げ回ったオシホミミやら。代わりに降臨させられた息子のニニギも、コノハナサクヤを口説いたエピソードしかえぞ」


「なるほどなあ。その次の海幸彦山幸彦のエピソードも、神の偉業を称える……っちゅう意図で書かれちょるようには思えんよな」

「じゃろ? 学者ン言う、『皇室のご先祖様を神とし、その偉業を称え権威付けするためのためのファンタジー』っちゅう解釈は、明らかに間違まちごうちょっとよ」


 そっか……。雄治の言う通りかも。

 我らが秀才黒木敬太郎君も、うんうん頷いてるし。


「じゃあさ。改めて記紀神話を『日本の太古の歴史』と捉えると、そこから何が読み取れるんだろう……」

 と、あたしは雄治に尋ねる。


「うん。まず、世界には超古代文明の痕跡がある。日本にもある。そイは誰によるものか。誰がもたらしたのか」

「……」

「縄文よりずっと前に高度な文明があっせ、そン人達が築いたのかン知れん。で、一旦天災か何かで滅びて、もう一度原始文明レベルからやり直しっせ縄文時代を迎えた」

「なるほど」


「もう一つは、宇宙人がやって来て、縄文人に色々教えっせ文明が発達した。そげな、二つの可能性があるやろ?」

「あはははは。宇宙人ねえ……」

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