かえらぬひとをまつ
亡くなった母の話です。
リアルな人の死の話が苦手な方は、確実にブラバすることを強くすすめます。
あなたが仕事から帰ってきたあと。
いっしょに近所の商店に行って、アイスとかお菓子とか買って。
その帰りに近所の広場を横切ると、盆踊りをしてて。
小さな祭りだから、屋台は大したものはなく。
だけどあなたは唐揚げでも買おうかなとして。
でも、結局買わずに商店で買ったアイスとお菓子の入った袋をがさがささせながら帰った。
それを家で食べて。
夜ごはんをいつものように家族みんなで食べて。
でも、その日は何故か父の機嫌が悪く、気まずい食卓で。
気まずいごはんの時間が終わると、部屋に行って。
暫くすると、父の機嫌が戻ったのを見てほっとすると…眠った。
いつもなら、眠っても理由の無い不安や恐怖に襲われていた。
けど、その日はすぅっ…と心地よい眠りに就けた。
いつもつきまとってる不安とか恐怖とか、なんとも思わなかった。
なんだかすごく、こころから安心していた。
そして、今までに感じたことの無い「幸福感」が全身を包んでいた。
なん十年振りの心地よい眠りに就けてた─…
けど。
目覚めると…今までに感じたことの無い「絶望」に襲われた。
あなたが急に倒れて…そのまま帰らぬ人となった。
よくわからないうちに、あなたの葬式が終わって。
周りは泣いてるけど、私は泣けなくて。
いみが、わからなくて。
あれから6年。
私はきっとまだ、あなたがこの世界にいないことを理解していない。
理解、できていない。
今でも、あなたがこの世界のどこかにいて。
日々がちょっと嫌になっちゃったから出ていった、とか。
まだ、仕事から帰ってきてない、とか。
今でも眼裏に鮮明に残る、最期のあなたのすがたを利用して、そんな現実逃避を未だにしています。
私はあなたを待っている。
かえってこないって…わかってるのに。
私はその日、とてつもない「幸福感」と「絶望感」を同時に受けました。
そして、あの日から眠るのが怖くなりました。眠ってる間にまた誰かが…とか、考えてしまい。寝るのが好きな人間でしたが、あの日からあまり寝ない人になりました。
時々ふいに、亡くなる直前の母の姿が鮮明に思い起こされます。今がそれです。
母の写真を未だに見れません。
現実をまだ見れてません。
そして母にはまだ「ごめんなさい」としか言えない私がいます…「ありがとう」が言えるように、なりたいものです。
このような闇深いものは書きたくないのですが、文字に書いて気持ちの整理みたいなことがしたくなり…
感想をいただいても返信できないかもしれません。いつものように感想欄を閉じたいのですが…なんとなく開けさせてください。
私のこころの闇にお付き合いくださったかた、すみませんでした。そして、ありがとうございます…。