非現実
何個も何個もすみません。自分のなかで定まって無いんです。一話坊主にならないように頑張ります...
俺は中二の平凡な生徒だ。そう。平凡。俺も平凡に生きて平凡に人生を終わるんだと思ってた。だが違った。
あの日、事件は起きた。
ある日の事。いつものように学校を終えて帰り道を歩いていた。俺は一応テニス部に所属していたので、帰る頃には真っ暗だった。
「はぁ。今日も疲れたな。とっとと帰ってゲームでもするか。」
今日はちょっと近道をしようと思って、いつもは通らない道に入った。
その時。
横から走ってくるトラック。そしてそれに気づかない女の子。
なぜこんな時間に出歩いているんだと一瞬疑問に思ったが、そんなことはどうでもいい。あの女の子を助けないと!
体が勝手に動いた。俺は女の子目掛け走っていき、道の端へと押し出す。その反動で俺の体は止まった。ダメだ。引かれる。もう死ぬのか。一瞬悔いたが、俺は現実を受け止め目を閉じた。
「う、うぅ...」
「いたたたた」
身体中が痛い。目が開かない。耳も聞こえない。
そうか。遂に死んだのか.....
死んでも痛みはあるもんなんだな。
俺としてはもうちょっと楽しみたかったな~
あの子は助かったかな。
次第に痛みが引いていき、耳も聞こえるようになった。
目を開くと...そこは...
「なんだ.....これ...」
そこには美しい景色が広がっていた。どうやら森の中のようだ。
葉の隙間から光が差し込み、花も咲いていた。少し進むと湖も
あった。
「きれいだな~」
俺が景色に見とれていると、急に後ろから棒かなにかで思い切り殴られたような衝撃が走った。
「...ッ..!」
一瞬意識が飛びそうになった。だがなんとか意識を保ち、後ろを振り返る。するとそこにはヒトの形をしたなにかがいた。
見たことがない。こんなのが天国にはいるのかと思った。
すぐにそいつは次の攻撃へのモーションに入る。そいつが武器を振り上げた瞬間。緑色をした液体が飛び出してきた。
「大丈夫...?」
血まみれになったそいつの後ろには1人の少女がいた。同い年くらいだろうか。
「は、はい。大丈夫です。ありがとうございます。」
「この辺はよくゴブリンが出るから危ないわよ。それにあなた、武器の1つも持ってないじゃない。そんな状態でどうしてこんなところに来たのよ。」
助けられたけど説教された。しかしゴブリンと言うとあれか?よくゲームに出てくる雑魚キャラのあれか?
「すみません。僕何も分からないんです。」
「帰り道に女の子がトラックに引かれそうになってて、それを助けたらここに...あ、ここは天国ですか?」
「トラ...え?よく分かんないわ。それに、ここは天国なんかじゃないわよ。あなた夢を見てたんじゃないの?」
「夢なんかじゃ無いです。あり得ない話ですが、僕は多分転移してきたんだと思います。違う世界から。」
「てんい...は?もう!よく分かんない言葉使わないでよ!
それに違う世界って...」
「あくまで僕の推測ですが。」
「まあ、色々あっていま僕は何も分からない状態なんです。
この近くに町とかは無いですかね?」
「あなた、その格好でホントにこの森を出るつもりなの?」
「はい。」
「はぁ...あなた、ホントに何も知らないのね。今はゴブリンが単体行動してたから助かったけど、普通ゴブリンは群れで行動するの。一匹しか居ないようでも近くに仲間が潜んでる。単体ならさほど強くないけど、数匹でまとまってこられたらあんたなんて秒殺よ?」
「す、すみません...」
「はぁ、仕方ないから私が着いてってあげるわ。」
「え?でもただでさえ助けて貰ったのに、更に案内までしてもらうなんて...」
「今の説明、聞いてなかったの?あんた、すぐに死ぬわよ。」
「それに、あたしが好きで案内するんだから、迷惑なんかじゃないわよ。」
「あ、ありがとうございます」
「よし決まり。あたしリリア。」
「そう言えば、あなた名前はなんて言うの?」
「彼方です」
「そう。よろしくね、カナタ。」
「さ、すぐ近くの町に行きましょう。数分で着くわ。」
「ありがとうございます。案内までしてもらっちゃって。」
「い、いいのよ。ちょうど私もあの町には用があるしね。」
「そうですか。」
しばらく歩くと、町が見えてきた。
「あれよ。」
「リリアさんは町についたらすぐ出掛けるんですか?」
「いや、しばらく留まるわ。」
正直、リリアさんめっちゃかわいいすごい優しい。僕にはもっと一緒にいたいと言う感情が芽生えていた。町についたらお別れか.....残念だ.....
「そろそろ着くわよ」
「は、はい...」
なかなか力作の予感...?
そんなことは無いですかね。