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英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第10章:季節外れの萌芽
136/208

136.お宅訪問と言ったら定番だそうです

カリカリとペンの音だけが響く事1時間。

思った通り勉強が始まってしまえば私語もそこそこに勉強に集中する俺達。

これが庸一達が居れば雑談混じりになってついでに脱線してテストと関係ない事を話始めるんだけど2人ならそれもない。

ただそれでもずっと続けると集中力が落ちてくる。


「そろそろ休憩しようか」

「うん。ふぅ」


パタっとペンを投げ出して伸びをする姫乃に苦笑しつつ俺はお茶とお茶菓子の用意を始めた。


「何か手伝う?」

「大丈夫。すぐ済むから姫乃は座ってて」


宣言どおり数分で準備を終えた俺が振り返ると姫乃はなぜか四つん這いにになってベッドの下を覗き込んでいた。

何をしてるのかはまぁ分かるし、見られて困るものはないけど別の意味で困るものが見える。

姫乃の服装は待ち合わせの時に思った通り清楚系のお淑やかなものなんだけど、スカート丈はそれほど長くはない。

つまり何が言いたいかというとちゃぶ台の上に用意したものを置くために屈むとな。ピンク色の布地がチラチラ見える訳だ。

こういう時は正直に言うべきか、それともそっとしておくべきか。


「……何か面白いものあった?」

「えっと丸くて硬いものが」

「んん?」


答えた姫乃はそのままのベッドの下に手を伸ばしてその何かを取ろうとしてるんだけど、そうすると必然的に更に頭の位置が下がって代わりにお尻の位置が……

俺は俺で座布団の上に座ってその様子から目が離せない訳だけど。


「どう?取れそうか」

「うーん、もうちょっと」


お尻を揺らしながら答える様は誘っているようにすら見えて激しく目に毒だ。

その誘いに乗って触ってしまえば色々と取り返しのつかないことになるだろう、なんと巧妙な罠か。


「あ、取れた!」

「あ、う、うん」


ベッドの下にあったものを引っ張り出してこっちに見せようとしてくれたっぽいけど、残念ながら俺の視線は反対方向だ。

自分でも赤くなってる自覚はあるしな。


「何かと思ったらルンボでした」

「そ、そうか~。そう言えば春頃に買ってたなそんなのも」

「ということは動かしてたことを忘れて電池切れでずっと放置されてた訳ね。

……で、一会くんはどうして向こうをむいてるの?」

「大人の事情です」

「ふむふむ。それにしてもベッドの下にエッチなものを隠すっていうのはもう都市伝説なのかな」

「今時そんな奴居ないだろ。そもそも実家暮らしじゃないんだから誰から隠すんだって話だし」

「それもそうね」


納得したのか姫乃はルンボをその場に置いて自分の座布団のところに戻って来た。

ぺたんと座ってのんびりとお茶を啜った姫乃が一言。


「で、何か言う事はないの?」

「えっと?」

「見てたでしょ。私のパンツ」


どうやらバレていたらしい。

やっぱり女子はそういう視線に敏感だというのは本当なんだろう。

ここで誤魔化しても意味が無いし俺は素直に頭を下げた。

丁度座布団に正座で座ってたものだから土下座スタイルだ。


「ごめんなさい」

「うむ素直でよろしい。で、どうだった?」

「ん?」

「見た感想。今日は花柄のお洒落なやつを履いてきたんだけど」

「あれ、レースは付いてたけど花柄ではなかったような……あ」


姫乃がニヤニヤしながらこっちを見ている。

俺の反応を見て面白がってるな、これは。

なら少し反撃しておかなくてはいけないだろう。


「そうだな。思わず襲い掛かるところだった。丁度他に誰も見てないしな」

「襲っ!?」


どうやら俺に襲われるとは微塵も思ってなかったようで、俺の発言を聞いて顔を赤くする姫乃。

無事に反撃が出来たのは良いんだけど、この反応は喜んでいいのかどうなのか。

なにせお前なんて男として見てなかったって言われたようなものだし。

あれ。でもそれならパンツがどうのって話にすら出てこないような気がする。

ううむ、女心は難しいな。


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