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05 仲良し二人

05 仲良し二人


「おーきーろー、おーきーろー、おーきーろー。」

「うー、あと五分…むにゃむにゃ。」

 朝日(?)が窓から差し込む。

 好樹は寝返りを打った。みーくんは声を大きくする。

「おーきーろー!おーきーろー!おーきーろー!」

 好樹は布団に潜る。メガネはさらに大きな声を出す。

 メガネはかけたままなので布団は無意味だ。

「おきろおきろおきろおきろおきろー!!」

「わかったわかった。起きればいいんでしょ。」

「わかればよろしい。」


 宿の朝食にも虫が入っていた。

 ゲジゲジみたいなのが。

「…げてもの…?」

 だまれ、みーくん。虫に失礼だ。好樹は鼻をつまんでかきこんだ。


 好樹はバレッタに暗号の内容を説明し、村長が今家に居るか聞いた。

「お父さん?今は居るわよ。でも、もうすぐ仕事に行くわ。」

「そうか。ありがとう。」

「私が案内するわ。早く行きましょう、好樹。」

「いや。村長に道を聞いてから行くことにするよ。」

「ぷー。でも、一回間違っただけでもうチャンスがもらえないのは酷いわ。」

「でも、その一回が家への道順だからな…今までにも何度も間違っていそうだし。」

「う。」

「よって、早く行きたいのなら村長に聞いた方が早い…と思う。」

「酷いー!」

 その時、家から村長が出てきた。

「お、もう仲良しさんかー。」

「違うわ!」

「違います!」


 教会の前に着いた。

 シスターのような人(以後『シスター』)が出てきた。

「あの、すみません。」

「はい?」

「教会の地下室に行きたいのですが。」

「…地下室なんかありませんよ。」

「あれ、おかしいな。この紙には書いてあるのに。」

 みーくんが口を出す。

「何もこの紙はこの教会だと指定したわけじゃないよ。」

「でも、村長に聞いた話だと先祖代々受け継いできたって言っていたじゃん。」

「だからと言ってこの教会だとは限らないよ。…まあ、この人は嘘をついているけどね。」

「どうしてそうわかるんだ?」

「視線を相手からそらそうとしている、顔をしきりに触る、体がこわ張っている、その場から去ろうとしている…とかが理由かな。他にもうつむいていたり、瞬きが多かったり、相手から距離をとろうとしたり、わざとまゆをひそめたり、話すときに腕を組んだり、足幅が開きすぎていたり…まだまだあるけど。」

 みーくんはえっへんといった。



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