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英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第2章:英伝学園体育祭
25/208

25.体育祭開始

晴れ渡る空の下、英伝学園の体育祭が始まろうとしている。

今は開会の挨拶を美童生徒会長が終えたところだ。

これから各チームに分かれて待機場所に移動していく。


『さあいよいよ始まります。毎年恒例、英伝学園体育祭。

本学園の体育祭では、毎年多くのハプニングもとい学園史に残る伝説が生まれることで知られています。

いったい今年はどんな伝説が生まれてしまうのか!?

司会進行はこの私、放送部のウグイス嬢こと鱚句きすく 伊真名いまながお送りします!』

『解説は高田たかだが担当します。どうぞよろしく』


明るく元気な声がスピーカーから聞こえてきた。

そう言えば放送ブースを用意はしてたけど、誰が司会をするかって話は聞いてなかったな。

放送部のあの人が元々やる予定だったのか、それとも飛び入りでマイクに飛びついたのかは知らないけど。

ま、順調に進めてくれるなら誰でも良いか。


『さあ皇帝陛下の挨拶を聞いた選手たちは、自陣に戻り気合を入れております!』

『去年、一昨年と雪辱を飲んだ2年生3年生は今年こそはと燃えていますね』


その言葉を聞いて各チームの待機場所を確認すると、なるほど。円陣を組んでいるチームや、演台に立った先輩と思われる人がはっぱかけていたりと様々だ。


「A組連合の諸君!今年こそは我らが勝利を勝ち取ってみせるぞ!」

「「おおっ!」」


「C組連合、ファイト―ッ!」

「「お、おぉ~」」

「声が小さい!そんなことで勝てると思うな。もう一度だ。

C組連合、ファイト―ッ!!」

「「オオー-ッ」」


運営委員として最初のレースの準備に駆り出されている俺はあれに巻き込まれてなくて良かったと思っている。

なんで突然そんな体育会系のノリなのか。

別にこの体育祭で優勝出来たからって何がある訳でもないだろうに。


『皆さん気合が入ってますね。

なお優勝したチームの中から優秀な活躍をした、所謂MVPには素敵なあだ名と希望する相手にデートを申し込む権利が与えられます』

『去年はそれで見事カップルが出来ましたからね。羨ましいですね~』


その言葉を聞いて、会場中の1年生が俄然やる気を増したように見える。

でもなぁ。

既にあだ名が付いている身としては前半は何のメリットも無いし、デート権も特に誘いたい相手は居ないし、そもそも『申し込む権利』であってデート出来るかどうかは本人達次第だってみんな気付いてるんだろうか。

……気付いてないんだろうなぁ。

まあいいや。


『間もなく最初の競技が始まります。参加する選手はスタート地点にお集まりください。

最初の競技のお題は【42.195メートル走】です!

『キロメートルじゃないところに注目です』

『はい。ではルールの説明を行います。

競技者には一人1枚チーム名と参加順が書かれたバッヂが配られます。

そして100メートル走のレーンを走り30秒以内にコースの端から42.195メートルだと思った場所にそのバッヂを置いて行きます。

最後、見事42.195メートルに一番近い位置にバッヂを置いたチームが勝利となります』

『足の速さを競うのではなく目測や距離感を競うということです。

これなら運動が苦手な方も気兼ねなく参加出来ますね』

『なお、既に置かれているバッヂに触れてしまうと失格になりますのでご注意ください』


競技の名前だけは事前に公開されてたから知ってたけど、どうやら世間一般の体育祭とは毛色が違うみたいだ。



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― 新着の感想 ―
[良い点] おお! この競技は面白いですね! 進行がだるそうですけど!
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