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異変①
「絵里、今日はいい天気よ。ちょっとお散歩にでもいかない?」
行くわけないだろう。
外に何故行かなきゃならないの?母さんは今一人だろうか?いや、彼氏と一緒だろう。
だから機嫌がいいのだ。
どすん
ドアを蹴飛ばす破壊音が鳴り響く。
急な展開に頭がついていかない。私はベッドから飛び起きた。
母親の彼氏が暴れ始めたのだろうか?
いや、それにしては音がでかすぎる。
金切声がこだまする。
何が起きてる?
ドアをさらに誰かが蹴飛ばす。少しへこんだ。
ライオンか牛か
いやいや冗談ではなく獣並みの暴れっぷりである。
私はスタンガンを握りしめた。
ドアがついに粉々に破壊された。