別れ
お金を貰ったのはいいが、何すればいいんだ。
というか、お金の価値がわからん。などと考えていると、
「あなた、剣と魔法のどっちを使うの?」
「魔法!?」
おっと少し興奮してしまった。だが、仕方ないだろう。なんせ昔は魔法なんて概念無かったんだからな。
「魔法知らないの?じゃあ説明してあげる」
と言われ、説明された。要約するとこんな感じだ
魔法には幾つかの周囲がある。
攻撃魔法
治癒魔法
精霊魔法
この3つだ。
攻撃魔法はその名の通り。攻撃するためのもの。
それぞれ属性があり、
火
水
風
土
光
闇
など。それぞれランクがあり、
初級 中級 上級 霊級 神級
の順番で強い。ちなみに、神級はほぼ使い手が居ないらしい。大昔の神々が使った魔法らしく、
そんなものがただの人間に使えるかって話だ。
治癒魔法も、その通り。治したりするもの。
主に人に使うらしい。だが、物によっては
物体、物質も治るらしい。
こちらも攻撃魔法同様のランクがある。
上級から物体が治るらしく、霊級は広範囲治癒らしい。そして神級は、死んでも一分以内なら生き返ってしまうんだとか。すごいね神様は。
最後に、精霊魔法。これは、魔方陣で精霊を呼び出し、戦ってもらったり、雑用をさせたりと、
色々便利らしい。高い魔方陣だと、半永久的に動いているらしいが、普通は、魔方陣の中の、魔法が切れると消えてしまう。いわゆる充電式だ。
魔力を流し込めばまた精霊は出てくるらしい。
携帯精霊や。
興味深い。魔法使いたい。
魔法の使い方も教えてくれた。
詠唱もあるが、慣れてくると詠唱しなくても発動できるらしい。詠唱しない場合、魔法を混ぜ合わせて混合魔法もできるんだとか。かなり難しいらしいけどね。
「まぁ、こんな感じね。でも、すぐは使えないだろうから、訓練が必要。」
「じゃ、武器でも買いに行きましょう」
「はい!」
武器屋についた。近かった。いや、隣だった。
「何がいいかしら」
「軽いのがいいです」
うん。軽いのがいい。なぜって?俺、筋肉、ない
じゃあこれね、と渡されたのは刃が薄い、両刃剣だ。リーチはテニスラケットくらい。
おれはこの剣を買った。リリアさんのお金で。
心が痛いな。
剣を買うと、王宮に出向くことを勧められた。
なぜかと聞くと、祈りを受けてこいとの事らしい
「なぜですか?」
「この世界の人はね、皆、心のなかに『扉』があるのよ。その『扉』を開いて貰うの。10才を越えたらね。あんた、10は、越えてるわよね?だから、行ってきなさい。じゃないと、戦えないわよ。」
ついでに『扉』の概要を話してもらった。
『扉』とは、人の心に存在する潜在能力のことで、開くことで様々な力を得られるらしい。
そして『扉』は、人が成長すると同時に『扉』も成長するらしい。レベル制みたいな感じだな。
そして、『扉』を開かないと、どんな雑魚魔物とも戦いにならないらしい。ボコられる。
さらに、『扉』には人それぞれ名前があり、それに因んだ能力を中心として成長するらしい。
因みにリリアさんは『優しさと救済の扉』
らしい。
超優しいじゃねぇか。
と言うことで、王宮に向かう。
そしたら、
「ここでお別れね。」
え?なんで?と思ったが
「始めに言った、用事を済ませないといけないの。だから、お別れ。さようなら。」
すると、リリアさんはすぐに行ってしまった。
あぁ、そうか。リリアさんは用事があるんだったな。じゃあ、しょうがないか。
と、心の中では思っていたものの、俺の目からは涙が零れていた。
涙が溢れて止まらない。俺はそのまま、時の流れも忘れて泣き続けた。