表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の愛娘  作者: 春秋
2/7

出会い

真っ青な空。ざわめく人々の声。数えきれないほどの人々が行き交うナイトーラ国王都の主道の一つカグナレ。

人々の中をみすぼらしいフードを着た子供が頼りない足取りで歩いていた。

何かを探しているのか、辺りをキョロキョロと眺めている。


ドサッ。


人にぶつかり、子供は自分の体を支えきれずによろけ、尻餅をついた。

行き交う人々は自分の事に忙しく子供を気にかける者はいなかった。


ペロッ。

思わず頬を流れた涙を何か温かな物が舐めた。

驚いて見ると隣にいたのは、茶色のふさふさとした毛を持つ犬。

「大丈夫か?坊主」


声をかけたのは、主道に店を出している店主。

頷いた子供に店主は手招きをした。

子供を守る様に犬は少し先を歩いた。



「怪我はないか?」

確かめる店主に子供は頷いた。じっと店主の顔を見た後、子供は堪えきれない涙を溢した。

「おじさん。俺、妹を捜してるんだ」

半分涙のにじんだ声で子供は訴えた。


「拐われたのか?」

同情した様に店主は尋ねた。


「俺、近くにいたのに、守れなかったんだ」

ぎゅっと手を握り締め、拳でぐいっと流れ始めた涙を拭いた。


「父さんも母さんも兄ちゃんも皆、もう見付からないって諦めてるんだ。絶対、妹は生きてるのに」



悔しそうに子供は言った。


「誰も見てなかったのか?」

「…馬車を見たんだ。妹がいなくなった時に。父さんも母さんも信じてくれなかった」



優しい犬の主は?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ