召喚者と召喚獣のファーストコンタクト
「と、いうことなんですっ! お願いしますっ!」
少女が少年に頭を下げる。その顔は真剣そのものだ。少年は微笑むと少女へと告げた。
「お断りします」
「どっどうしてですか!? こんなにも真摯に必死に熱心にお願いしているのに!?」
少年の言葉に、少女はこれ以上ないほど慌てふためいている。どうやら、断られるとは夢にも思わなかったらしい。
「ここは、『分かった。僕で良ければ力になるよ』とか言う場面でしょう!? というか、言うことを聞いてもらえないと私の立場上とっても困るんですけど!?」
「ここで快く聞き入れるのは空想上の人物だけだ! 第一、お前が困ろうと僕には関係ない!」
動揺した様子の少女を手ひどく突っぱねる。少しひどいかもしれないが、少年からすればその少女の『とんでもないお願い』を聞き入れるわけにもいかなかった。
「確かに関係ないかもしれませんけど……そんな言い方しなくてもいいじゃないですかぁ……」
さすがに言い方がきつすぎたのか、とうとう少女がべそをかき始める。
もともと可愛らしい顔つきをしていたし、涙目のその少女を普段の少年が見ていたら多少は胸をときめかせていたかもしれない。だが、彼は突然の状況に困惑しており、それ以上に少女の『ある言葉』が頭にきてそれどころではなかった。
「それになんなんだよ……僕が………召喚獣って!!」
初めまして。黒太と言います。拙い文章ですが、生暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。