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どこの美女かと思ったよ

 あたしに言わせれば、サイトの文章構成やページ構成の方がスゴいと思うんだよね。

 カンペキなWebリポートに仕上がってるのよ。普通、大学生がここまでやれるか……って感じ。


「次なる仮題は、アクセス数アップやなあ」

「それが問題やな……。まあ、九月に入ってミスコンが始まれば、相乗効果で少しはちったぁ注目度が上がりそうやけど」

 あたしのミスコン用イメージ動画が、早くもそこそこのアクセス数を稼いでいるらしい。そこからWebサイトへの流入があり、一応着実にアクセス数が伸びてはいるようである。


「まあ、焦らずぼちぼち行こう」

 と、敬太郎君が言う。

「紗耶香ちゃんのミスコン優勝が鍵だね。紗耶香ちゃんがスパっと優勝すれば、サイトの認知度も一発で高まる筈。まあ、でも大丈夫だよ。誰もあたし達程本格的に、優勝狙って動いてないと思う」

 と、智ちゃん。


 焼き肉をたらふく食べつつ、夜遅くまで色々な話で盛り上がり、大学生活一年目の夏休みが終わった。


「紗耶香君は大学のミスコンに出場するんだってね。イメージ動画、観たよ」

 九月最初のバイト出勤時、河口先生から声をかけられた。

「うん、私も観た。どこの美女かと思ったよ」

 と松原先生にからかわれる。


 他の四人も、河口先生から話を聞いて観てくれたらしい。

「普段がほぼすっぴんだから、随分化けるね。ホントに綺麗だよ~」

 と、パートのおばちゃん達からも褒められた。


「これはミスコンのプロモーションでもあるんですけど、同時にあたし達のWebサイトへの集客も狙ってるんです」

 あたしはWebサイトのアクセス増対策の重要性について、先生方に説明する。


「Webサイトってのは、作って掲載するだけでは誰も見てくれないんです。市街地の中にお店を開いても、それだけではほとんど誰も来てくれないですよね。広告を出したり立て看板をあちこちに設置したりして、お客さんをお店まで誘導する努力が必要でしょ!? Webサイトも、それと同じような努力を必要とするんです」

「なるほどねえ……」

 室長と先生方が、あたしの説明に真剣に耳を傾ける。


「現在構築中のサイトも、色々とアクセス増対策が必要なんです。そこで提案なんですが……」

 と、あたしは用意していたレジュメを取り出して机上に広げ、サークルメンバーと話し合った事を説明。


 県内の史跡等を紹介するサイトは、業者に依頼し既に作ってある。今回新たに設置するWebサイトは、県史編さん室の先生方がそれらを解り易く解説するコンテンツとなる。

「まず、既存のサイトから新サイトへ、リンクを張って貰う必要がありますね。両者を連携するんです。すると既存サイトから新サイトへ、訪問者が流入します」

「なるほど」


「これはサイト訪問者にとってもメリットがありますので、業者に依頼してやって貰うべきだと思います。それから県の広報や印刷物等に、新サイトのURLを掲載して貰う……とか」

「なるほどね。関係者と相談してみよう」


「それから、うちのサークルのサイトと連携しませんか!?」

「そうか……。相互にメリットがあるわけやね。相乗効果でアクセス増が期待できる、と」

「そうですそうです。あたし達だけでなく、県内の大学の研究室やサークルにも声をかけて、連携するのも面白いですね」

 う~む、と先生方は考え込む。


「君達のサイトも読ませて貰ったけれど、非常に面白かったよ。私は良いアイデアだと思う。みんなで話し合って前向きに検討してみるよ」

 河口先生はそう仰ってくれた。松原先生もそれに頷いた。

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