異世界ボタン
『異世界に行きますか はい・いいえ』
「どうしてこうなった…」
カーテンが閉めてあるのに電気もつけず、彼女は、パソコンと向き合っていた。
「ただネットサーフィンしてただけなのに!?何このふざけたサイト!?異世界に行きますか?ばっかじゃないの!?いけるもんなら連れてけよーーー!!」
家の中に私の叫び声が響き渡る。
だっだっだ
階段を駆け上がる音がする。
『やつ』が来たようだ…
だっだっだ
駄目だもう間に合わない…
「お姉ちゃん!さっきのなに!?すっご〜くうるさいんですけど!!」
ガチャとドアが開く音と同時に私の
『妹』の声が部屋に響き渡る。
「や、やられた〜」
私は何を言っているのだろうか。
妹にも呆れられるよそりぁ、、
でも心の中では、そういうノリだったんだよ〜。
「で、お姉ちゃん」
完全にスルー(泣)
「さっきのなに?」
「…まず、この画面を見て」
私が愛用しているノーパソを妹の前にだす。そこに映っていたのは、、
『異世界に行きますか? はい・いいえ』
「…は?何これ意味不明なんですけど。異世界?馬鹿じゃないの?何お姉ちゃんコレ見つけて叫んだの?馬鹿なの?死ぬの?」
そこまで言わなくても、
いいじゃん、、、
(泣)
「でもぉ〜今絶賛『引きこもり中のお姉ちゃん』なら憧れるのかな?現実から逃げれるから?馬鹿なの?死ぬの?」
妹さんきついです。
馬鹿なの?死ぬの?2回目です
マジで。
「すみませんマジで。はい今絶賛引きこもり中です。でも叫んだ理由は違うから!!何このサイトふざけてんの?と思って叫んだんです!!でも異世界行きたいです!」
体制を正し、長い髪を揺らしながら言った。言い切ったぞ!
妹は、短い髪を耳にかけながら呟いた。
「行けば?異世界。」
「はいそうですね…ってえ!?今なんて!?」
また私は妹が、馬鹿なの?死ぬの?をくりだすと思って、構えていたのに、今なんて!?
「だ・か・ら!行けばって!異世界」
はっきり聞こえた。私はこの瞬間を逃してはいけない。妹が異世界へ行けと背中を押してくれているのです。
「ありがとう紫乃。行ってくるね異世界。」
私は妹に微笑みパソコンに振り返った。
「ここまで言って、行けなかったらすっご〜くかっこ悪いよね、、てか、紫乃は
部屋の外に出てて。なんか危ないかもしれないから。」
私の後ろで妹がこくんと頷いた気がした。
「頑張ってね梨奈お姉ちゃん」
妹が呟いた。
私はそれを聞き逃さなかった。
ーありがとう紫乃ー
ガチャという音と同時にパソコンに映し出された画面を見つめた。
本当に行けるのかな、
と不安にもなったが、
頭を、ブンブン振る。
そしてついに、ボタンを押す寸前まで来て、
「いきます!」
もっといい言葉があったのではないか、と今更思うけど、私にはこれでよかった。
『異世界に行きますか?』
『はい』
パソコンから光が溢れ出し私を包み込む。
この時私はこの後何が待っているのかは、わからなかった。でも、1つだけわかっていることがあった。
私は異世界で自分を変える何かがあると
確信していた。
私、いや、梨奈はもう一つの人生の一歩を踏み出したのだ。
後、一つだけ呟いた。
「白髪がいいな」
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始めまして!みやです!
始めて小説を書きました!
文章がグタグタですみません、
投稿ペースはとてもゆっくりやっていきます。
ここまで読んでくれて
ありがとうございました!!