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英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第13章:村人らしく姫様らしく
201/208

201.打ち上げファミリー

何とか2日に1話ペースは保ちたい・・・

学園対抗試合も無事に終わり解散となったので、俺達は瑞希先輩と一緒に打ち上げに行くことにした。


「じゃあ瑞希先輩の無事と活躍を祝して、乾杯」

「「かんぱ~い」」


俺の音頭でみんなでグラスをぶつけ合う。

あ、もちろん中身はジュースだ。

今回の功労賞は見事白星を取った青葉さんもだけど、やっぱり人質になったりして大変だった瑞希先輩が一番だ。

まぁ、最後のヒロイン役がなによりも印象的ではあったけど。


「って、最後のあれは忘れてって言ったのに」

「いやいや。

むしろあれが今回の1番の目玉でしょ」

「ですねぇ。多分先輩以外誰も真似できませんよ」

「あ、ということは週明けには何か面白いあだ名が付いてそうですね!」

「そこは面白いの確定なんだ」


先輩自身は恥ずかしがって居るが、間違いなくあれ以上の成果は他の人では出せなかっただろう。

そしてそんな名誉な行動をすれば誰ともなくあだ名で呼び出すのが英伝学園だ。

今頃掲示板とかでみんな盛り上がって居ることだろう。


「まぁ1番無難なのは『ヒロイン』とかかな」

「『薄幸の美少女』とかも行けそうじゃないですか?」

「先輩自身はこれが良いとかありますか?」

「ひ、ヒロインとか恐れ多いと言うか……」


俺達の話を聞いて自分なんてと恐縮する先輩。

でもまぁ先輩は見た目悪くないし、ファッションセンスも持ってる小物からして良い方だと思う。

これまでは特別目立つことが無かったからな注目を浴びてなかっただけなんじゃないかな。


「出来れば私、平穏な学園生活を送りたかったんだけど」

「「それは無理だ(です)」」

「え、えぇ〜」


先輩の呟きを全員が即無理だと切り捨てた。

まぁ今のままだとあだ名が付くのは確定だし、そうなったら忙しくなるのがうちの学園だからな。

もう諦めるしかない。


「一会くんに近付いた時点で手後れです」

「いや姫乃。俺は捕獲罠の1種なのか?」

「むしろ1回手を出すと抜けられない麻薬に近いかも」

「なお悪いだろ」


ハル達も一緒に頷いてるし。

一体みんなの中で俺はどういう存在なのか今度詳しく問い詰めてみよう。


「そういえば」

「ん?」

「どうして私が捕まってる場所が分かったの?

というか、分かったのなら助けに来てくれても良かったんじゃない?」

「ああそれは、ビルの当たりまでは付けれたけどどの部屋かまでは分からなかったからなぁ」


いつ分かったのかと言えば2度目の電話の時だ。

先輩の話から誘拐されたのは今日だってことだし(それもどうかとちょっと思うけど、誘拐の指示が出てから時間が無かったのかも)、近くに居るだろうとは思った。

続いて電話の途中で聞こえてきたゴォォォという音。

あの時近くを飛んでいた飛行機は1機だけだったし、地上に居た俺には微かにしかジェット音は聞こえなかった。

よって飛行機が飛んでる側の、更にビルの上の方の階だと当たりを付けた。

そしてわざわざそこに陣取るってことは決闘の様子を覗っている可能性が高い。

以上の条件を満たすビルはたまたま1つしかなかった。


「まぁ運が良かったんだよな」


あの時、飛行機が飛んでいなかったら、もしくは監視を別に設けていて全く別の所に居たら。

もっも言えば誘拐犯にプロ意識が無く人質に手を出す鬼畜だったら、先輩は無事ではなかったかも知れない。


「っと、そうだ。

先輩にもこれを渡しておきますね」

「これは、お守り?」

「発信機入りです。

今回みたいな事は早々起きないとは思いますけど念のため。

あ、もちろん悪用はしないですし、事件が起きた時にしか確認しないようにしますので安心してください」


先輩は俺の差し出した『無病息災』と書かれたお守りを受け取りしげしげと眺めながらポツリと呟いた。


「これで私も村基君ファミリーの仲間入りね」

「うんうん」

「今日からはゴッドファーザーと呼んでやれ」

「いやいやいや」


何処のマフィアだ。

今まで誰もそんな風に俺の事呼んでないじゃん。



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