09 暗号解読2
09 暗号解読2
好樹は宿に入ってベッドにダイブ。
(ふかふかだ…。寝てしまいそう…。)
「寝ないでよ。起こすの結構大変なんだから。」
「分かったよ。」
みーくんに手伝ってもらって今日も暗号解読に挑む。
『ばかふんだ/これよんど/またかえろな?/いんぐと/きみはこてつ/もものりゃじ/やど。』
「…ナニコレ。」
「ちょっと分析するね。ミントも考えて。」
三分たった。
「ああ、なるほど。」
「分かった?みーくん。」
「うん。みーくん分かっちゃった。これはアナグラムだよ、ミント。」
「あなぐらむ?」
「つづり字の位置を変えて、別の語句をつくることと、その遊びを指す言葉。」
「ふうん。…分からない。おしえて、みーくん。」
「はあ…。これはね、ローマ字に直してから解くんだよ。『ばかふんだ』を『bakahunda』にして、『aaaukbdhn』と整理する。裏に『ん→n』『りゃ→rya』とするって書いてあるから、ローマ字に変換するのは間違いないね。えーっと、いろいろ考え、あとの文とのつながりも考えた結果、『ばくだんは』って考えるのが妥当かな。」
「なるほど!よし、その調子でどんどん頑張ろう!」
三十分たった。
「ギブアップ。みーくん、答えを教えて。」
「もう。しょうがないな。教えてあげるよ。」
みーくんは丁寧に教えてくれた。
『ばくだんは/よろこんで/もらえたかな?/つぎの/もくてきちは/まじょのもり/だよ。』
(…は?)
好樹の手が震えた。
『爆弾は喜んで貰えたかな?次の目的地は魔女の森だよ。』
何度も繰り返し読む。
「ふざけんなあっ!!」
好樹が気づいた時には大声で叫んでいた。
バレッタは目が覚めた。
頭が痛い。体のあちこちもハンマーで叩かれているように痛い。
でも、なぜだか胸も痛い。他の痛みとは違う、なんかこう、胸の奥の方をぎゅっとつかまれているような感じがする。
起き上がると、見計らったように扉が叩かれた。
「バレッタ、入るぞ。」
お父さんの声だ。扉が開いてお父さんが入ってくる。
頭や体の痛みは治まってくるのに、胸の痛みだけは鼓動のたびに強くなっていく。
気を抜くと涙も出てきてしまいそうだ。
「バレッタ、どこか痛いところはないかい?」
「特にないわ。」
「そうか。突然だが、好樹君と旅をする気はないかい?」
好樹。
この二文字を聞くだけで、なぜだか心がざわつく。
彼といるだけで、落ち着く。
「…え?旅?」
「そう、旅だ。好樹君とみーくんとね。向こうの許可はとれている。」
『好樹』という言葉にさらに切ない気持ちになる。
頷く。
「ええ。出来ることならしたいけれど、好樹君は怒っているんじゃないの?私が勝手に人形を触ったから。」
「ふふ。向こうは向こうで責任を感じてしまっていたよ。」
「そんな!」
「ま、気にしないように言っておいたから、今日は早く寝なさい。」
お父さんがいなくなってからもしばらくは寝ることができなかったが、いつしか寝てしまった。
*暗号に不備がございましたらご連絡ください。




