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まさかそんなアツいご関係だったとは(笑)

 わたくしセクシー系天才こと天野紗耶香さんは、パステルイエローのパ○ツ丸出しのまま、久々に一二時間も爆睡してしまった。


 ふと目が覚め、枕元の時計を見る。時刻は一〇時半を回っていた。

 慌てて飛び起きる。軽くシャワーを浴び、Tシャツと七分丈のジーンズという格好に着替える。メイクはいつも通り、眉毛を描いてちょちょっとアイラインを引き、リップを塗るだけ。所要時間二分〇七秒(推定)。バッグを掴むとすぐに家を出た。


 バスに乗り、向かった先は県立図書館である。

 建物に足を踏み入れたのは、お昼ちょっと前だった。背後より突然肩を軽く叩かれ、びっくりして振り向くと、そこに意外な男がいた。都城みやこんじょ住民の有村雄治である。


「あれ!? なんでこんな所にいるの?」

「おう、本を借りン来た。引越荷物を運んで来たついでにな……」

 父親から車を借り、段ボール箱を七箱ばかし積んで都城から運転して来たらしい。この後新居に荷物を運び込み、さらにもう一往復するつもりだ……という。


「昨日紗耶香の話を聞いて、夜にネットを眺めちょったら面白い本を見つけたとよ。調べたら県立図書館ここに在ったかイ、ついでに借りようちおもて……」


 二人揃ってメインフロアに入ると、これまた偶然にも黒木敬太郎と山元智美が、沢山の本を積み上げて仲睦まじく(!?)調べ物をしているのに気付いた。

「あらあら御両人。まさかそんなイイ仲だったとは、ねえ♪」

 あたしが二人に声をかけると、二人はびくっとして顔を上げる。


「おやおやこれは紗耶香ちゃん。お二人こそ、まさかそんなアツいご関係だったとは……。おほほほ♪」

 と、智ちゃんがニコっと妖精の笑みを浮かべつつ、あたしに「反撃」する。


「いや、オイ可愛むぢおなごんコがタイプやっど~」

 即座に雄治が平然と言い放つ。このヤロー……(怒)


 丁度お昼時だということで、四人一緒に近所で食事をすることになった。

 雄治は急いでお目当ての本を検索し、書棚から見つけ出すとカウンターへ持ち込む。あたしは一冊二冊、邪馬台国初心者向け本を借りたかったので、敬太郎君のオススメを手に取りカウンターへと向かう。


 それから、四人揃って図書館を出た。行き先は貧乏大学生御用達の、ファミレスである。お小遣いに比較的恵まれている智ちゃんを除けば、三人共お金が無い。日頃ファミレスに依存しまくっている。


 小雨の降る中、傘をさして徒歩三分。幸い週末にもかかわらず、席は空いていた。

 四人はいつも通り、日替わりランチをオーダーする。本日のメニューは「ハンバーグと唐揚げ」らしい。敬太郎は相変わらずライスを追加。雄治が何故かサラダ。女子か!?


「で、御両人は何を調べちょったと?」

 雄治がサラダを凄い勢いで片付けつつ、智ちゃんと敬太郎君に尋ねる。ずんぐりむっくりミオスタチン欠損男がばりばりと野菜を貪り食う姿に、女子の感性をくすぐられる。

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