俺の『扉』
リリアさんが行ってしまってから、俺は王宮に赴いた。そう遠くはなかった。だが、着くまではとても長く感じた。
王宮に着いた。
「何用だ!」
護衛の人か。
「あの、『扉』を開きたいんですが.....」
「あぁ、『扉』の人。どうぞ。」
なんかあっさり入れてもらえた
「『扉』については看板があるので、それを見てください。」
王宮に入る直前、そんな声が聞こえた。
「うわぁ...」
思わず感嘆の声が漏れた。キレイだ。美しい。
王宮の中はとてもキレイだった。細かく装飾された柱や壁がとても美しい。
しばらく歩くと、看板が見えた。
が、読めない。なんじゃこりゃ。
とりあえず入ろう。
横にあった扉に入った。そしたら、めっちゃ兵士がいた。
スゲー睨まれる。怖い。しばらく震えていると、
長っぽいひとが、
「誰だ貴様」
威圧感がすごい!
「あの、間違えました...ごめんなさい」
「...そうか。で、何と間違えたのだ」
「『扉』を開きたいんですが...」
長っぽい人が笑った。微笑。怖い顔だ
「それなら、もうひとつ奥の部屋だ。看板は読まなかったのか?」
「あ、ありがとうございます」
静かにそこを出て、奥の部屋へ。
そこはちょっとした庭だった。
そして、すぐそこに受付らしい人がいた。でも、
ちょっと特徴のある人だ。キレイな金髪で、耳が尖ってる。スタイルも良さそうだ。
俺のなかで、1つの種族が当てはまった。
「エルフ...?」
ボソりと呟くと受付の女性から返事が来た
「はい。そうです。初めてですか?」
「あ、はい。」
優しい人だ。この辺は優しい人しか居ないのか?
「あの、『扉』を開きたいんですが..」
「あぁ、それでしたら奥の祭壇へとお進み下さい。術師を呼びます。」
しばらくして、ローブを纏ったおっさんが来た。
ザ、魔術師みたいな格好だ。
「そこで、目を瞑ってください。」
魔術師おじさんに言われた。
その通りにすると、おじさんが詠唱し始めた。
聞いたことない言葉だ。
「.....ッ!」
「いいですぞ。」
すると、一枚の紙を渡された。
『扉』 なし。
え?ないの?『扉』戦えないじゃん。
あーそっか。俺は異世界の人だから持ってないのか。
なぜか諦めが着いた。
これから、どうすればいいんだよ...