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異世界遊者~異世界に召喚されるのは一回だけじゃない!!~打ち切り  作者: 咲日彩 椋
一世界目 ~召喚された世界を勇者と救う(?)話~
1/39

プロローグ

呼んでくれると嬉しいです。


誤字脱字等あったら指摘お願いします。


2017/5/1…不老不死についての説明を追加しました。後々の話の内容に支障が出てくるので。

 1つの世界に黒い髪を持つ男性と、白い髪を持つ女性と幼女、そして空色の髪と虹彩を持つ青年がいる。

 青年の髪は長いため、後ろで縛られてポニーテールのようになっている。身長は大体165cmだと思われる。


「900歳の誕生日、おめでとう!」

「いやー、ついに俺たちの娘と孫が900歳かー。まあ、俺たちはもう1万を超えたあたりから数えてないがな。はっはっはっはっはっ!!」


 女性と男性はそれぞれ祝福の言葉を2人に言う。

 幼女の方は喜んでいるが、青年の方はあまり喜んでいないように見える。


「どうしたんだ、クー?なんでそんな不満そうな顔をしているんだ?」


 クーと呼ばれた青年は、男性に向かって答える。


「いや、俺が900歳ってことにまだ実感がわかなくてな……だって俺、3年前に産まれたばかりなんだぜ?」


 クーに実感がわかないのは無理もない。実際に彼の言う通り、彼は3年前に産まれたのだ。

 今ここにいるクーと幼女は、ゼロデビルスという(つの)が無く容姿が人間に近い『鬼』である。この世界、『ゼロノクロセカイ』で産まれたため、ゼロデビルスという名前が付いたらしい。


「確かにのう……朝目が覚めたら、隣に見知らぬ男がいたのじゃ。あれにはびっくりしたわい。後から聞いたところ、こやつはわしから産まれ、しかも自分を空鬼だと名乗りやがったのじゃ。確認してみると空鬼の人格が抜けておった……わしにも何が何だかさっぱりじゃったわ」

「現に、殺鬼の人格が抜け出ちゃってるからなー。空鬼とか他の人格が外に産まれてもおかしくないんじゃない?」


 頭を抱える幼女の言葉に男性は顎に手を添えながら言う。


「いや父上、それは現実になってしまっては困るのじゃが……いやでも、召喚されそうになることから逃げられるのであれば、いいかもしれんの……」

「待て母さん、今俺のことについてとても重要な言葉が聞こえたんだが?」

「何のことじゃ?」


 ぽろっと漏らした幼女の言葉に、クーは聞き返した。クーの問いに、彼に母さんと呼ばれた幼女は目を逸らす。


「……実はじゃな、間渡空進(まわたりからす)よ「この世界じゃその名前で呼ばないって昨日約束しなかったか?」」「…………」


 『間渡空進』とは、クーがこことは別の世界で生活するときのために付けられた、もう一つの名前である。


「……実はじゃな、クロス・エスペイチューム・クー・オーガよ「だからと言ってフルネームで呼ばないでよ!」」「…………」


 『クロス・エスペイチューム・クー・オーガ』とは、クーがこの世界にぴったりとくっつく、もう一つの世界に住むことを前提にして付けられた名前である。


「……オマエに話さなければならんことがある」

「何事も無かったかのように話し始めただと!?」


 クーはリアクションを取るが、何事も無かったかのようにスルーされる。


「ゼロデビルスっていうのは、鬼型1つ1つに『常識外し』という能力があっての」


 『常識外し』とは、簡単に説明すると「常識という概念を無視する力」である。


「でだ。オマエの力はじゃな……異世界遊者という力なのじゃ」

「イセカイユウシャ?」

「『異世界を遊び歩く者』という意味じゃよ。簡単に言うと、ありとあらゆる世界を渡り歩くことのできる力じゃ」

「なんだそれ……便利だな」

「ただし、行ったことのある世界限定で」

「…………」


 幼女の言葉にクーは若干凹んだ。


「ディクス。そこまでにしておいた方がいいよ」


 女性が幼女に向かって言う。

 ディクスと呼ばれた幼女は、女性の方を向くと涙目で言った。


「だ、だって母上!クーが抜け出さなければあの力はわしの力のままじゃったのじゃぞ!でもクーが抜け出ちゃったから…………」

「渡れるだけじゃなく、召喚される目に遭いやすい力でもあるの忘れてない?」

「ばあちゃん……重要な言葉が聞こえたぞ……」

「気のせいだな」

「じいちゃんまで!?」

「ところで、あの幼女姉妹遅いなー」

「そうだね、遅いねー。あの幼女姉妹」

「母上、父上……幼女幼女って連呼しないでほしいのじゃが……」


 幼女(ディクス)は涙目で2人を睨んでいる。


「母さん、幼女って呼ばれたくないなら幻術使えば?」

「クー、ゼロデビルスの体の構造は母上と父上と同じことを忘れておらんかの?的になってくれるのならやって見せてやっても良いが……」


 ディクスはクーに向かって、殺気を向けている。


「もともとあった力は、鬼型が無ければできないだろ。あっはっはっはっ――」


サクサクッ!!


「おい!?」

「『殺刃気(さつじんき)・サッキ』じゃ。オマエもわしの中にいたんじゃから、この力くらい知っておるじゃろう?」


 ディクスが殺気を強めると、クーの両腕が切れた。それはもうきれいに……。


「母さん、鬼型が無くても使えるじゃん……」


 クーは両腕を治しながら呟いた。

 ゼロデビルスは、意識の中で戻れと念じれば身体が修復されるという能力を持っている。不老不死の能力も持っているが、この二つの能力はゼロデビルスにとって、全く別のモノである。

 余談だが、ゼロデビルスが持つ不老不死は、一般的に言う不老不死とは別の物でもあったりする。


「まあの。まあ鬼型を失っても、使える力は使えるらしいのじゃ」

「それって、俺の力も残ってたら召喚に巻き込めるってことだよな?」

「はっ!」


 いきなり地面が光りだした。


「えーっと?」

「安心するのじゃ。ケーキはわしが食べておく!じゃから、頑張って戻ってくるのじゃぞ!!」

「何のこと!?」

「召喚されるんじゃよ。頑張ってこい。幸い、闇術と魔法はわしの記憶から学んだじゃろう?じゃから、もし何かあっても自分で切り開くのじゃぞ!!」

「安心できねえ!!」


 この言葉を最後に、クーは意識を手放した。

空「後書きを乗っ取る会、始まったぜー!」

デ「そうじゃなー」

空「あれ?母さんなんか元気ないな……まさか、ばあちゃんたちが幼女とか言ってたの、まだ気にしているのか?」

デ「いや、誰のことかオマエも分かっていると思うのじゃが……」

空「いや、分かってるけどな……母さんはまあ、かわいいと思うぜ?」

デ「それは小さいからっていう理由かの?」

空「いや違うから!なんで笑顔で殺気を強く――あ、駄目だってやめろ!やめ――ッ!!」サクサクッ!

デ「ではまた次回。次は誰が担当するか分からんが、楽しみにしてるのじゃ!」

空「またなー!」

デ「クー、腕の治り早いのう。もう一発いっとくか?」

空「それは勘弁!!」

デ「いや、次回まで時間があるし……のう?」

空「やめろぉぉぉおおおお!!」

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