白き魔界へ
ふと目が覚めると、暖かな白い光に包まれた見知らぬ部屋の真ん中にいた。
どこだここは……?
どういうつもりで俺を生かしたんだ……?
モフンモフん
…………??
この感触は…………前世に触れたことがあるぞ!
『ひとを怠惰にさせる』というキャッチコピーで大バズり!売れに売れた神アイテム!!
あの有名なふかふかのクッションではないか!?
ってことは、今俺は前の世界に赤子の姿のまま帰ってきたのか?それで、ベビーベッド代わりに寝かされているってことなんだろうか?
もしそうなら、赤子的に最高ランクをやってもいいクッションではあるが、沈みすぎないかだけ少し不安だな。
いや、待てよ。赤子のままの時点で前の世界ではないか。
現実逃避くらい許してくれ。混乱しているんだ!
「うぅぁ(とりあえず、現状を整理しないと)」
ひとまず俺を連れてきた人間は、あいつらではないな。
しかし、足りない。
なんでもいい。情報が欲しい。
母様と父様はどうなったのだろうか。
奴等にやられた者たちは、魂まで縛られてしまうと聞いたことがある。だけど、どうにか魂だけでも神界へ昇っていてほしい。神界には本物の神様がいるらしいんだ。
ある時から突然、下界に現れなくなったらしいが……。
少ししか一緒に入れなかったけど、俺は無力すぎたけど!
それでも……確かに無限の愛情をくれた人たちなんだ。
せめて、死後の世界は幸せであってほしいよ。
仇は俺がいつか必ずとってみせるから。
だから……
ガチャ
「お?赤子よ。漸く目が覚めたか」
「泣かぬからなかなか気付かなかったぞ」
!?
!?
ドアのところから瞬間移動したかのように、俺の側までやってきて、俺のことを覗き込む黒の大男。
俺はお前に泣きそうなんだが!?
大人だからこらえてるんだ。
いや、今はか弱き赤子だから、泣いていいのか!?
俺、ホラーとか無理だしこわいんだが!!??
まじ泣きそう……。
ごほん。すまない荒ぶった。
突然俺の目の前に現れたのは、漆黒の軍服のようなものを着た大男。
勇気を出してよくよく顔を見てみると、長い髪を首の下で一つにまとめた、大きく鋭い赤の瞳、歯は鋭く尖っていて、頭の上には大きく太い2本の角を持った恐ろしく美しい男が立っていた。
「うーうぁ!?(誰だ?)」
「うぁんうぁ!(俺をどうする気だ!)」
俺は食べても美味くないぞ!!!




