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わくらば続編 星辰の光  作者: ヒノマコト
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序章3 誤解



 エレンのことが心配だが、アルヴィはジーンに言われた通り佳姫の嫁の件に集中することにした。といってもアルヴィには出版社の仕事がある。椿とヘイスター教授の補佐程度になりそうだ。

 帰宅して客室を整え、ふと思い立って椿に聞いた。


「ランカに手伝ってもらうのはどうでしょう」


 紡ぐ者の星辰は強大な力を持っている。心強い味方だと思ったが、椿はとんでもないと首を振る。


「毛玉と星辰は仲が悪いだろう。絶対に喧嘩する。ろくなことにならない」

「そうでした。ランカには黙っておきます」


 アルヴィにとってランカは可愛い存在だが、佳姫からは威嚇されてしまう。いつか仲良くなればいいが、今は嫁のことが最優先だ。


「今夜ヘイスター教授が嫁の居場所を特定するんですよね」

「らしいぜ。特定してから今後の方針を決めるってよ。俺が異界のことなんて何も知らないって言ったら、講義しますとか言ってた」

「いつになく教授らしい。それだけ難しい事態なんですね」


 一体佳姫の嫁は異界でどうなっているのだろう。

 佳姫は居間のソファでふて寝している。基本的に賢い精霊なので、今は待つしかないと理解しているようだ。アルヴィはソファに座り、佳姫を抱き上げて膝の上に乗せた。


「佳姫……俺たちが何とかしますよ」


 そう言って撫でていると、椿から奇怪なものでも見るような目を向けられた。


「なんでアルヴィは毛玉を撫でられるの?」

「可愛いからです」

「そいつ化物だぞ」

「いえ、可愛いです」

「……ジーン、助けてくれ……」


 今日の椿はいつになく弱気だ。佳姫に暴れられて余程疲れているのだろう。


「ヘイスター教授はまだでしょうか」


 一旦寮に戻って準備をすると言っていたが、異界へ行くのにどんな準備が必要なのだろう。アルヴィは学生の頃に一度だけ異界へ行ったが、特別なことはしなかったと思う。

 佳姫を撫でながら待機していると、玄関扉の呼び鈴が鳴った。ようやくヘイスター教授が到着したようだ。アルヴィは佳姫を一旦降ろし、玄関へ迎えに行った。


「お待ちしてました。どうぞ居間へ」


 そこでヘイスター教授が大きな鞄を持っていることに気付いた。革製の使い古した鞄だが、過去にこれを見た覚えはない。怪訝に思いつつ居間へ案内した。

 椿はソファに座ったままだが、佳姫はヘイスター教授の足元をうろうろする。早く異界へ行こうと催促しているようだ。

 ヘイスター教授はテーブルに鞄を置き、慣れた様子で鍵を開けた。中には古い羊皮紙やハーブらしきものが入っている。


「ヘイスター教授、これは?」

「危険領域に入る為の素材です。金髪君は異界へ行くのが初めてらしいので、多めに用意しました」


 素材について詳しく聞こうとしたが、椿が割り込んできた。


「待て、俺も行くのか?」

「当たり前でしょう。佳姫はあなたと契約しているんですよ」

「よく分からない。いや本当に」


 椿には精霊や異界に関する知識がほとんどない。異界へ行く理由が分からないようだ。かくいうアルヴィもよく分かってない。ヘイスター教授は面倒そうにすることもなく、淡々と講義を始めた。


「まずは基本的なことから教えます。この世には異界と地上という二つの世界があります。本来この二つは交わることはなく、人間と精霊が行き来することもありませんでした」


 人間は異界を観測するだけだったが、約千年前に状況は一変する。

 精霊王の代替わりで異界が激変し、地上にも様々な影響があった。それを機に異界と地上が結びつき、観測から探索が可能になったのだ。


「人間は霊基の状態で異界へ行くようになりました。ですが異界は根本的に異なる世界、何度も失敗してたくさんの死者を出しました。それでも人間は異界へ向かったのです」


 大人しく聞いていた椿が不思議そうに呟いた。


「なんで命懸けで異界へ行くんだよ」

「異界へ様々な可能性を感じたからです。国を挙げて異界探索をすることも珍しくなかった。そういう歴史の末、我々は比較的安全に異界へ行けるようにかったのです」


 ヘイスター教授は説明しながら鞄の素材を取り上げた。


「これらは異界の物質と地上の物質を掛け合わせたものです。使い方次第では、魔導に似た力を使うことができます。魔石を使うより安定しています。これを量産すれば一般人も魔導を使えるようになります」

「一般人も……? それって凄いことでは」


 ふと思い出したのは学生の頃の会話だ。ヘイスター教授に「一般人が魔力を持つようになったら」という夢のような話をした。するとヘイスター教授は意外なことに全否定した。


「ご存知の通り、人間社会では過去から現在に至るまで魔力を持つ者が特権階級になっています。魔力や魔導とは力そのものです。国を挙げて探索したのは国力に直結するからです。……で、色々省きますが、探索は失敗に終わりました。精霊異界学とは失敗と敗北の記録なんです」


 重要なところを省かれた気がするが、これが精霊異界学の基本らしい。失敗と敗北という言葉は確かに本に書かれていた。大量の死者を出したのに、それに見合った成果がない。それが世界中で起こり、学者たちは辛酸を舐めることになった。


「現在の精霊異界学は観測が中心です。私や銀髪君は気楽に異界へ行っていますが、本来は命懸けの行為なんです」


 衝撃の事実にアルヴィは呆然としてしまった。


「命懸けって、ジーン先輩は息抜きで異界へ行ってましたよ」

「まあ私の教育が悪かったんでしょうね。銀髪君を軽率に連れ回した結果です」

「本当ですよ……何てことしたんですか」


 しかしヘイスター教授を責めきれない。ジーンは異界探索を心から楽しんでおり、周りから止められても勝手に行ってしまう。アルヴィの家に泊まった時も「寝る前にちょっと異界へ行ってくる」と気軽に横になっていた。

 椿もジーンの行動に呆れている。


「あいつもズレているところがあるからな。ヘイスターの影響とはいえ、命懸けのことを平気でやるなよ」


 アルヴィも過去を思い出して青褪めてしまった。


「魔力のない俺を異界へ連れて行ったのは、実はまずいことだったのでは」

「ようやく気付きましたか。あの時は殻の強度実験を兼ねていたんですよ。おかげで良いデータが取れました」

「怖い事実が次々に判明する」


 そういえばあれから一度も異界行きへ誘われたことがない。マヤに寄生されて死にかけたことを気にしているのかと思っていたが、単純に危険すぎたのかもしれない。ジーンが破天荒なのはよく知っているつもりだが、倫理的に少しまずいところがあるようだ。


「で、俺はこれから命懸けで異界へ行くの?」


 椿は素材を見下ろして不安そうにしている。心臓に毛が生えている椿でも異界行きは躊躇するらしい。


「霊基が壊れたら人間は死ぬんだよな? 本当に大丈夫か? そもそもどうやって霊基の状態になるの」

「そこは魔導を使います。それから素材で殻を補強します」

「殻って?」

「霊基を守る殻です。膜と呼ぶ人もいます」


 霊基を殻によって包むことで守るらしい。魔力が多い者ほど殻の耐久力が高く、長く探索ができるそうだ。それでジーンは気軽に異界へ行っていたのだろう。


「魔導を教える前に確認します。金髪君、今日はどんな食事をしましたか」

「食事……? ジーンの屋敷で昼と夕方に食べたけど、パンと野菜が中心だ。何故か肉類は出してくれなかった」

「では簡単な魔導式でいいですね。地上の生物を異界へ持っていくと、殻の構築に悪影響が出るんですよ。特に肉類は影響が強い」


 アルヴィが初めて異界へ行った時も食事内容を聞かれた気がする。殻の構築に影響するのかと感心した。

 ヘイスター教授は魔導の円陣を展開し、椿に同じものを構築するよう指示した。素材はハーブらしきものを使うらしい。


「これはレムス教授が精製したものです。貴重なものなので後日お礼を言ってください」


 アルヴィはしげしげとハーブを見た。色も形もローリエによく似ているが、地上と異界のもので作った特別製らしい。


「俺がマヤに寄生された時もハーブを使いましたね。あれも貴重なものだったんですか?」

「それはもう貴重な品ばかりですよ。この国でハーブの精製ができるのはレムス教授だけですから」


 アルヴィは一瞬固まり、困惑しながらヘイスター教授を見上げた。


「レムス教授だけ? ハーブの精製は難しいことなんですか?」

「はい。大きな国でも精製できる魔導師は二、三人です」

「……もしかして、レムス教授はすごい人だったりしますか?」

「王国最高学府で教鞭を振るう学者がすごくないわけないでしょう」


 さらりと言われ、アルヴィは衝撃を受けて呆然としてしまった。我に返ると様々な感情が湧いて頭を抱えた。

 ヘイスター教授の言う通り、学院で学位を取得している時点で優秀な学者なのだ。しかしレムス教授は助教だった頃、とても控えめで自信がなさそうに見えた。実際、自分は魔導師として三流などと言って悩んでいた。

 しかしこの国でハーブの精製をできるのはレムス教授だけ。ハーブは貴重な品で、ヘイスター教授の講義通りなら強い力を持っている。


 ――レムス教授は元々三流ではないのでは?

 ――ヘイスター教授に隠れて実力が分からなかっただけで、実際は想像よりすごかったのでは?


 考え始めると血の気が引いた。

 何故こんな単純なことに気付かなかったのだろう。アルヴィは無言でヘイスター教授を見た。


「そうか……俺は無意識にヘイスターを基準にしていたんだ……」


 ヘイスター教授と比べたら誰だって凡人になる。一番身近な精霊異界学者がヘイスター教授だったせいで、アルヴィの感覚はおかしくなっていた。それを今はっきりと痛感した。


「レムス教授に会いたい。そして謝りたい。俺は何という誤解をしていたんだ。ハーブも貴重品だったなんて」


 鼻が曲がりそう、なんて言ってレムス教授を困らせた覚えがある。申し訳なさすぎて土下座したい。一方椿は円陣を展開しながら棒読みで言う。


「アルヴィは鈍いなあ。あの眼鏡、最初からずっとおかしかっただろ」

「おかしいとは……?」

「ヘイスターと一緒にいて平気そうにしてた。体質のことを差し引いても普通じゃない」

「あれは努力で克服したんですよ」

「だから、普通は努力しても無理なんだよ。それなりに優秀じゃないとすぐに限界にぶち当たって終わりだ」


 アルヴィはまた頭を抱え、心の底から叫んだ。


「全然三流じゃない!」


 ここまでくると騙された気分だ。レムス教授が何故自分を三流などと卑下したのか問い詰めたい。すると意外にも椿が真面目に言った。


「本人は本気で三流だと思ってるんじゃない? 学院の中では中の上くらいなんだろ」

「でも学院は王国最高学府で、天才がごろごろいて……その中で中の上は充分優秀ですよ」

「隣にヘイスターがいるんだぞ。この化物と比べてしまったら?」

「うぅ……レムス教授……」


 たまにジーンやエリックから「基準がおかしい」と言われていたが、まさかレムス教授のことまで勘違いしているとは思わなかった。当人も勘違いしているところがもどかしい。否、教授になった今は変わっているだろうか。


「ヘイスター教授、レムス教授はお忙しいですか」

「この時期は誰でも忙しいです」

「落ち着いたら土下座させてほしいと伝えてください」


 レムス教授は困るだろうが、ヘイスター教授と無意識に比べていたことは本当に謝りたい。

 アルヴィは落ち込んでいるが、椿は黙々と異界へ行く準備をしていた。


「肝心なことを聞いていないんだが、契約していると異界へ行かないといけないのか?」

「人間と契約している精霊は、以前ほど異界で自由に動けないんです。式の交換が影響しています」

「式の交換?」

「金髪君、式の交換を知らずに契約したんですか。非常事態とはいえなんて危険な」


 あのヘイスター教授が呆れている。

 椿と佳姫が契約した経緯はだいぶ特殊だった。佳姫は元々大巫女と契約していたが、その大巫女が死に頻してしまい、このままでは佳姫まで危ないということになった。大巫女は佳姫を生かす為、新たな契約者を探すことにした。限りある時間で契約者の条件を満たす者を見つけるのは難しく、異国の者である椿に頼むことになった。詳しい説明をする余裕などなかったのだ。


 精霊が人間と契約するのは、種の進化の可能性があるからだ。契約することで、人間の霊基の中から強い式を探す。交換可能か調査し、可能ならば己の核の式と交換する。そうすることで種に新たな可能性が生まれる。すべての交換を終えるまで約五十年かかると言われており、それ故に若い人間しか精霊と契約ができない。


「人間と契約精霊が一蓮托生と言われるのは、式の交換中にどちらかが死ねば片方も引きずられて死ぬからです」

「あー……そういえばジーンからそんな話を聞いたような……」

「異界で佳姫に何かあれば金髪君は死にます。異界では互いに協力して生き残ってください」

「仕方ねえなあ」


 椿がようやく納得すると、ヘイスター教授はアルヴィに言った。


「私と金髪君はこれから異界へ行きます。身体が無防備な状態になるので、念の為見ていてください」

「分かりました」

「それから、あまり触れないでください。特に金髪君は不慣れなので危険です」


 どきりとした。ジーンが異界へ行った時は普通に触っていた。風呂上がりの時は髪に櫛を入れたり、ソファに横になっている時は少しだけ場所をずらしたりした。あれはまずかったのだろうか。ジーンが何も言わないので大丈夫だと思っていた。

 アルヴィが蒼白になっている内にヘイスター教授は床の上に、椿はソファに横になった。ヘイスター教授の合図で椿が魔導を発動し、眠るように異界へ行った。佳姫は椿の傍らに飛び乗り、気脈へ潜るようにふっと消えた。

 アルヴィは居間に一人残され、深々と溜め息を吐いた。


「今夜は新事実ばかりだ」


 とりあえずジーンには色々と抗議したい。異界行きが命懸けなんて聞いていない。いくらなんでも気軽に行きすぎだ。しかしジーンをそうしたのはヘイスター教授なわけで、ジーンだけが悪いとは言えない。

 あれこれ悩んだ末、のろのろと顔を上げた。


「夕食を作るか」


 これ以上一人で考えても煮詰まるだけだ。だいぶ遅くなってしまうが、二人が異界から戻れば食事にしよう。

 ヘイスター教授なら佳姫の嫁を確実に発見できるはずだ。状況次第では連れ帰ることができるかもしれない。アルヴィはそう楽観的に考えていたが、事態はとんでもなく複雑になっていた。



 ちょうど夕食を作り終えた時だった。


「うわぁ!」


 突然椿が叫びながら起き上がった。異界から戻ったようだが、様子がおかしい。


「な、何あれ、どうなってんの? あれが毛玉の嫁?」


 椿はかつてなく混乱しているようだ。戸惑っていると、ヘイスター教授がゆっくり起き上がった。気脈が揺らいで佳姫も戻ってくる。

 アルヴィは慌てて椿たちに駆け寄った。


「一体何が起こったんですか。佳姫の嫁は無事でしたか」


 椿は佳姫を見つめて呆然とし、ヘイスター教授は何かをじっと考え込んでいる。その横顔がひどく緊張しているように見えて、アルヴィは困惑してしまった。もう一度椿を見ると、青褪めながら呟いた。


「あれは生き物なのか」

「え……」


 椿はようやくアルヴィと視線を合わせ、躊躇いながら言った。


「毛玉の案内で嫁のところに行ったが、光の欠片みたいなものが蠢いていた。そこの窓ガラスと同じくらいの大きな欠片だ。それが広範囲に散らばってる。下手をしたら王都と同じくらいある」


 アルヴィは椿の言葉を必死に整理する。


「ええと、広範囲に大きな光の欠片ですか。ではその領域に佳姫の嫁が?」

「違う」

「え……」

「あれが毛玉の嫁らしい」


 一瞬意味が分からずぽかんとした。整理しようとするが、さすがに情報が少なすぎる。助けを求めてヘイスター教授を見ると、不満そうな佳姫を撫でながら淡々と言った。


「佳姫という種族の特性が、領域と共鳴を起こして特殊な形態へ進化しました」


 佳姫は幻質種の精霊で、姿形は勿論、特性まで夢幻的で形がないと言われている。おまけに空間を歪める能力がある。少し前にマリスで衝突した時、ランカが「何もかも嘘を付いている」と称したこともあった。

 その佳姫の特性と領域が共鳴を起こした――つまりどういうことだろう。共鳴という単語は初めて聞いた。


「ヘイスター教授、佳姫の嫁がいた領域とは?」

「焔の柱です」


 アルヴィは過去に読んだ異界精霊学の本を頭に思い浮かべた。膨大な情報の中からどうにか焔の柱を引きずり出し、諳んじた。


「文字通り焔のような火が柱となって立ち昇る領域。炎や熱の力を秘めた精霊が多いが、そこまで強い力を持つものはいない。火柱にさえ気を付ければ探索は難しくない。領域としての危険度は低い。……だったはずです。異界の中では単純な構造でした」


 椿がぼそりと言った。


「なんで丸暗記してるんだよ。頭良すぎて頭おかしい」


 アルヴィは聞かなかったことにしてヘイスター教授に尋ねた。


「では共鳴とは何ですか」

「滅多に起こらないことなんですが、領域と精霊の力が相互作用して進化してしまうんです。例えるなら領域と精霊の契約です。最終的に二つが一体化して新たな領域が生まれます」

「そうなると佳姫の嫁はどうなりますか?」

「消滅します。……新領域として生きるという見方もできますが、自我は残りません。領域の進化の糧となって終わりです」


 とんでもない話に呆然としてしまった。驚いた点はたくさんあるが、領域そのものが進化するなんて想像もしたことがない。本にも書かれていなかったと思う。


 ヘイスター教授は項垂れる佳姫を撫で、ずっと何かを考えている。佳姫の嫁をどうやって救出するか考えているのだろうか。そうであってほしい。一番怖いのは、ヘイスター教授ですらどうにもできなかった場合だ。


 椿の言葉が確かなら、領域と共鳴した佳姫の嫁は既に形を変えている。広範囲に光の欠片――それらが佳姫の嫁なのだ。

 かなり難しい事態だが、アルヴィはすぐに顔を上げた。


「とりあえず夕食にしましょう。空きっ腹では良い考えは浮かびません」


 椿とヘイスター教授は賛成し、ひとまず休むことになった。


「これまで色んなことを何とかしてきたんです。今回も大丈夫ですよ」


 椿は伸びをしながら「それもそうだな」と苦笑していた。ヘイスター教授は無言のままだが、張り詰めた空気は消えた気がする。

 アルヴィたちは夕食をとりながら作戦会議をすることにした。




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