表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第9章:芸術の秋。色づく秋。
118/208

118.チームマッチ

そうして順調にラウンドを重ねていた時でした。


【他チームから対戦の申し込みがあります。受けますか?】


という通知が出てきました。

どうやら別のフィールドで遊んでいる人達からの申し込みのようです。

ただ折角クラスメイトと一緒に遊んでいるところを邪魔されるのも嫌なのでお断りしようかな。

そう思った私の目に相手チームの申請者名が目につきました。


【申請者:村人A】


は?

慌ててヘッドギアをずらして周囲を見渡せば……居ました。

一会くんと、話したことはほとんど無いですがクラスの男子5人がこっちを見て手を振ってます。

教室で別れた後、一会くんたちもここに遊びに来てたみたいです。

それで私達が居るのを見つけて声を掛けてきたってことでしょう。


「えっと、どうします?」

「うーん、リアルで男子と戦うのは厳しいけどARならいい線行けるんじゃない?」

「こっちには最強無敵の姫様も居るしね!」


いやいや。いつの間に私にそんな凄い呼び名が付いたんですか。

私だって男子と戦って勝てると思う程、自信家ではありませんよ。


「あ、そうだ!」


こちらのひとりが何か思いついたみたいです。

ほかの皆にもなにやらこそこそと話した後、申請を受理することになりました。なぜか私をのけ者にして。


【申請を受理しました。

これより5vs5のチームマッチと1vs1のソロバトルを行います】


どうやらそういうことらしい。

そして私を見てにこりと笑うクラスメイト。


「ソロバトルは姫様ですよ。相手は村人Aを指名してやりましたから、思う存分ボコボコにしてやってください!」

「やっぱね。モンスターをボコるのも良いけど、直接ボコった方が気分転換には良いでしょ」

「日頃の鬱憤を全部ぶつけてやってください」


言われて向こうのフィールドに居る一会くんを見れば、呑気にこっちに手を振っている。

うん、なぜだか今はあの呑気な顔を無性にぶん殴りたくなりますね!


「分かりました。皆さんも頑張ってくださいね」

「はーい。あ、姫様は手は出せませんが口は出してオッケーなので、さっきみたいに指示を貰えると助かります」

「うんうん。姫様の指示があるとすっごい戦いやすかったからね」


そうして始まったチームマッチ。

戦場はなんとお互いのフィールドをそのまま使いつつ、ARであたかも目の前に居るように見せるようです。

まあじゃないと手狭ですし、ARとか関係なく直接殴り合ったりしたら危険ですからね。

戦いは、どうやら男子チームはそれなりにやり込んでいるようで動きに無駄が少ない印象です。

こっちのチームは運動が苦手な子も居ますし、ジョブにも慣れたとは言い難い感じです。

それでも私が指示を出すことでだいぶいい線行ってます。

一会くんはと言えば、呑気に後ろに下がって観戦してますね。

別にこっちと違って指示を出したりとか、そういうのは無いみたいです。


「どりゃああ」

「なんの」

「ふっ、隙だらけですよ」

「へへ~ん、残念でした~」


みんな楽しそうですねぇ。

やっぱりチーム戦にはチーム戦の良さがあるというか、こう命の心配がなく戦えるって良いですね。

夢の中の世界では油断が即死に繋がりますし、格下だと思っていた魔物に不意打ちを受けて倒れる人も何人も見てきました。

キヒトの場合は油断はしないんですけど、基本無茶ばかりでしたからね。

サポートするシロノ(わたし)は色々苦労させられました。

そして5分が経過してチーム戦が終了しました。

5分って短いと思われるかもしれませんが、全力バトルすると1分でバテても不思議じゃないので、意外と長いんです。

ペース配分とか考えたり戦いの合間で休憩を挟まないと男子チームみたいに後半スタミナ切れで動けなくなります。


「勝敗は、87ポイント対80ポイントで私達の勝ちです」

「やった~。途中30ポイント差が出来た時はダメかと思ったよ~」

「うんうん。後半の怒涛の追い上げがなかったら負けてたね」

「やっぱりさ、姫様の指示が的確だったのが勝因だよね」

「それ間違いないよ~」

「さ、次は姫様の番だね!」


そうでした。次は私の番ですね!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ