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英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第6章:さあ夏休みです!
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73.帰省の準備

1学期最終日というのはどの学校でも変わらず終業式があり、校長先生の長い挨拶に始まり休み中の注意事項が伝えられ、あとは生徒会長からも挨拶がありました。


「諸君。夏休みとは己を磨き上げる最上の期間である。

ひと夏の思い出として青春を謳歌するもよし、山に篭って修行をするもよし、受験生である3年はここで勉強に集中できるかどうかで希望した進学先に行けるかどうかが決まると言っても過言ではないだろう。

決して怠惰に時間を浪費することの無いように。

我々の時間は金銭では測れない程貴重なものであるという事を忘れず、悔いのない時間にして欲しい。

私からは以上だ。

2学期も成長した姿で共にここに集えることを楽しみにしている」


おぉ、なんというか普通の挨拶でした。

入学式の時は突然「私が皇帝だ!」とか言ってたので変な人なのかと思ってましたが、案外真面でしたね。

まあ山籠もりして修行する人は居ないんじゃないかと思いますけど。

さて、式が終われば教室に戻ってHRを済ませれば夏休みです。

ちなみに昨日の時点でクラスメイトの皆さんから夏休みはどうするのか、一緒に海やプールに行こうなどとお誘いを頂いてましたが、正直に祖母の家に帰省するとお伝えしてお断りしてあります。

断るついでに他クラスからも同じような問い合わせがありそうだったのでそれとなく情報拡散もお願いしておきました。


「ではみなさん、よい夏休みを」

「はい、姫様もお気をつけて」


私は皆さんに挨拶を送りながら足取りも軽く帰宅しました。

えっと、出発は明日の朝なので荷造りは今夜中に済ませれば良くて、後は、あ、そうそう。冷蔵庫の中身。

1月近く留守にしますので悪くなりそうなものは今夜中に食べきらないと。

お祖母ちゃんにも改めて『明日帰ります。到着は昼過ぎになりそうです』とメールを送っておきます。

と、早速返信が来ました。

いつもながらこの返信の早さは凄いなと感心してしまいます。

もしかして私からのメールが来るのを正座しながら待ち構えてたんじゃないかと疑ってしまった程です。

えっとそれで、今回は何て書いてきたのでしょうか。


『お土産は彼氏でええよ』


またおばあちゃんは。

中学を卒業してこっちに引っ越してくる時も「彼氏の10人や20人作っておいで」なんて言ってたけど本気だったのかな。

というか、友達ならともかく彼氏はそんな沢山作るものじゃないですから。


『残念ながら彼氏はいません』

『おや、なら旦那で我慢しておこうかね。布団の準備は1つで良いかい?』

『だから居ません!』


まったく元気なのは良いけど元気過ぎるのも困りものです。

えっと後はバイト先には夏休み中は休むことは伝えてあるし、そうだ、キヒトさんにも一応連絡しておこうかな。

向こうに行ったら一人で居る時と違って返信できない時も増えるだろうし。

そうそう、キヒトさんと言えばどうやら彼も夏休み期間中はほとんどバイトをお休みしているみたいなんです。

理由を聞いてみたら私と同じで実家に帰省するのだとか。

なので冗談めかして『帰省先でばったり会ったりするかもしれないですね』なんて言ってみたり。

お互い故郷がどこかは知らないのでそんな偶然ある訳ないですけどね。

キヒトさんの事だから実家と言っても私と違って地方の都市とかそんな感じで、私みたいなド田舎ではないでしょう。

だからどんなに頑張っても休み中に会う事はありません。


「キヒトさんかぁ」


会ったのは友達に連れられて行ったあの時1回だけなのに、どうして今もこうして連絡を取り続けてるのかな。

やっぱり名前が夢に出てくるあの人と同じだからでしょうか。

ただどことなく他人の気がしないというか、どこか引っ掛かるんですよね。

うーん、休み明けにもう1回会いに行ってみようかな。





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