なんと乙女ゲームのヒロインに転生できました
入学式。
校長の長い挨拶の途中で貧血を起こして立ちくらみと同時に私は前世の記憶を思い出した。
この世界は乙女ゲーム「7人の王子様から溺愛されています」の舞台で私はそのヒロイン。
悪役令嬢ではなく正真正銘の激モテキャラ「サリーベル」に転生したのだ。
物語が始まる学園の入学式に合わせて記憶が蘇ったのだ。
ミラクルすぎる。
「大丈夫かい?」
倒れかけた私を支えてくれたのは隠しルート百合編の王子様(女性)のクリスだ。
背が高くて中性的で男子の制服を着ても違和感が無いと断言できる顔立ち。
声もハスキーボイスなので、サリーベルは一瞬男の子と間違えて焦ってしまうんだけど、後に親友になる設定。
「ちょ…ちょっとクラっとしただけで大丈夫です」
世界は乙女ゲームでも今は現実である。
女性とはいえ美形キャラに背中を支えられるのはヤバい。
彼氏いない歴=年齢には刺激が強すぎる。
鼻血を吹きそうになりながらも踏みとどまって講堂の上の席を確認してみた。
私がいるのは庶民の列だけど、王子様たちは上にある椅子付きの席で入学式に参加しているのだ。
ゲームだと王子様たちがキレイに切り抜かれたカットになっているが、現実では豆粒までいかなくてもかなり小さい。
(ぶはっ)
その小さい王子様たちを見つけて思わず吹き出しそうになった。
髪の色がゲームのまんまなのだ。
コスプレ用のウィッグのようなアニメカラーのカラフルな髪の毛の色のリアル王子様たち。
モブも王子様ほどではないけど気づいてしまうと気になる暗めだけどカラフルな髪の毛の色だ。
そして現実なので顔は普通に人間である。
今は上の階の席にいるから顔までははっきりわからないけど普通にアニメカラーの髪の毛でカラコンを付けたようなカラフルな目の色の人だ。
その後の話をすると私の人学園生活は見事にゲームをなぞるように進行していった。
王子様たちはゲームそのままの声でゲームそのままのセリフを実写でトレースするのだ。
途中で慣れたけどスチルなんかもしっかり再現されるので萌えと笑いだと正直笑いが勝っていた。
果たして私はこの世界で無事にハッピーエンドを迎える事が出来るのだろうか?