スケベじゃないもんっ!!
ふう~、っと紗耶香は一息ついた。
ひとしきり作業を済ませると、なんかまた、その……ムラムラ悶々気分がぶり返してきた(恥)
だってさ、さっきアレした時はなん~か、あっさり終わっちゃったし、終わった途端に卑弥呼様登場で、不完全燃焼のまま中断された形だったし……ねえ。
そもそも三日間禁欲って、確かこれまでの最高記録だよ。だからもう一回ぐらい、いいよね。……
あたしは再びベッドに寝転がる。Tシャツをまくり上げ、昼間の雄治の視線を思い出しつつ胸を撫でる。パ○ツを半分下ろし、ガチムチ雄治にあ~んなことや、こ~んなことをされちゃう妄想に浸りつつ、たっぷりアレを堪能した。いや雄治本人には絶対ナイショだけどさ(笑)
随分自らを焦らしつつ励んだつもりだったが、しかしこちとら禁欲三日の健康優良女子大生。全然耐えきれず、実にあっさり、一〇分足らずで盛大に達してしまった。
その瞬間、危うく声を上げそうになったが、そこはなんとか耐えた。ふう~っ、と大きく息を吐いた瞬間、傍らに再び、
――ぼわんっ。
という感じで卑弥呼様が出現した。
「おい。またすけべいなことをしておるのか」
しまった、うっかり気を抜いていた。……
あたしは慌てて飛び起き、パステルイエローのパン○を引き上げる。
「スケベじゃないもんっ」
「まあ、よいよい。おなごはそれでよい。すけべい大いに結構じゃ。しかしこの、淫々たるニオいは何とかならぬものか……」
卑弥呼がニヤニヤ笑いながら、あたしの顔を眺める。
あたしは大いに赤面しつつ、換気のつもりでエアコンのスイッチを入れた。
「卑弥呼様。まだまだ、色々と教えて下さい」
「おお、よいぞ○んずり娘。何でも質問せい」
「まず、奴国と不弥国はどこですか?」
「奴国とは何ぞ? 左様な国は知らぬぞ」
あたしは机の上に拡げっぱなしになっていた、黒木敬太郎の資料の文字を指差した。
「う~む……」
卑弥呼様は、しばらく首を傾げつつ考える。
「『肥の津』の東南百里、か……。吾が思うに、それはおそらく『肥の国』そのものじゃのう。魏朝の役人共は、何か勘違いしておるのじゃろうの」
「どういうこと?」
「つまり、その辺り一帯が全て『肥の国』じゃ。『肥の津』は肥の国のはずれにあって、集落を成しておる。それを魏朝の役人共が、双方別の国じゃと思い込んだのではあるまいか?」
卑弥呼様はそう言いつつ、モニター上の佐賀平野から筑後平野にかけての広大なエリアを、丸く囲むように指で示した。