そういう謎歴史に、神武東征の歴史が繋がる
初めての雄治は、あたしをすっごく丁寧に扱ってくれた。そのお陰か、初めてのあたしはそれ程酷い痛みを感じることもなく、無事通過儀礼を厳かに(笑)済ませた。
その後雄治は、あたかもあたしの頑張りを労うかのように、あれこれと優しくケア(笑)してくれた。あたしはベッドの上で、恥ずかしい程乱れに乱れた挙げ句、盛大にアレアレ~状態となった。
長距離の運転で疲れてるだろうに、雄治ってホント優しい。見た目からは全然想像出来ないんだけど……と感動していると、
「うん、これでハッキリしたな。卑弥呼様、降臨せんかった」
と雄治が妙なことを言い出した。
「なに?」
「紗耶香は俺と合体しても、卑弥呼様が降臨せんかった。合体せずに俺がちょちょっとイカせてやっても、卑弥呼様は降臨せんかった。っちゅうことはつまり、紗耶香が『ひとり』でシた時だけ……」
「あっ!!」
あたしは一瞬にして耳まで真っ赤になる。
んなろっ!! オトメの恥ずかしいヒミツに気付きやがったな(泣) 勝手にヘンな検証するな~っ(怒)
ふんっ、だ。どうせあたしは、ちょ~っと少~しだけ性欲旺盛な、セクシー系美女ですよ~だ。ってか、それがイイ女ってもんでしょ!?(汗)
赤い顔して頬を膨らませていると、雄治があたしに腕枕するように、肩を抱いてきた。
「今日は色々収穫があったな。紗耶香のヒミツも判ったし……」
「ふんっ。どうせどうせ……(涙目)」
「県北高千穂は、ろくに発掘調査もされちょらんから大した遺跡もねえ。しかし、やっぱ神武以前に何かあったっじゃろな。アマチュア研究家が指摘しちょるけど、高千穂から大分県境ン祖母山にかけて、色々謎の神社やら祠があるらしいよ~。抹消されたウガヤフキアエズ朝ン痕跡じゃねえか……っちゅう話や」
「うん」
雄治に紹介して貰ったサイトに、既に目を通している。記紀に全く登場しない神々が、それらの神社や祠に祀られているらしい、と書かれていた。
「あと、神代文字の一つ『豊国文字』も沢山見つかっちょるらしいど。さっき行った天岩戸神社にも、豊国文字の刻まれた蓋石があったらしい。昔、学者かイ偽物のレッテルを貼られっせ、怒った住民達がぶっ壊したっちゅう話やけど」
「な~んか勿体無い話だね」
「そうやなあ」
「で、幣立宮に阿比留文字、押戸石がシュメール文字か……。やっぱ大昔、あの辺に何らかの勢力が存在したんだろうね」
「そういうこっじゃろなあ……」
「そういう謎歴史に、神武東征の歴史が繋がるのかも……ってのが雄治先生の推測なんでしょ!? そしてさらに、そこに卑弥呼邪馬台国の歴史が繋がる、と」
「じゃっどじゃっど~」
「色々と妙な痕跡があるのに、学者ってどうして大した調査もしないまま、放置してるのかなあ」
そんな話を交わしつつ、あたしも雄治も昼間の疲れのせいで、いつしかぐっすり寝入ってしまった。