二人のゆうしゃは旅に出る準備をする 奴隷編
読んでくれると嬉しいです。
ブックマークありがとうございます!!
長く間を空けてしまってすみません!!
ちょっと長いです。
誤字脱字等ありましたら指摘お願いします。
ちょっと忙しくなるので、更新が一週間に一度かもしくは二週間に一度になってしまいます。すみません。
「なあ、カラス」
「今度は何だ!?」
カラスは、MPが0だということが指摘されてからずっと、この場にいた全員から質問攻めにあっていた。
だが、ここにいる全員はなにかを忘れてはいないだろうか。
旅の準備である。
鬼魔王に侵略されそうになっているのに、こんな呑気なことをしていていいのだろうか?
バタンッ!
と、広間の扉が勢いよく開き、1人の人物が入ってきた。
よく見ると人間ではなく、獣人だった。頭に犬耳が生えている。髪は銀色だが、犬耳だけ白色だ。
「カルシュちゃんの魔力が無くなったという知らせを受けて、急いで来ました!!」
「インジュ、遅いですよ!!」
インジュと呼ばれた犬獣人は、犬耳をぺたんと伏せて申し訳なさそうに言った。
「カルシュちゃん、ごめんなさい。わたしが遅かったばかりに……すでに霊体になった後だったなんて」
「死んでないです、生きてます」
「わたしは何ていう過ちを犯してしまったのでしょう!」
「インジュ、聞いてます?」
「今すぐ責任をとって、自分の貞操をどこの誰とも分からない馬の骨に捧げにきゃん!?」
「インジュ、少し黙ってくれ。勇者の前だぞ」
暴走しかけていたインジュを止めたのは、ゲルマヌだった。
「ゲルマヌ、生きてたの?」
「おれはまだそんな年じゃないし、カルシュも生きてるからな。何を勘違いしている?」
「だって、魔力が無くなると死んじゃうって、私の友達の弟の息子の幼馴染みのお父さんの姉の友達が言ってたって、私の叔父さんが……」
「それは明らかに怪しいと思うのですけど」
「さっきも言ったが、勇者の前だぞ。落ち着け」
ゲルマヌに2回も注意されたインジュは、始めてカラスとダイチがいることに気づいた。
インジュは二人を上から下までまじまじと観察する。
「あ、二人とも初めまして。インジュ・シルベリーワイトだよー。こう見えて、元々奴隷だったんだよ」
インジュは馴れ馴れしく自己紹介をした。したのはいいが、何かさらっとすごいことを言ったような気がする。
「奴隷だって?」
カラスは驚いた。
インジュは誰から見ても奴隷らしくない格好で、普通に白を基調としたワンピースを着ていたのだ。
「この世界には奴隷というものがあるのか?」
カラスがダイチの変わりに聞く。本当は、こういうときはダイチが聞くのだが、ダイチは奴隷という言葉に衝撃を受けていた。
そもそもダイチは、異世界関係の小説は読み始めたばかりで奴隷が出てくる小説は全く読んだことが無いのだ。だから耐性もないし、見たこともない。
「あるよ。まあ、奴隷だったっていう証拠は長く時間がたつと消えちゃうんだけどね」
「奴隷の証拠?」
「うん。奴隷の方は、右肩に奴隷紋と呼ばれる印があるの。だけどほら、わたしにも消えかかってるけどあるでしょ?」
インジュは着ている服をずらし、右肩を見せた。そこには剣に蛇が二匹、両側から噛みついているようなあざがあった。薄くなっているため、そう見えただけかもしれないが。
「奴隷だったって言ってたけど、どうやって奴隷から解放されたんだ?」
カラスは聞く。実は内心、「なんか嫌な予感がする」と思っているのだが、顔には出さないようにしている。
「実は奴隷紋って呪いの類なんだよね、偶然出会った白髪の幼女に解いてもらった。名前は確か……ディクスだったかな?」
「なあインジュ、それ3人で秘密にしようと約束しなかったか?」
「秘密?秘密ってどういうことですか?」
自分の思考から復活したダイチは、ゲルマヌとインジュに聞いてみた。
「インジュ、話してしまってもいいのか?これはお前が決めることだぞ」
「話しちゃうよ。だってこれはわたし三人がパーティを組んでた時の話で、もう昔の話だもん」
「じゃあ何かあったら、インジュが責任取ってくださいね」
3人は何やら話していたが、カラスは焦っていた。
ディクス。その白髪の幼女は、彼の母親だからだ。
そしてインジュの話を聞くと、ほとんど彼の予想通りだった。
彼女たちは旅の途中、偶然異世界の神、ディクスに出会い、呪いを解除してもらったようだ。
「(呪いを解いてもらったと言っているが、それはおそらく母さんの≪常識外し≫の一つだろう。俺が抜け出しても、自分が元々持っていた≪常識外し≫は使えるって言っていたからな。リハビリしなきゃいけないけど。奴隷の呪いが解けたのは、母さんの≪常識外し:呪解≫の力だろうな。ただ、母さんが神ってどういうことだ……?)」
カラスが耳を疑ったのは、ディクスが神だったということだ。
彼は元々ディクスの中にいたため、ある程度の記憶は共有している。
だがそれはある程度であって、すべての記憶というわけではないということに気付いていない。
「そういえば、あなたたちはこれから旅に出るんだよね?奴隷は買っておいた方がいいよ?裏切らないし、命令は絶対に聞いてくれるし、逆らわないし、逃げないし……」
奴隷の説明をしているインジュは、段々目が据わってくる。きっと当時のことを思い出しているのだろう。
「まあ奴隷によって色々あるけど、一番は裏切らないことだね。中には、主人を殺そうとしてくる奴隷もいるからね……当時奴隷仲間だった子は、結構殺気立っていたから」
経験談を語るインジュ。目は据わりっぱなしだ。
そんなインジュにカルシュは言った。
「まあ、偶然出会った神様に呪いを解いてもらってよかったじゃないですか」
「それもそうだね!」
カルシュの言葉にインジュは元に戻った。隣でゲルマヌは肩をすくめている。
「あなたたちも、そんな神様に出会えるといいね」
「はい」
「おう(それ、俺の母さんだけどな)」
インジュは応援してくれたが、カラスはディクスが自分の母親だということを黙っていた。
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「ということで奴隷を買いたいんだが」
「あ、召喚された勇者殿ではないですか。どんな奴隷をご所望ですか?」
ダイチとカラスは町の奴隷商に来ていた。ヘリム王曰く、この町に奴隷商はここ一軒しかないらしい。二人はヘリムからお金を渡され、買ってくるように言われた。
ヘリムにもらった地図を頼りに歩いていくと、暗い路地裏にそれはひっそりとあった。
奴隷商の人は若い男性だった。名前をランタ・ゴヴァンダ・カベアというらしい。こっそり教えてくれたが、奴隷商の人間は名と姓の間に絶対、『ゴヴァンダ』を入れなければならないらしい。だから本名は、ランタ・カベアというようだ。
「ん、そうだな……ダイチはどんなのがいいんだ?」
「は?僕が決めるのか?」
「そりゃそうだろう。勇者様?あ、ランタさん。俺は勇者のおまけみたいなもんだから気にしないでいいぜ」
「そ、そうですか」
ダイチは奴隷を買うことに戸惑いを見せていた。
ランタはカラスの突然のカミングアウトに苦笑いをしていた。どう反応すればいいのか分からなかったからだ。しかしさすがプロと呼ぶべきか。そんな彼の言葉にもランタは少しも動揺した様子は見られなかった。
「さて、どうされますか、勇者様?」
「じゃあ、一番安い奴隷を一人。できれば女の子がいいです」
「種族はどうします?」
「種族ってなんだっけ?」
「ダイチ……流石にそれは忘れちゃいけないものだろう?」
種族を忘れてしまったダイチに、種族の種類を教えるカラスでした。
しばらくお待ちください…
説明が終わりました。
「でもって、俺はどの種族にも入らないから、不明てわけだ」
「なるほど。どおりで」
「あんた、種族不明だったんですか?旅の途中で気を付けてくださいよ?」
「なんだ?嫌われているのか?」
「いえ、違います」
ランタ曰く、種族が不明の者は所謂実験の対象にされたり、奴隷として攫われて売られてしまったりオークションに出されてしまったりされるようだ。
さらに詳しく教えてもらったが、種族に不明が出る者は限られているらしい。例えば、人間と獣人のハーフだったり、獣人と魔族のハーフだったりと、別の種族との間にできた子供に限られている。
「俺は違うけどな」
空進は否定する。彼はこの世界の生まれではないからだ。
「じゃあますます気を付けなければいけませんね。純粋な種族不明なんてそう簡単にいるわけじゃないですからね。前回私が見たのは、白髪の少女で名前は何だったかな……?まあいたんですよ。純粋な種族不明が。まあ彼女は強かったですよ。遠目からでも襲ってきた者を撃退していくのが見えましたからね」
「……殺してないよな?」
「いえ、死人もでましたよ。毒が塗られたナイフで刺した者だけですが……」
「そうか。オチは何となく想像できるから後はいいや」
「え、これからがもっと面白いところでしたのに……」
ランタは熱く語っていたせいか、カラスの言葉を聞いてとても残念そうな顔になっていた。
「ランタさん。種族は妖精でお願いします。」
「かしこまりました。ではついてきてください」
大地の言葉にランタは頷くと、懐から鍵の束を取り出した。そして、店の奥の扉を開けて中に入って行った。二人はランタについていった。
中はひどい環境だった。
じめじめしてコケが生えている。かび臭いところもある。奴隷は檻の中に閉じ込められており、唸り声や叫び声をあげている。
カラスは平気な顔をしているが、ダイチは違う。彼は心が痛むのか、辛そうな顔をしていた。
「ダイチ、戻るか?お前には君にはまだ早い」
カラスはそんなダイチの顔色を窺って聞いた。
「いや、こういうことを経験しておかないと、後で今みたいな状況になったときみっともないから……」
「そうか。我慢できなくなったら言ってくれ。君は俺と違って平和な世界にいたんだから」
「…………」
ダイチは無言でランタについていった。
彼が横を見ると、檻に入れられていた角の生えた一人の男の奴隷と目が合った。
「おい!そこのガキ、この俺を助けろ!!」
男は檻から片手を出してダイチに助けを求めた。彼は反射的に飛びのいたため、その手に掴まれることはなかった。
明かりに照らされた男の頬はこけ、骨ばっていた。皮膚もガサガサになっていた。
「いや、僕は……」
「助けてくれたらなんでもする!!そうだ。お前を大金持ちにしてやろう、広い領地もやろう、どうだ!!だから俺を助けろ!!」
男の叫びに反応したのか、周りでおとなしくしていた他の奴隷たちも叫び始めた。
「あんたは黙ってな!あたしはそこの坊や二人に遊んで暮らせるような金を渡せる自信があるね!!」
「何を!俺様は城のような家を建ててやる!!」
「わたくしは国の一部を差し上げますわ!!」
「俺の方がすごいぜ!なんたって「うるさいな……黙っていろ……!」」
「「「「――っ!?」」」」
ギャンギャンと喚く奴隷たちの言葉に耐えきれなくなったのかカラスの呟きに、騒いでいた奴隷たちが静かになった。どこからか唾を飲み込む音が聞こえる。ダイチからだったのかもしれないし、ランタからだったのかもしれない。
カラスは周りが静かになったのを確認すると、ランタに言った。
「ランタさん、今なら大丈夫だ」
「あ、ああ……」
ランタは何が起きたのか分からないという顔をしていた。
通路の一番奥に、一つの牢屋があった。
中には黒い髪と黒い薄い羽根を持った少女がいた。具合が悪いらしく、座り込んでいた。
「こちらでございます」
ランタはこの奴隷を紹介した。
名前はフロリィ。姓はあるようだが、わからないらしい。そして種族は妖精のようである。
「奴隷になってからこの子は話さなくなってしまってですね、名前と年齢と種族だけは分かったのですが、他の情報は得られなかったんですよ。得意な魔法の属性も神名も年齢も分からいんです。そして奴隷になったショックで話さなくなったために売り物にはならないし、私たち奴隷商が出す食事にも手を付けてくれません。おかげでこの子は病気になってしまいました。この子はこの店で一番安い子ですが、どうしますか?」
「ダイチ、どうする?俺は別にかまわないんだが」
「ちょっと考えてみる……」
大地はそういうと、黙り込んでしまった。
ランタはカラスにそっと寄ると、内緒話をするような小さな声で話しかけてきた。
「カラス殿、先ほどの気配はなんですか?胸が苦しいような感じがしました」
「さてな」
「いやいや、絶対にあなたですよね?」
「ランタさん、この子でお願いします」
「鉄貨一枚です」
ダイチは決まったらしく、フロリィを買った。
買った奴隷は、奴隷契約をしなければいけないらしく、大地が契約することになった。
空進はしないらしい。理由は教えてくれなかった。
「またのご来店、お待ちしております」
こうして2人は、奴隷を買ったのだった。
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ダイチたちは奴隷を連れて、城に戻ってきた。
「何だそいつは?」
門の兵士たちに嫌な顔をされたが、ヘリムに言われたということを伝えると、フロリィも通された。
「早速じゃが、インジュとカルシュはその子の治癒を頼む」
「「分かりました」」
帰って来て早々にフロリィは、病気の治癒をするために別の部屋へ連れていかれた。
「あれが妖精か……初めて見たな」
それを見送りながら、ゲルマヌはそんなことを呟いた。
そんな呟きに、大地は気になって聞いてみた。
「ゲルマヌさんは妖精を見たこと無いんですか?」
「ああ。妖精国には旅をしていた時も行ったことが無かったからな。ダイチ殿の世界では妖精はいるのか?」
「いえ、神話などに出てくるだけで、本当にいるかどうかは分からないです」
「そうか……」
フロリィが治癒を受けている間に、この世界の貨幣の説明をしておこう。
この世界の貨幣は、白貨、金貨、銀貨、銅貨、鉄貨、赤貨の六種類に分けられている。
基準は、
白貨一枚=金貨千枚
金貨一枚=銀貨千枚
銀貨一枚=銅貨千枚
銅貨一枚=鉄貨千枚
鉄貨一枚=赤貨千枚
である。
赤貨とは、鉄貨が錆びて変色した物ではなく、赤く透き通った物である。この赤貨の原石は、どこにでも転がっているわけでもなく、とある場所だけにあるのだとか。
「フロリィ様、待ってください!まだ治癒は終わっていません!!」
フロリィを待っていると、広間の扉が勢いよく開かれ、フロリィが逃げるように入ってきた。
フロリィの目は据わっている。
「やめて……来ないで…………助けて…………」
どうやら錯乱しているようだ。
カラスとダイチの2人は急いで≪鑑定≫した。
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フロリィ・???
≪隠蔽9により鑑定不可能≫
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≪隠蔽9≫によって鑑定が防がれてしまった。
と、同時にフロリィは何かを詠唱し始めた。
「≪闇を創る者、闇を守る者、闇を壊す者、闇を喰らう者、我は請う、この場に闇からもたらされる破壊を、盛大なる崩壊を≫!」
闇属性の魔法……しかも、詠唱が長い。
それを聞いたヘリムは、部屋にいる人間に向かって叫ぶように言った。
「大変じゃ!あれは闇属性超級魔法じゃ!!あれをくらったらひとたまりもないぞ!!早くここから逃げるのじゃ!!」
「――≪闇世界≫」
唱え終わるのと同時に、広間は黒い霧のようなものが立ち込め始めた。
この広間にいたヘリム、ガリム、ゲルマヌ、カルシュ、インジュ、ダイチは逃げる準備をしたが、カラスだけは逃げなかった。
「何をしているのですか!?死にたいのですか!?」
「いや別に?早くしないと死ぬよ?」
「それはこっちの台詞ですよ!死んでも知らないですからね!!」
カルシュはカラスを心配して言ってみたが、彼は全く取り合わなかった。
「(さて、あれは闇属性超級魔法といったな……光属性だとカルシュにばれるから、ここは無属性でいくか)」
カラスはカルシュたちが広間から出るのを確認すると、無属性の魔法を使い始めた。
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カラス・マワタリ
Lv.1
HP:1000/1000(???/???)
MP:100/100(10000/???)
#?*(GP):???/???
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先ほどこっそり、自分のステータスを確認したところ、MPが増えていた。
「(なんでかは分からないけど、得したぜ。じゃあちょっと一発、やってみようかな)」
カラスは目を閉じた。
思い浮かべるものは『無』。あらゆるものを無効にする巨大な魔法陣。この広間の床、天井、壁、ありとあらゆる方向からこの部屋を包み込む。
「(さて、MPが足りるかな……?)」
彼は想像する。死の無い世界。フロリィが死なない最善策を。
そして目を開く。部屋には濃密な黒い霧が漂っている。すでに周りが見えないほどになっている。
「(無場!)」
実はこれは、無属性神級魔法なのだが、カラスは知らない。
彼の持つ≪ローレの加護≫とは、ローレ本人に会っても簡単には取得できないもの。なぜ彼が持っているのか?なんでだろう、不思議だね。
カラスは隠しているが≪魔法無詠唱≫のスキルも持っている。だから、一々詠唱しなくていいし、想像して念じれば魔法を発動することができる。実はこれは、彼だけが持っているスキルではない。熟練の魔術師も持っているスキルである。
広間中に張り巡らされた巨大な魔法陣が、部屋を包み込む。そして段々中心に向かって狭まってくる。結界が空進を通り抜け、フロリィを通り抜け、黒く濃密な黒い霧を包み込みながら小さくなっていく。最終的に小さく凝縮した結界が空中に霧散するのと同時に、フロリィは床に向かって倒れこんだ。
「おっと……」
カラスとフロリィの間には大体20mの距離がある。
だが≪力封隠の髪留め≫をしているにも関わらず、目にもとまらぬ速さで音もなく近づいた空進は、フロリィを優しく抱き留めた。
「やれやれ……」
フロリィは気絶していた。先ほどの闇属性超級魔法の反動だろう。
カラスは苦笑いして、しばらくフロリィを支えていた。
その後、外まで避難したが一向に何も起こらないため戻ってきた6名は、様子を見に戻ってきた。カルシュだけは広間に僅かに残る不自然な魔力に首を傾げていたが、それよりもカラスが気絶したフロリィに手を出そうとしているものだと勘違いし、カラスがその誤解を解くのに数時間も必要としたのは言うまでもない。
空「後書きを乗っ取る会だ」
大「なんかどうした?いつもはもっとテンションが高いのに」
空「いや……大学生ってどんな生活かなーって」
大「そもそもお前は学校に通ったことがあるかどうかも怪しいんだが……いやそもそも僕はまだ高校生だし、大学に行かないで実家の農業手伝うつもりだったし」
空「怪しいって言うなよー。俺の世界は学校なんてもの無かったんだからさー……そもそも行ける年齢じゃねえよボソッ……」
大「ん?よく聞き取れなかったな」
空「いや、なんでもない。そういや、それならダイチはあとちょっとで卒業だったってことか?」
大「そういうことだ。まあ卒業したらしたで、ちょっと寂しくなるけどな」
空「何だよ、好きな人でもいたのか?それか恋人でもいたのか?」
大「さあな」
空「ふーん。まあ深くは聞かねぇよ。興味は無いし」
大「いや、お前のその目は興味深々ですって言っているようにしか見えないぞ」
空「ちっばれたか」
大「今回はゲストがいなかったな」
空「そうだな。というかいたんだけど、ちょっとお菓子買いに行ってくるとか言って戻ってきてないんだよね」
大「誰だよ」
空「……インジュ・シルベリーワイトだ」
大「ああー」
空「だから今回は話題が大学についてだったんだよ」
大「悪かったな、いい答えが出せなくて」
空「いいんだよ。ちょっと興味が出たからな。君の世界に」
大「そうか……」
空「そんな寂しそうな顔すんなよ、もっと楽しくいこうぜ!せっかくの異世界なんだしさ!」
大「うん……」
空「え、ちょ!?泣きそうにならないでくれる!?俺が悪者みたいじゃん!!ああーもう!今回はこれで終わりだ!また次回!!」
インジュ・フロリィ「「またねー!!」」
空「どっから湧いてきた!?」