表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/155

紗耶香さん、ピ~ンチ……かも(滝汗)

 雄治と敬太郎君の話は物凄く面白い。向かいに座っている智ちゃんも、すっごく熱心に聞き入っている。

 こりゃあたしも、あんまし酔っ払うわけにはいかないよ。

 ……と思いつつ、あたしはビールのお代わりをオーダーする(笑)


「よくよく調べると、宮崎人は縄文前期とか中期辺りから、中南米に渡っちょった形跡がある。で、しかもそイを指摘したのが、それこそ昨日オイが借りた本の著者、日高祥氏やっとよね」

「ほう」

 敬太郎君が声を上げる。


「日高氏が一九六〇年代に、宮崎市跡江の遺跡を発見したらしい。そこン土器が、南米バルディビア(エクアドル)で出土した縄文土器の模様と一致する、っち最近になって指摘しちょっとよ」

「確かアマチュア研究家っちゅう話やったよな。すげえな」


「じゃろじゃろ!? で、外国の研究者も一九七〇年代に、縄文文化と南米との繋がりを指摘しっせ、最近では縄文人とのDNA分析なんかもやって両者の関わりが証明されちょる」

「凄いね……。ってことは、縄文人って結構大きな舟を作る技術を持っていた、ってことだよね。太平洋を横断するとなると、丸木舟とか小っちゃい舟じゃ厳しいよね」

「じゃろなあ。しかもそイだけじゃねえとよ」


 雄治が言うには、太平洋横断には随分と高度な航海術が必要らしい。

 まあ、そりゃそうだよね。コンパスもGPSもないんだから、多分星を見ながら方角を判断し、海を渡った筈。ということは天文学の知識が必要だった筈だよ。


 邪馬台国の人達が中南米の知識を有していた、ということは、漂流等による「一方通行」ではなく、ちゃんと太平洋を「往復」してたってことになるよね。であれば天文知識だけでなく、地理や気候、海流の知識もあったんじゃないかなあ。……


「古代人が高度な天文学知識を持っちょったっちゅ~痕跡は、世界中に残っちょるやろ? あれも不思議やぞ」

「まあ、そうだよね」

「天体観測には時計が要るやろ!? 学者は誰も指摘せんけど、今ンごつライト付きの腕時計とかは無い。日時計しかえちことになっちょる。しかしじゃっどん、あれは昼間しか使えんぞ。どげんして観測したっじゃろか?」

「あっ!!」


「何百年にもわたる、膨大な観測データの蓄積も必要やろけど、そげなデータは世界のどこからも見つかっちょらん。シュメールにしろ南米にしろ、突然降って沸いたごつ、星やら天体やらン『知識だけ』登場する」

「……」

 なるほど。それって盲点かも。


「まあ、シュメールや中南米には天文知識の痕跡が残っちょって『スゲぇ』と思うかン知れんけど、実は縄文日本にもそげなナレッジがあった……っち可能性がある。そイが、中南米への航海の痕跡やな」


 ダメだこりゃ。雄治の話はホントに面白過ぎる。――

 なんか短髪ずんぐりむっくりの雄治が、知的なイケメンに見えてきたよ。

 早くも酔いが回ってきたか。あたし、まだあんましお酒に慣れてないもんね。ここ数日の疲れもあるし。


 紗耶香さん、ピ~ンチ……かも(滝汗)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ