二人のゆうしゃと一人の元奴隷は、冒険者についての説明を改めて受けた後、パーティを組んで依頼を受けるようです
まず初めに言うこと……風邪を引きました。
それはいいとして、それよりも誤字脱字ですねー。沢山ありそうです。
もしあったら、指摘お願いします。
5/18 東城麗羅さんから間違いを指摘されました。
「何も書いていない色あせた何も書いていないカード→何も書いていない色あせたカード」
あと、ヌメーバの倒した数が間違っていたので直しました。
2017/5/4…ヌメーバの討伐依頼の報酬が間違っていました。『銀貨』→『銅貨』
2018/3/19…『モンスター』→『魔物』
「では、冒険者について改めて説明しますねー」
大地、空進、フロリィの三人は、ギルドの冒険者窓口で受け付けの女性から、冒険者についての説明を受けるため、ギルドの奥にある部屋に案内されていた。
さすが冒険者ギルド、無駄に広い。
「まず冒険者とは入口近くにあるボードに貼ってある依頼を受けて達成したり、迷宮に潜ったりして、冒険する人のことですー。で、冒険者になったからには、ギルドから呼び出されたときはできる限り呼び出しに応えなければいけませんー。それはどの国でも、どの村でも同じですー。そうそう、国や町に魔物が襲ってきた時も呼び出しがあると思うので、それも参加した方がいいですよー。
次に冒険者カードについてですー。冒険者カードは、自分のステータスやランクを確認したり、自分の所持金額を確認したりするのに役立ちますー。冒険者カード自体は、自分の身分証明書みたいなもので、他の国や村に出入りするときは、そのカードが必要となりますー。これが無いと、国や村に入ることはできませんし、盗賊と間違われる可能性がありますー。盗賊の中には、冒険者カードを持っている者もいますが、ほとんどの盗賊が持っていないと考えていいでしょうー。冒険者カードは先ほどのように、定期的に更新することをお勧めしますー。もちろん自分のステータスは、自分を≪鑑定≫しても見れますが、冒険者カードでも見れるのであまり変わらないと思いますー。もし無くしてしまった場合は再発行となりますー。再発行した場合、古い方のカードは何も書いていない色あせたカードになりますー。拾われて違法なことに使われないようにするための対策ですー。ここまでいいですかー?」
冒険者についてのこと、冒険者カードについてのことを聞いたフロリィを除く二人は、整理しながら記憶していた。フロリィはすでに冒険者なので、復習するような形で聞いていた。
「冒険者カードのランクについてですが、これは七つのランクがありますー。下からF、E、D、C、B、A、Sですー。色は、Fランクが赤色の枠で、Eランクが半分が赤色で半分が灰色の枠で、Dランクが灰色の枠、Cランクはブロンズの枠、Bランクがシルバー、Aランクがゴールド、Sランクが白色ですー」
空進は先ほどフロリィのカードを見たので、フロリィが今どのランクにいるのか分かっていた。
「……確か、フロリィのランクはDだったよな?」
「…………見たの?」
「いや、たまたま見えちゃった。正直羨ましいぜ」
「…………えへへ」
フロリィのカードの枠は、灰色だったのを思い出した空進は、フロリィに聞いてみた。
フロリィは空進に聞かれたとき、少し驚いた顔をしていたが、空進の言葉を聞くとすぐに笑顔になった。
「依頼もランク指定がありますが、自分のランクの一つ上までなら受けることができますー。しかし、その依頼を受けるのは、個人や、パーティの自己責任となりますので、注意してほしいですー。以上で冒険者についての説明を終わりにしますが、何か質問などありますかー?」
「じゃあ、僕から一ついいですか?」
大地は手を挙げて言った。
「お金をカードの中に入れるには、どうすればいいですか?」
「それはですねー……冒険者ギルドの窓口で言ってくれれば入れますよー。自分で入れるのははっきり言って無理ですからー」
「分かりました」
「他に何か質問がある人はいますかー?」
そういえば、女性の名前を聞いていない。
「ああ、わたしの名前ですかー?わたしは、セレヌスですよー」
空進たちが感じた彼女の印象は、『絶対大事な時にミスをする人』だった。
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説明を聞き終わり、受付の窓口にて。
「パーティですかー?そういえば、その説明をするのを忘れてましたー。説明が長いから、忘れがちになってしまうんですよねー」
「じゃあ簡単に」
「そのパーティの内一人が魔物を倒したとしますー。本来なら倒した人だけに経験値が入りますー。あ、ここで言う経験値は特に意味は無いんで、忘れてくださいー。まあ、一人がもらえるんですけど、パーティを組んでいれば、パーティの全員に経験値が配られるんですよー」
「つまり、戦っていない人にもその経験値が配られるわけだな?」
「そういうことになりますねー。ですが、いくらレベルが高くても、戦うという経験を積んでいなければ、弱いままですー。その代り、レベルが低くても強い人は、それなりの経験を積んでいる人だっということですねー
余談ですが、別々にすることもできますー」
「なるほど……で、俺たちはこの三人でパーティを組みたいんだが」
空進はセレヌスに言うと、彼女は笑顔になって言った。
「では、この紙に自分の名前とパーティの名前を書いてくださいー」
空進と大地は、まだこの世界の文字が書けないので、フロリィに代筆してもらった。他の人に、≪自動変換≫のスキルを見せたくなかったからというのもあるが、その前に大地が魔力をどう使うのか分からなかったからだ。
「で、ダイチ」
「なんだよ、カラス」
「パーティの名前どうする?」
「なんで僕に聞くんだよ」
「いやだって、君の世界だとどんな名前を付けるのか気になるじゃん」
空進は純粋に興味があって、大地に聞いている。しかし大地は、乗り気ではないようだ。
「仕方ねーな……じゃあ、『オオゾラ』で」
「それでいいんじゃない?」
「…………ボクの名前は?」
大地はとりあえず、第一候補を挙げてみた。しかし、フロリィの名前が入ってないことを本人に指摘されると、第二候補を挙げてみた。
「じゃあ、『ニジノオオゾラ』は?」
「…………いいんじゃない?」
「じゃあそれで」
大地の第二候補、『ニジノオオゾラ』。三文字付け足しただけで、二人に気に入られました。
フロリィは、紙に『ニジノオオゾラ』とハリル文字で書くと、セレヌスに渡した。
「はいー。承りましたー。リーダーはどうしますかー?」
「ダイチだな」
「…………ダイチで」
「なんで僕!?」
「大丈夫だ。俺が副リーダーをやってやるから」
「はいー。リーダーがダイチさん。副リーダがカラスさん。決定しましたー。これは後で変えることができませんので、ご了承くださいー」
大地がリーダーに決定した。
そもそも、消去法で考えても大地がリーダーにならなければならないのだ。
空進はどのみち帰ることができるし、フロリィは人間不信に陥っている。そう考えると、一番安定している大地しか、リーダーが務まるとしか考えられないのだ。
「リーダーについて説明しますねー。パーティのリーダーは、ギルドの集会に参加しなければいけませんー。その集会は、一年に一回あり、それぞれの国や村で行われますー。副リーダーは、リーダーがどうしても出られないときに参加しますー。臨時集会の時は、リーダーだけではなく、副リーダーも一緒に参加しなければいけませんー。これは絶対ですので、注意してくださいー」
二人は思った。
「「(面倒くさい……)」」
セレヌスは二人を見ると、人差し指を立てて言った。
「面倒くさいとか思っちゃだめですよー。これは決められたことなんですからー。ちなみに何か仕事をしていても、これは出なきゃならない物ですから、神様とかその親族ではない限り、仕事を見つけてサボろうみたいなことを考えちゃ駄目ですからねー」
釘を刺された二人だった。
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依頼板の前で、空進と大地は愚痴っていた。
「仕事見つけても、臨時集会には出なきゃいけないのかよ。面倒臭え」
「『神様とかその親族ではない限り』って言ってたよね」
「そうそう。あーあ……僕も神様の親族だったらなー」
「そうだねー(俺が神様の親族だったらいいな……その前にローレのライバルとか書いてあったけど、それはまだ言わない方がいいな……集会よりそっちの方が面倒だろうから)」
「おい空進、なぜ今の返事だけ棒読みだったんだ?」
空進は今の問いをスルーし、フロリィと一緒に無言で依頼板を見ている。
「なあフロリィ、君のランクはDだったはずだけど、俺らと同じランクの依頼を受けるで本当にいいのか?」
「……いいの。ボクが依頼を受けるのは、久しぶりのことだから。それに……カラスの祖母からもらったこの杖があるから」
フロリィは杖を見て言った。
「…………どうしてカラスはいきなり自分の冒険者カードを取り出すの?」
「いや、自分の神名に『鈍感』が入ってないか、もう一度確認するためにだ」
フロリィが目線を杖から空進に戻すと、空進は自分の冒険者カードで自分のステータスを見ていた。
しかし、空進は神名を確認するためにカードを取り出したのではなかった。
「(スルーしてたけど、自分の神名に『クロゼロの孫』なんて出るのは、普通おかしいよな?)」
『クロゼロの孫』……普通なら出るとおかしい神名。自分の祖父母のことが、なぜ自分の神名にあるのか、今になっておかしいと気付いた。
そこで、空進はその神名のヘルプを見てみることにした。
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『クロゼロの孫』クロゼロは、このハリルを創った二人の神の名前。クロは男性で、ゼロは女性である。この神名を持っている者は、神様の親族となり、神と同じ扱いを受けることができる。神様の親族となるには、二人に認められることが条件である。
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「(うわお……すごいモノを見てしまった。というか、ばあちゃんたち神様だったのかよ。なんで教えてくれなかったんだ?)」
「……カラス、そんな深刻そうな顔してどうしたの?」
「二人とも、どんな依頼を受けるか決まったか?」
フロリィが空進の様子に気が付き声を掛けるのと、大地が二人に寄って来るのはほとんど同時だった。
「いやいや、別になんでもないのでござるよ?」
「なぜに急に忍者みたいになった?」
空進は動揺している。これでもかと言うほど動揺している。
「……カラス、もしかしてあった?」
「え?あ、うん。無かった無かった。あはははは…………」
空進は乾いた笑みを浮かべる。
「そんなことより、依頼はどうするんだよ?」
大地は溜め息をつくと、依頼板を見ながら二人に言った。
「え、じゃあこれで」
空進は依頼板のとある場所を指さした。
大地とフロリィはその場所に目を向ける。
『ヌメーバ100体の討伐:E
報酬:銀貨900枚
討伐部位:ヌメーバの核を100個持ってくるように
≪ヌメーバの説明≫
ヌメーバとは、普通のスライムと似ているが、身体の作りが違う。
まず、スライムは移動することができるが、ヌメーバは移動することができない。その場ではねているだけである。色は緑色か青色か赤色の三種類で、それぞれ風属性と水属性と火属性の三種類である。
重さは軽く、風で飛んでくる場合がある。もし上から降ってきた場合、身体に絡みついてくることがあるが、それは緑色のヌメーバだけである。ちなみに、布を溶かすだけなので身体に影響はない。
ヌメーバの核は、とても高く売れる。しかし、少しダメージを与えただけで、空中に溶けてなくなる』
「ヌメーバねぇ……」
大地は空進に目を向ける。
「レベル上げにはもってこいじゃないか?スライムに似てるらしいし」
空進はしれっと言う。
しかし、フロリィは顔を青ざめさせて、空進の服を引っ張ってきた。
「…………カラス、ボクこの魔物、嫌いなんだけど」
このヌメーバに、嫌な思い出があるのだろう。
「フロリィは離れたところからの援護をお願い。その方が、ヌメーバに近寄らなくてもいいでしょ?」
「…………うーん……分かった。そうする。もしヌメーバがボクにまとわりついたら、ちゃんと助けてよ?」
「分かった分かった」
フロリィは心配そうだったが、依頼はこの『ヌメーバ討伐』に決まった。
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「ヌメーバ討伐ですねー。ではこの袋をお渡ししますー。これはマジックボックスですー。袋なのに箱みたいな名前とかいうツッコミは受け付けませんー」
依頼の紙を持って、受付窓口に行くと、セレヌスから薄茶色の袋を渡された。
「これは普通に買うと高いのですが、三人に渡しておきますー。まず、このマジックボックスは、他人の持ち物を取ることができませんー。例えば、この袋を落としたとしますー。それを誰かが拾ったとしますー。拾った人は、落とした人の持ち物を盗ることができませんー。防犯の一種ですー。もし無くしてしまった場合は、自分で買ってくださいねー。フロリィさんの袋は、今回は特別にお渡ししますー」
マジックボックス……というか袋を渡された三人は、取りあえずフロリィに使いかたを教ええてもらった。
袋に手を入れて、出したい物を思い浮かべれば出てくる。しかし、何が入っているか忘れてしまった時は、手を入れたまま≪鑑定≫をすれば、何が入っているか分かる。
だそうだ。
「討伐した数は冒険者カードに記録されるので、確認しながら討伐してくださいー。定められた数以上討伐すると、後々面倒なことに巻き込まれかねないのでー」
セレヌスは遠回しに、「失敗するな」と言っている。
そのことに気付いた空進とフロリィは、気付いていない大地に言う羽目になった。
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ヌメーバがいる場所は、人国から出て、南にある森の中である。人国の門から見て正面が東、門側が西。つまり、右に見えるのが例の森である。
「なあフロリィ。君の装備、杖だけだけどいいのか?」
空進はフロリィに言おうとしていたことを言った。
フロリィの服装は、奴隷の時のボロボロの服ではなく、城で調達された真っ黒いワンピースだ。これは装備しているのではなく、ただ着ているだけなので、ステータスの≪装備≫の欄には表示されない。
フロリィは、自分の服装を確認してから、空進に向かって言った。
「…………ヌメーバに捕まらなければ問題ないと思う。でも……ヌメーバに捕まったら困る」
フロリィは若干顔を赤らめさせて言った。
どこに照れる要素があったのか、目的地に着くまで空進は首を傾げ続けていた。
「ここがヌメーバが大量発生している場所だな」
空進が考え事をしているうちに、目的地に着いたらしい。空進は大地の声で気が付いた。
「緑色の何かが、森の入口付近で跳ねてるね」
空進はその物体を指さしながら言った。
早速鑑定してみる。
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緑ヌメーバ:Lv3
≪風属性≫
・つむじ風(初級攻撃)
体内にある核は、とても高く売れる。
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「それを上手く取る方法ってないのか……?」
大地は、頭を抱えながら言う。
「……それなら、気付かれないように近づいて、気付かれないように核を抜き出せば倒せるし、核も取れるよ」
フロリィは大地と空進にアドバイスした。
フロリィの≪鑑定≫のレベルは10である。つまり、核をどう取るかまで細かく見ることができるのである。
「そんなこと、できるわけないじゃん……」
大地は再度、頭を抱える。
「取ってきたよ」
「はあ!?」
空進は右手に何か赤い丸い物を持っていた。
「これがヌメーバの核だ」
おそらく空進は、先ほどフロリィが言ったことを普通に実行してきたようだ。
大地はヌメーバがいたであろう場所を見る。そこには、ヌメーバだったものだろう、ゼリー状の物体が落ちていた
なぜそんなことが普通にできるのか?空進だからである。
「あ、僕のレベルが一つ上がった」
「よかったな」
「うん……じゃない!どうやって取ってきたんだよ!?」
大地は空進に向かって剣を振るう。
空進は核を袋に入れると、剣を避けながら説明する。
「普通にだな、そろりと近づいてひゅっと入れてそっと掴んでさっと抜いただけだぞ?」
「どこがっ、普通っ、だっ!」
大地は剣を振るうが、空進には一向に当たらない。
「まあ、まずは一つ目だ」
「次は僕が取ってやる!!」
「分かってると思うけど、失敗は許されないからな」
空進は先に、大地に釘を刺しておく。何をするか分からないからである。
~森の中~
「ところで、いくつ回収したっけ?」
大地は息切れしながら空進に聞く。
「えーっと、大体78個だな。倒したのも78体だし」
「…………順調だね」
分かっていると思うが、空進は全く疲れていない。二人を追いかけているフロリィは若干疲れているが。
「まあ、あとおよそ20体だから頑張れ……よっと。また一つ回収したぜ」
「くっ」
大地はとても悔しそうだ。
ところで、今この二人は何をしているのかと言うと、空進と大地、どちらが多く核を回収できるか。数を競っている。
今の記録は、大地が39個で、空進が40個だ。
空進は手加減している。なぜなら、人の成長を邪魔するのは、空進は好まないからである。
ちなみに大地のレベルは、先ほどから3位上がった。空進のレベルは6である。大地は、まだ空進に追いつけないことが悔しいのだ。
ちなみにフロリィはというと……。
「どうしよう…………」
二人に援護するはずが、動きが速すぎて援護できずにいた。大地は≪俊足≫、空進は(抑えられているが)元々の速さで動いているからだ。
「僕も回収したぞ!」
40対40。
二人の勝負はまだまだ続く。
カルシュ・インジュ「「後書きを乗っ取る会、始まるよー!」」
カ「今回は、三人が依頼で出かけてしまっていますから、私とインジュで担当しまーす」
イ「わーい(*´▽`*)」
カ「と言いましても、カラス様たちは毎回こんなことをしていたんですねー」
イ「そうみたいだね」
カ「なんで呼んでくれなかったのでしょう……悲しいです」
イ「ねえカルシュ?忘れているかもしれないけど、ゲストとして呼ばれたことあるんだよ?」
カ「そうでしたっけ?」
イ「そうだよー。忘れちゃったの?」
カ「はい、忘れました」
イ「もしかして、カラスに負けたこと、根に持ってる?」
カ「何のことでしょう?」
イ「根に持って「何のことでしょう?(カ)」」
イ「根に「何のことでしょう?(カ)」持ってるんだね」
カ「悪かったですね」
イ「じゃあ、帰ってきたら倒せるように、今から作戦でも立てようか?」
カ「そうします」
イ「じゃあわたしたちはこれから作戦立てるから、今回はここまでだよ」
カ「次回はしっかり、三人がやってくれると思います」
カ・イ「「ではまた次回、お楽しみに!!」」