表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第9章:芸術の秋。色づく秋。
117/208

117.前でも後ろでも

気合を入れている内に他の皆も選び終わって準備完了です。

あ、それとレンタル装備の中には女性用のショートパンツもありましたのでスカートのままの私達でも安心です。

……以前それで盗撮騒ぎがあったそうで、今は警備も強化しているとか何とか。

それはともかく、ヘッドギアを装着した視界には10カウントが表示されました。

いつの間にか右手には細剣、左手は魔力が集まっている事を示すように白く光ってます。

微妙に右手が重く感じるのは手首に付けている装置の影響ですね。

軽く身体を捻って調子を確認して、うん、多分大丈夫です。


【ラウンド1。ファイト!】


カウントが終了すると同時に現れるゴブリンが10体。

まずは小手調べという事で正面の1体の首元目掛けて右手の剣で一突きしてみました。


「はっ」

『ギッ……』

【クリティカルヒット!ダウン!】

「え?」


たった1撃で光の粒子になって消えていくゴブリン。

もしかしてめちゃくちゃ弱い?あ、でもラウンド1だからこんなものですよね。

それにまだ9体残ってるんですから気を抜く訳には行きません。

私はそのまま左のゴブリンに向けて左手をグーで突き出してフォースアタックを放ちつつ反対側のゴブリンの首を切り飛ばしました。

うーん、やっぱりゲームだから重みも無いし気配とか存在感とか無いのがやりにくいですね。

代わりに視界の端にマップが映し出されて現在の敵味方の位置が分かるようになってますが。

兎も角残りもサクッと倒してしまいましょう。


「ふぅ」


時間にして1分も掛からずゴブリンを倒し終わりました。

結局まともな反撃はありませんでしたね。

って、しまった。


「あ、あの。ごめんなさい、皆さん。私一人で勝手に戦っちゃって」


慌てて後ろを振り返れば、皆呆然と私を見ています。

やっぱりこういうパーティープレイでのやらかしは良くなかったですよね。

と思っていたのですが違ったみたいです。


「す、すごい」

「え、何今の動き。動画で見たトップランカー並じゃない?

攻撃なんて全部クリティカル判定だったし」

「さすが姫様。こんなところでもマジ姫様なんだね」

「これ学園で映像流したら姫様ファンが凄いことになるよ!」

「レコードタイム出た!23.27秒。

あぁでもランキング入りはしないかぁ」

「いやこれ、6人プレイモードだから。

ソロなら絶対ランキング入ってるって」


なんか凄い盛り上がってます。

そんな事より、そろそろ次始まりますよ?


「次は私、少し下がってサポートに回りますから」

「えぇいや別にこのまま無双してくれてもいいのに」

「それじゃあ皆で来た意味がないでしょう。

私、サポートに回るのも好きですから」

「そうですか?じゃあ」

「あたしらのへっぽこっぷりを見ても笑わないでね」


そうして次に現れたモンスターに退治するみんな。

ちなみにジョブは見た感じ魔法剣士、重騎士、レンジャーと魔法使い2人って感じでバランスが良いですね。

ただ、どうしても動きがぎこちないし連携が取れてません。

ああ、重騎士が動き回ったら重心が安定しなくて敵の攻撃を受け止めるのが大変なのに。

魔法使い2人も位置取りが悪いというか、敵の数が多いうちは味方が囲まれない様に牽制していけば前衛が戦いやすくなるんですよ。

仕方ないですねぇ。


「『フォースアタック』『フォースシールド』」


後衛に回り込もうとしたゴブリンを弾き飛ばし、レンジャーに殴りかかっていたオークの前にシールドを展開して守りました。


「姫様ありがとう!」

「助かりました!」

「お礼は後で良いですから。

それより重騎士はその場でガードに専念してください。出来るなら受け止めた後で盾で押し返してください。

魔法剣士は重騎士が受け止めて動きを止めた敵を攻撃。

レンジャーは敵の死角に回り込むことを意識してください。不意打ちしても良いですし、仮に見つかっても敵の意識を逸らす事が出来ますから。

魔法使いのふたりはまずは余っている敵に速い魔法を放って足止めしてください」

「「は、はい!!」」


私が一歩下がったところから全体を指揮することでようやく真面な戦いになってきました。

これなら結構いいところまで行けそうですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ