表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
寝坊の女王さま  作者: 桐生円
2/5

来訪者

 季節が凍り付き、王からの御触れが出されてからさらに数日が過ぎていた。街中でもこの異変についての噂が飛び交い、様々な憶測が囁かれていた。

 そんな折りに、一人の男が街へ辿り着いた。

 彼こそは放浪の名医と呼ばれる、まさにその医者である。彼は各地を旅しながら人々の治療を行い、そしてこの街の噂を聞き付けてやって来たのだ。


「女王様」

 塔にて、侍従(メイド)が女王への来訪者が来たことを彼女に知らせてきた。

 不思議に思いながらも話を聞くと、放浪の医者が自分を訪ねて来たという。

「それでは大広間へ通してください」

「畏まりました」

 女王が大広間の玉座へと向かうと、すでに彼は侍従と共に中央にて膝を折りて待っていた。

「これは女王様。お初にお目にかかります。私は流れの医者を生業(なりわい)とするクラインと申します」

「初めまして、クライン。わたくしがこの国の━━冬の女王です。わざわざこのような遠方にいらした用件を伺ってもよろしいですか?」

「はい。私はこの国の季節が止まったままなのは季節の女王に何か異変が起きたのでは、という噂を聞きました。その中には女王が病気にかかり、次の季節を迎えることが出来ないのではないか、という話があり、もし我が身がお役に立てるのならばと思い、こうして馳せ参じた次第です」

「そうでしたか。ですがわたくしはこの通り息災にしています。ただ━━」

「何でございましょうか?女王様」

「貴方を優れた医者と見込んで、お願いがあります」

 そして女王は窓の外へと視線を向けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ