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英雄が通う学園に、村人Aが征く  作者: たてみん
第9章:芸術の秋。色づく秋。
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113.秋の行事

いつもありがとうございます。

興が乗って1週間分が1日で描けてしまいました。

なので今週はまだ毎日投稿で行きます!


無事に生徒会役員の交替も終わり、学園には以前と変わらない日々が戻って来ると思っていました。

だけど変わらないものなど無いと言うことでしょうか。

最近は女子をよく見掛けるようになった気がします。


「あ、村人A君だ。おっはよ~」

「こんにちは村人Aさん」

「あの村人Aさん、ちょっと相談が……」


村人A、村人Aって彼にはちゃんと村基一会って名前があるんです。

一会くんも一会くんで律儀に挨拶を返して相談に乗って、ついでに困ってる人を見掛けると流れるように助けに行くのは執事喫茶の影響なのでしょうか。

いえ多分元からですね。

以前、帰宅途中に盲目の方の補助もしてましたし。


「はぁ」

「ん?何か悩み事か?」


私のため息に気付いてくれるのは嬉しいのですが、これは一会くんに相談するのはなんか違う気がするのでそっと首を横に振りました。

一会くんも「そっか」と短く答えるだけで深く踏み込んで来ることはありません。

それがありがたいような、でもちょっと淋しいような不思議な感じです。

10月に入り季節はすっかり秋ですからそのせいでセンチメンタルになって居るのかもしれませんね。

そんな折、学園では次なる行事が近付いてきました。


「えー皆さん。今年の芸術祭はくじ引きの結果、私達のクラスは演劇に決定しました」

「「おおぉーーっ」」


帰りのHRで先生からそう発表されると俄に活気付く教室内。

芸術祭というのは毎年11月に行われる行事で学園祭みたいなものです。

その内容は演劇、合唱、ダンスなどの公演タイプのものと、出店や喫茶店などの販売系。

他にも様々なアトラクションを提供するクラスなどに分かれます。

ただし、毎年人気のある出し物には希望が集中してしまうので、こうしてくじ引きという形でどのクラスが何をやるのかが決まるそうです。


「それで先生。演劇のもう一つのクラスはどこなんですか?」

「はい、お隣のD組です」

「くっ、そう来たか!」

「D組と言えば紅の王子と天使が居るクラスじゃないか」

「姫様擁する俺達C組が負けるわけにはいかないな!」

「えと、無理はしないでくださいね」


こんなに盛り上がっているのは各部門ごとにどこが良かったか順位付けが行われるからです。

優勝クラスは次のイベントなどで若干の優遇措置があるそうです。


「姫様、ご安心ください。俺達が必ずや最高の舞台を用意して見せます」

「やっぱり演目は姫様が一番目立つのが良いよな」

「ああ間違いない」

「私達のクラスの代表って言ったら姫様だからね」


皆なぜか私を中心に考えているようですけど、その考え方は私的には歓迎出来ません。

なので水を差すようで悪いですが止めさせてもらいましょう。


「あの皆さん。

学園の行事は私だけではなくみんなのものです。

みんなで協力して創り上げた、というのが大事なのであって私だけ目立つのは違うと思うんです」

「「……」」


私から意見というか苦情が出るとは思ってなかったようで教室の中が静かになってしまいました。

と思ったのも束の間。誰かが笑いながら言いました。


「分かってますよ姫様。

姫様が俺達のことも考えてくれてるってことは。

伊達に半年以上クラスメイトしてないですから」

「ほっ」

「ということで、ヒロインは姫様ということで!」

「「異議なし!!」」

「って、さっきの振りは何だったんですか!?」


まるで口裏を合わせて居たかのように全員が首を縦に振りました。

その様子にこのクラスの結束力は中々に強そうだと感心してる場合じゃないですね。

先生は……あぁダメです。一緒になって首を振ってます。

一会くんならこういう時何とかしてくれますよね?


「……?」


え、我関せずみたいな顔してました。

確かに演劇に村人Aは端役って相場が決まってますけど、どうなんですかその態度!






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