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英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第8章:トップの条件
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98.決意表明?

1時間目が終わった後の休み時間に掲示板を見に行こうかなと思っていたら先に朝のHRで先生がやらかしてくれた。


「みなさんおはようございます。

既にお気づきの人も居ると思いますが、来月頭に行われる生徒会選挙に我がクラスから姫様こと藤白姫乃さんが推薦されました。

これは大変名誉な事であり、クラス一丸となって姫様を応援しましょう」


先生のその言葉を聞いて、朝の1件を知っている生徒は控えめに、それ以外の生徒は全力で拍手を送った。

当の姫乃はといえばお姫様スマイルを浮かべつつそれ以外の反応はしていない。

それと先生が一番得意気なのはなんだろう。もう既に当選が決まったかのようなどや顔だ。


「姫様。もし良かったら決意表明など何か一言話しますか?」

「あ、はい。では決意表明ではありませんが」


席を立ち教壇へと向かう姫乃をクラスメイト達は興味深げに見守った。

そして小さく息を吐いた姫乃は話し始めた。


「皆さんおはようございます。藤白です。

この度、生徒会役員への推薦を頂けたことは大変名誉なことだと思っています。

ですが私は生徒会に入るつもりはありませんし推薦も辞退させて頂きます」

「な、何故ですか!?」


姫乃の言葉を聞いて隣に居た担任が悲痛な声をあげる。

いやこっちからしたら、なぜあんたが鬼の首をとったような顔をしてたのかが謎なんだけどな。

先生の疑問にも姫乃は丁寧に答えていく。


「理由は幾つかありますが、私は今の学園生活にそれほど不満がありません。

日々をそれなりに充実して過ごしていますし、私も友人もそれぞれやりたいことが出来ていると思っています。

姫様と呼ばれてはいますが別に高い塔の上に幽閉されている訳でもありませんし」

「た、確かに生徒会長の皇帝の意向であだ名持ちの行動は特に制限されては居ませんが、今後もそうとは限りません。

その場合はどうするのですか?」

「その時は、全生徒を巻き込んで抗議するのも良いのでは無いでしょうか」


声には出してないけど『戦争です』と口が動いたように見えた。

個人的には戦争は最後の手段にしたいぞ。

なにせ戦争となると無関係な人達にまで被害が行くからな。


「それに私以上に相応しい人が居るので仮にその人が立候補するなら私はその人の応援にまわる予定です」

「そ、その人とは?」

「ここで言うとその人にご迷惑になるので秘密です」


にこっと笑いつつ俺の方を見てウィンクを飛ばしてきた。

って、俺かよ。

村人Aが生徒の代表とか笑い話にしかならないだろう。

それに例え立候補しても俺に投票する奴なんて……姫乃がお願いして回ったら結構集まりそうで恐いな。

どっちにしろ立候補する気なんて無いけどな。

先生は釈然としないようだけど、本人の意思を尊重するようだ。


「残念です。ですが気が変わったらいつでも言ってくださいね!」


……あの顔はまだ諦めては居なさそうだな。

ともかく朝のHRは時間もあってそこまでになった。

これでひとまずは俺達が選挙に煩わされることは無くなったと思って居たんだけど。

休み時間に掲示板を見に行くと思いも依らない内容が書いてあった。


生徒会長候補(推薦枠)

黒騎士:黒部 白夜(2年D組)

将軍 :織田 長政(2年E組)

村人A :村基 一会(1年C組)


副会長候補(推薦枠)

聖騎士 :聖  勇士(1年A組)

姫様  :藤白 姫乃(1年C組)

紅の王子:紅玉 光 (1年D組)


なるほど。

確かに副会長候補には俺の名前がない。

代わりになぜか会長候補に居るんだが。

誰だ俺なんかを推薦したのは。

女神やら将軍やらと並ぶ村人Aの名前が何ともシュールじゃないか。

クラスの皆もまさかそこに俺の名前があるなんて思わずにスルーしたんだろうな。



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